2月11日(日・祝)に神奈川・カルッツかわさきで「マッスルコンテストJAPAN」が開催され、橋本智(はしもと・とも/45)選手がマスターズ(40歳以上)クラスAで優勝、一般の部クラスCで2位の活躍をみせた。昨年は6大会に出場し、減量期間は約1年間と過酷ながらもステージに立った橋本選手の心中を表彰後の舞台裏で聞いた。
「昨年は6大会出場してなかなか結果が出せずに苦しい試合が続きました。減量期間は伸びてしまうけれど、マッスルコンテストへの出場を決めて、優勝できたのはよかったです。自分なりにベストを尽くせたのではないか?と思います」
オフ(増量期)なしで1年間駆け抜けるのは簡単なことではないが、橋本選手はそこまでして試合に出場できた理由はどこにあるのか。
「ステージは緊張しますが、幸せな気持ちになります。毎日、自分自身に偉い、偉い、頑張ったよと声かけをしながら辛いことを乗り越えて、今回ベストを尽くせたと思います」
橋本選手は2016年の熊本大地震の被災をきっかけにトレーニングを始めた。
「2016年熊本大地震で私は不幸のどん底にいました。震源地の隣の西原村に住んでいたため、自宅は大規模半壊。長期の車中泊と瓦礫の撤去で両膝に水が溜まり歩けなくなりました。2年間治療を続けましたが一向に良くならず、味わったことのない絶望感と恐怖、被災してしまったという罪悪感で自分らしさを失いつつありました。医師に筋トレをしないと人工関節になると言われ、ゴールドジム熊本イーストでトレーニングを始めました」
そこからトレーニングに夢中になり、現在はビキニ競技で活躍している。
「私は力強い身体に憧れています。プールにいたら目を引くような、そんな美しい身体になりたいです」
取材・撮影:FITNESS LOVE編集部