コンテスト

トレーニングの目的に合わせた「重量」と「回数」の設定

釘、窓枠、石膏ボード、断熱材、電線や建材などは家を作るときに不可欠な材料だ。しかし、材料があるだけで家が建つわけではない。どれだけ高品質な材料が揃っていても、それをどう使うかを示す設計図がなければ役に立たないのだ。

文:Spencer Smith, CSCS
翻訳:ゴンズプロダクション

材料があっても設計図がなければ目的のものは作れないというのは、体作りでも同じことだ。ジムにはフリーウエイトをはじめさまざまな器具が豊富に揃っている。しかし、それらを片っ端から使ってトレーニングしたとしても、無計画に行えば結果は得られず、むしろケガをすることにもなりかねないのだ。肝心なことは、どんな種目を行うのか、どれだけのレップ数、セット数を行うのか、セット間はどれだけ休憩するのか、追い込むのかなどを事前に決めて計画を立て、ワークアウトプランを念入りに作っておくことだ。

例えば筋力アップを目的とするパワーリフターの場合は選択した種目で高重量を扱い、セット間には長めの休憩を取る。一方、ボディビルダーの場合は筋量を増やしたいので中程度の重量を扱い、セット間休憩を短くして運動の強度を高めたやり方を好む。フィットネスアスリートになると、コンディションを極める目的でハイレップのトレーニングを行う。やり方は違うが、どんな目的であっても私たちは同じ器具を使ってトレーニングを行っている。異なるのはプランなのだ。目的に合わせたプランを作り、それに沿って器具を使いこなし、種目を選択し、順番を考慮し、セット数やレップ数、セット間休憩を決めているのである。

例えば上腕二頭筋を太くしたい場合、腕を完全に伸ばした状態から肩の高さまでウエイトをカールさせる。トップポジションに達したら、ゆっくりとウエイトをスタートポジションまで下ろす。ボディビルダーにとってフルレンジでの動作は筋発達を促す上で大切なことだ。そして当然、正しいフォームで行うことも重要になってくる。

正しいフォームで行うには、使用重量を慎重に見極めなければならない。重すぎる重量では反動を使わないとトップまでカールさせられないし、軽すぎる重量では筋肉がしっかり疲労するまで刺激するのが困難になる。当然のことながら、目的に合わせたやり方があり、そのやり方を実践するには適切な重量を選択する必要があるのだ。

一般的に、高重量だと低レップしか行えないし、軽い重量だとハイレップにしなければ筋肉を追い込めない。どちらのやり方も筋肉を疲労させることができるが、どちらを選ぶかによって得られる結果は異なるのだ。どちらのやり方が自分に適しているのかは、その人が掲げるゴールによって変わる。どんなアスリートも、トレーニングを行うのであれば必ず目標を掲げ、その目標のために最適なプログラムを作ることが重要なのである。

■高重量でのトレーニング:セットあたり1〜6レップ。筋力向上を最優先したいアスリートに適している。
■中程度の重量でのトレーニング:セットあたり8〜12レップ。筋肥大を目的としたアスリートに適している。
■低重量でのトレーニング:セットあたり15レップ以上。筋持久力、筋肉のデフィニション、コンディションを整える目的のアスリートに適している。

運動身体学者のジミー・ピナ氏は、ロサンゼルスで多くのアスリートを指導してきたトレーナーであり、フィットネス関連の書物や記事を数多く執筆してきた人物だ。彼は、目的を明確にし、目的に適したセットあたりのレップ数を選択し、そのレップ数が限界である範囲での高重量をセレクトすることを勧めている。例えば筋肥大を目的としているアスリートが8レップのセットを行ったとする。ところが、8レップを終えてもまだレップを続けられそうな余力が残っていれば、当然それは選択した重量が軽すぎたということだ。

目的に合わせたレップ数、そして、そのレップ数ができる範囲での高重量を選択することは、結果を確実に得るためにはとても重要だということを覚えておこう。

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佐藤奈々子選手
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