JBBFビキニフィットネス部門で優勝経験のある開道稚晴(かいどう・ちはる/27)さんは、婚約者との別れを経験して気持ちが落ち込んでいたが、このままではダメだと筋トレを開始。その結果、もともと持っていたコンプレックスをいい方向に捉えることができるようになった。
「婚約者との別れはとても辛い経験でした。その当時は、自分に自信がなくて自分のことも大嫌いでした。気持ちも沈んでいたのですが、このままではダメだと思って、そこから筋トレをはじめました」
この決断は開道さんにとって大きなプラスに働くことになった。というのも、開道さんがもともと持っていたコンプレックスに「人よりも筋肉がつきやすくがっちりして見える」ということと「日焼けしやすい」ということがあった。この2点はコンテスト競技者にとって大きな利点となる。
「筋肉質で日焼けしやすい体質にコンプレックスを抱えていましたが、コンテスト出場を通じてそれらは自分の強みで、大きな財産だと感じるようになりました。365日頑張った分を1日のステージにぶつけるのがとても魅力的で、ステージ後はやっぱり出て良かった、頑張って良かったと思いますし、また出場したくなります」
「筋肉がつきやすい」というコンプレックスは筋トレにも存分に生かされている。
「筋肉もつきやすくて、筋力もある方です。例えば懸垂だと、7.5kgの加重を加えて9回行うことができます。身体がぶれないように下半身と脊柱起立筋を固め、胸を張って上がると背中の筋肉が使いやすくなりました」と具体的なアドバイスも共有してくれた。
現在は苦手な肩のトレーニングを様々な種目を取り入れながら、トレーニング頻度も上げて克服の真っ最中だという。昔は苦手だった自分の不得意なことに向き合うということも、今では前向きに捉えられるようになり、克服した姿を楽しみにしているそうだ。
「私は今まで自分の全てが大嫌いでしたが、トレーニングを始めてから、筋肉がついても脂肪がついても自分を愛することができるようになりました。自分一人でも自分を幸せにしてあげられるし、自分の未来を変えることができると確信できました!みなさん一人ひとり、誰もが尊くて素晴らしい存在だと思っています。どんな自分でも受け入れて、自分自身を大事にし続けたい。自分にしかできないことは誰もが必ずあります!」
自分が嫌で仕方がないというコンプレックスも場所や見方を変えると、人生を変える大きな力に変わることがある。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:柳瀬康宏 写真提供:開道稚晴