「トレーニングや大会に元々興味があり、アルバイトを始めたジムで出逢った先輩がメンズフィジークの選手で、その減量末期の身体に憧れて自分もボディメイクを始めました。自分の空手で鍛えてきた筋肉(特に筋肉質な脚)を活かせる、かっこいい身体になってみせると決意しました」
ななせさん(23)のボディメイクは、素朴な憧れから始まった。
「どうせやるなら徹底的にやろうと思い、ボディメイクを始めてすぐに大会への出場を宣言しました。マシンとフリーウエイトを組み合わせて週に4日、減量も最初から大会向けの絞り込みをしました。脂質は卵、アーモンド、アボカド。たんぱく質は鶏胸肉、魚介類(主に海老やイカ)。炭水化物はかぼちゃをひたすら食べました」
当時、大学生であったななせさんの集中ぶりは凄まじく、トレーニングに没頭するあまり単位を落としかけ、留年の危機に陥るほどであったという。
「2023年の1月にトレーニングを始め、2月には減量に入り、半年後にはステージに立つというハイスピードは正直過酷でしたが、宣言したからには絶対にやり切るぞという思いと、太っていた時は筋肉質な脚やイカリ肩がコンプレックスだったのが、絞っていくうちに“案外プロポーション悪くないんじゃないか(笑)?”という新たな自分を発見して、どんどんのめり込んでいきました」
155cmで58kgであった身体はステージに立つころには45kgという驚異的な変化をみせた。そして、生まれ変わった身体は、もうひとつ大きな変化をななせさんの人生にもたらす。
「実は、例の憧れの先輩と付き合うことになりました。今では2人で支え合って減量や大会に向けて高め合える、かけがえのない恋人です。今の目標は、自分のなれる最大のかっこいい身体の限界を目指すことです。バキバキの30代になって、ママになってもかっこいい女性になりたいです」
まさに人生のビフォーアフターを遂げたななせさん。トレーニングがつなぐ恋は、次はあなたにも訪れるかもしれない。
取材:にしかわ花 写真提供:ななせ