コンテスト

筋トレ、日常生活にも効果的!身体の機能改善でポージングを美しく

シエカさんコンディショニングパーソナルトレーナーでありマッスルゲート審査員、ゴールドジムジャパンカップ解説などを務めるシエカさんが4月14日「美しくポージングをとるための機能改善」セミナーを開催。第2回目となる今回のサブテーマは脊柱・胸郭の可動性とコアの安定。身体操作性、自分の身体をコントロールする力、動ける身体を手に入れることを目的として座学と実践形式で行われた。本セミナーのエクササイズを継続することで、トレーニング効果アップや姿勢の改善、ポージングの技術向上が期待できる。

例えば、胸郭の可動性と丸みをつけることで、結果、肩甲骨の位置が定まり背中を広げやすく、肩が上がりにくくなるという。これができるようになることで、姿勢改善はもちろん、背中トレーニングの効果アップやポージングで背中のVシェイプをさらに際立たせることができる。ストレスや疲労、緊張などで肩に力が入りがちな方にも効果的。「肩が上がってしまうから肩を下げて」ではなく、そういった身体の根本的な所から整えるエクササイズを本セミナーでは紹介してくれた。

「美しくポージングをとるための機能改善」セミナー

ポージングモデルは女子フィジークトップ選手の村山彩乃選手

ポージングやトレーニングをする上でも感覚器の活性が大切

身体にあるセンサー(感覚器)を通して体内外の情報を受け取りそれをもとに動作が計画・実行される。

・体性感覚

触ることで得る情報や特に関節の運動から感覚を得ることが大切。この位の筋収縮なら関節が実際どれくらい曲がっているか、などがイメージと実際がマッチしてくると自分の身体の操作がしやすくなるため動きのぎこちなさが改善される。こういった感覚を鍛えるためには色々なパターンの動きの経験の多さも必要なため、さまざまな運動パターンを行うことで身体にたくさんの経験をさせることが大切。

例:何かを持ったときに○㎏と言い当てられる。この感覚が際立ってくる、など関節や筋収縮感で感じ取れるものが増えてくると細かいコントロールができるようになってくる。→鏡を見なくても自身の感覚がはっきりしているので身体をコントロールすることができる。

・視覚から状況と距離感をつかむ

視覚が悪い状態だとそもそも身体に無駄な緊張が起こる。また、周辺を見渡し状況を把握する力や立ち位置から目的地までの距離を測れる能力が高いほど、どくらいのテンポで歩けば良いか、前の人が動いたときにこのペースでいけばちょうどよくハマるなど、パフォーマンス・プレゼンテーション力も高まる。

・前庭覚

バランス機能の低下が起こるため無駄な力みが出てしまう。自分の真ん中が分かりにくくなり、ポージングを取った際に身体の軸が取れず傾いていたなど軸ブレの原因になる。こういった場合、本人は自覚していないことが多い。ポージングで軸がぶれていることを指摘された場合は前庭覚のチェック含め、刺激が入るトレーニングを活用することがオススメ。

・ボディマップの形成

自身の手脚の長さなど身体の全体像を理解しているのでどのくらい伸ばせば目標物に手が届くかなどがわかる。また、ボディマップが明確になると自分の身体をコントロールしやすくなるため動かし方、力の入れ方がわかる。思うように身体を操作できるので、舞台で目一杯のステージングができ、指先まで意識がいくようになる。トレーニングの効果ももちろん向上する。

実技の中から「呼吸法」を紹介!

実技では呼吸チェック(5秒鼻から吸い、5秒で口から吐ききり、5秒止める。※できる人は10秒-10秒-10秒で行う)から始まった。仰向けで膝立てて胸上と下腹部に手を当て、呼吸時に両方同じふくらみ(吸うとき)と沈み(吐くとき)を感じると正しい呼吸ができているという。呼吸が乱れたときや1日の終わりなどに呼吸をリセットするためにも、この方法は効果的。

呼吸チェックの後は、シエカさんのお手本に続きエクササイズを体験。前述した感覚器を養う、背骨肋骨を柔らかく、肋骨の丸みを取り戻す、肩甲骨の位置の修正と安定、コアの活性、重心コントロール、下半身とコアを連動するためのエクササイズを実践。

「肩甲骨を広げるためには肩甲骨が動きやすい状態にすることが大切。肩甲骨は肋骨の上にのっているだけ。肋骨というレールの上をすべるように動いているため肋骨のレールが崩れると肩甲骨が機能的に動かないんです」。背中の広がりがでなくて悩んでいる方など、肩甲骨だけにアプローチするのではなく、肋骨の丸みをつくるエクササイズを実践することで、背中を広げる感覚を掴んでいた。

「美しくポージングをとるための機能改善」セミナー

「美しくポージングをとるための機能改善」セミナー

セミナーの様子

実践後の質疑応答では、エクササイズを体験して感じた疑問点や自身の身体のクセをどのように治せばいいかなどの質問にも実践を交えて応えていたシエカさん。普段の姿勢から、今回行ったエクササイズをその人に合うように実践してもらい、セミナー前のもやもやが晴れていた様子が見られた。セミナー後、今回初めてセミナーに参加した方と前回に続いて参加された方に話を伺った。

「今回のセミナーで、エクササイズを実践して自分の使えていない部位(前鋸筋やコアなど)が実感できました」。しかし、僧帽筋にばかり力が入ってしまう悩みを今回のエクササイズで解消できるのか悩んでいたAさん。質疑応答でシエカさんに伝え、身体と姿勢を見てもらい、過緊張の抑制エクササイズ(インプリンティング、ニースウェイ)を実施。余分な力が抜けたとともに、アライメントも整った。「自分は普段から力が入り過ぎていることが分かりました。自分に必要なエクササイズが分かったことで、すっきりしました」

「前回よりも盛りだくさんの内容でした。前回の仰向けになって横に進む動き(肋骨、肩甲骨の可動性アップする動き)ができなかったのですが、前回のエクササイズを継続することで、今日できました!また、足首の安定性がなかったのですが、前回の全身のワークで足首も安定するようになりました。少しずつですが、身体の機能が改善されてポージングに活かされています。筋肉がまだ大きい訳ではないので、今回やったエクササイズで背中の広がりをポージングで見せられるように落とし込みたいです」

今回行った、エクササイズを取り入れていくことで、ポージングだけではなく、トレーニングの効果アップも期待できる。今はできない動きに執着せず、失敗も経験、できることをしながらチャレンジし続けていくことで変化があると語ってくれたシエカさん。

次回5月12日に行われる第三段のセミナーでは、下半身からのパワーを出す内容がメインになる。

「美しくポージングをとるための機能改善」セミナー

小倉シエカ
1979年生まれ。フィットネストレーナー/運動経験ゼロであったが、体型の崩れをきっかけに2007年、27歳で筋力トレーニングを開始。JBBFボディフィットネスに出場し、東京・関東(初代)・東日本(初代)大会チャンピオンとなる。2010年に全日本大会準優勝、11年東アジア選手権代表に選出。現在はピラティス、ウエイトトレーニング、筋緊張抑制などを組み合わせたコンディショニング&ボディメイクを行うパーソナル指導を中心に活動中。

取材:FITNESSLOVE編集部 写真提供:小倉シエカ ポートレート写真:中原義史

 

 

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佐藤奈々子選手
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