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「走馬灯が見えるほど」の脚トレで"太くて魅力的な脚"をつくりあげてコンテスト入賞 「脚を育てるために人と違うことをしなきゃいけない」

トレーニング中は苦痛で顔が歪み、終わったら立ち上がれなくなる。ボディビルダー顔負けの脚トレを行なっているのは石見良子(いわみ・りょうこ/36)選手だ。看護師、キャバ嬢、そしてパーソナルトレーナーと、異色の経歴を持つ石見選手。

【写真】石見良子選手の太くて魅力的な脚と教祖とのトレーニング風景

2024年にビキニフィットネスからウェルネス(※)へと転向し、2024年9月に開催された『オールジャパン ウェルネスチャンピオンシップス』ではウェルネスデビュー初年度で5位入賞を果たした。

※上半身に比べて殿部、大腿部が大きいのが特徴のカテゴリー

転向したのは「全部鍛えるのもおもしろそう」という理由から。カテゴリー転向を決めてから、全部位をやり込むようになったという。その成果が花開き、1年で身体全体がバルクアップして特に脚は大きく成長。その成長の背景には、石見選手が“教祖”と崇める井上裕章選手の存在と、ひたむきに打ち込む努力があった。

井上裕章選手といえば、12月に開催されたIFBB(国際ボディビル・フィットネス連盟)主催の『男子ワールドカップ』で2個の金メダルを獲得したことが記憶に新しい。井上選手が経営しているジム『ラビッチョ』に石見選手は2022年から所属している。

「当時、ヤバいジムに行きたくて探していたんですけど、想像以上のヤバさでした(苦笑)」と、当時を振り返る石見選手。初めて井上選手から脚のパーソナルを受けたとき、走馬灯が5回ほど見えたという。正しいフォームを習得してからどんどん重量を上げていき、追い込んでいくスタイルのトレーニングで、パーソナルでは「インターバル中に絶対に座らせてくれない」のだそう。

「特に脚トレでは、一回イスに座ってしまうと二度と立ち上がれないと思います。それぐらいハードでキツいし、自分を男だと本気で思い込むようにしていました。言い訳は通用しない世界です(笑)」

週に1回のパーソナルの他にも自宅近くのジムに毎日通い、脚トレの頻度も増えた。井上選手の指導はかなりハードコアのため、内容は大きく変えずに自主トレで補填するように。やると決めてから、ほぼ毎日、脚の種目をやるようにしていたそうで、ここまでやり込むのは「人と同じことをやっても意味がない」と思ったからだと話す。

「エブリデイ(レッグ)エクステンション・エブリデイスクワットです。世間的には良くないとされていますが、自分の脚を育てるためには人と違うことをしなきゃいけない。セットや回数を決めずに重量を落としながら動けなくなるまで、がむしゃらにやり込んでいました」

現在も毎日ジムに通って、脚、背中(&腕)、胸(&腕)、肩のルーティーンで回し、週に1回『ラビッチョ』で井上選手にしごかれている石見選手。濃密な内容であるがゆえに体力がもたず、パーソナルも自主トレも1時間だけ。行きたくない日はないのかと聞いてみると、「モチベーションに左右されないことが大事」とズバリ言い切る。「行かない言い訳を探すより、行くなら行くって覚悟を決めちゃいます。後から教祖の井上さんに指摘される方が怖いですし(笑)」

トレーニング以外でも“激アツ”なマインドを持ち、厳しいながらも温かい人柄で接してくれる井上選手だからこそ、石見選手も信頼しきっているようで、2人の間には堅い絆が結ばれている。教祖は世界を獲った。ラビッチョ魂を宿す石見選手は、どこまで羽ばたいていくのだろうか。

石見良子選手

【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。

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取材・文:小笠拡子 撮影:中島康介 写真提供:石見良子

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