JBBF選手 コンテスト

1日5000キロカロリー摂取で筋肉量アップ!「腰高脚線美」の中畑真希がJBBF転向初年に日本5位に

1日5000キロカロリーもの食事を取り身体のサイズアップを図り、「健康美」を競うボディコンテストのベストボディ・ジャパンから「競技者」として頂点を競うJBBF(公益社団法人)へ転向した中畑真希(なかはた・まき/29)さん。2023年の『ベストボディ・ジャパン日本大会』でミス・ベストボディ部門ガールズクラスでグランプリを獲得し、その2年後の2025年、『JBBFオールジャパンフィットネスチャンピオンシップス』でビキニフィットネス163㎝超級5位を獲得。転向初年に、一気に他団体でもトップクラスに駆け上った中畑さんが筋肉量を上げてきた方法とは。

[初出:月刊ボディビルディング2026年6月号]

【写真】29歳・中畑真希さんの「腰高脚線美」ボディ(ステージ写真7枚)

中畑真希さん

──中畑選手といえば、2023年・コンテストデビュー初年で『ベストボディ・ジャパン(BBJ)日本大会』満点優勝という、鮮烈な成績も印象的です。もともと、トレーニングを始められたきっかけは何だったのでしょうか?

中畑 2023年当時、27歳から28歳になる頃で、年齢とともに体型の変化を感じて「軽くトレーニングでもしてみよう」と思ったのがきっかけでした。

365日の「クロスフィット」が
育んだ強靭な下半身とコアマッスル

──トレーニング開始から1年足らずでBBJ日本一へと駆け上がった要因について、最も大きいと思われるのは?

中畑 独学に限界を感じ、2023年4月にパーソナルトレーナーをつけたことです。札幌の『CrossFit SSC』(※1)で、元プロラグビー選手のローガン・ミューア(※2)に師事し、ウエイトトレーニングの基礎とクロスフィットを学び始めました。
BBJに出場していた頃は、しなやかでウエストが細くすらっとした脚という「健康美」を意識していたので、ウエイトはほとんど基礎練習に留め、クロスフィットをメインに身体作りをしました。ものすごく楽しくて、毎日、メンバーと記録を競い合ううちに、自然と身体が引き締まっていきました。

──BBJ時代から、腹筋と大腿四頭筋を強みとされていました。それもクロスフィットの賜物でしょうか?

中畑 はい。クロスフィットは日々メニューが変わりますが、必ずと言っていいほど脚を使う高強度の種目が入ります腹筋も単体で鍛えたというより、全身を連動させて動かすなかで勝手にコアが使われ、強化されていきました。

──ボディコンテストという世界へ飛び込むことに戸惑いはありませんでしたか?

中畑 全くなかったですね。ジムに入会してすぐに「大会があるよ」と教えていただき、2カ月後にはミーティングに参加、さらにその2カ月後には初ステージに立っていました。もともと人前に立つことへの抵抗がなく、周囲に人が集まる環境を楽しめる性格なので、戸惑いよりも「自分はどう評価されるんだろう」というワクワクの方が大きかったです。

世界を目指しJBBFへ
「もっと筋肉を、もっと競技を」

──BBJで日本一を掴んだ後、競技特性の異なるJBBFへの転向を決められた理由はありますか?

中畑 デビュー年で7大会中6大会で優勝、日本一も頂いて、自分のなかで「次のステップ」を求めていました。ヘアメイクが好きなのですが、海外のフィットネス選手を参考にしようとSNSや雑誌で観たビキニ選手たちの姿に「なんだこれは!」と衝撃を受けたんです。これまでの「細くて綺麗」な女性のイメージとは一線を画す、筋肉の美しさに一瞬で心奪われました。

──海外のステージが、ビキニ競技を目指すきっかけになったんですね。

中畑 純粋に、私もあそこに並んでみたいと思いました。また、コンテスト出場前からの友人である小澤亮平さんから世界選手権のお話を伺ううちに、より高いレベルを目指したいという気持ちが止まらなくなりました。BBJでは大きな挫折もなく進んでこれましたが、「本当の意味で競技としてボディメイクに立ち向かったらどうなるか」という好奇心が湧いたんです。

1年で+20㎏の執念の増量
『5000kcal』と『531プログラム』

──転向にあたり、一年半の沈黙期間がありました。その間、どのような肉体造形を行っていたのでしょうか。

中畑 JBBFで戦うには、BBJ時代の「スレンダーな肉体美」では通用しません。1年間を増量、半年を減量に充てる長期計画を立てました。
食事のテーマは「とにかく食べること」。十分なたんぱく質摂取は前提として、ジャンクフードも含めて1日5000
kcalを目標に食べ続けました。好物の卵をはじめとして、冷蔵庫にあるものは何でも口にしましたが目標カロリーに届かず、マルトデキストリンを1日6杯(約450〜600kcal相当)飲んで補いました。常に「カロリーが足りないのでは」という不安に駆られていて、家に好きなパンをずらっと並べておき、夜中に目が覚めた瞬間でもすぐに食べられるようにしていました。結果、オフの体重は1年で72㎏まで増えました。

──その膨大な食事量を糧にしたトレーニングとは、どのようなものでしょうか?

中畑 クロスフィットのトレーナーにウエイトも担当してもらい、高重量に挑む『531プログラム』(※3)に取り組みました。

──そのプログラムによって、どのような変化がありましたか?

中畑 ベンチプレスはシャフトを下ろすことすらできなかった状態から48㎏、スクワット(ヘックスバー)は40㎏から90㎏以上、デッドリフトは30㎏台から120㎏まで伸ばせました。
重量が伸びていくにつれて、トレーニングへの意識もかなり変わりました。特に、脚はもともと好きで苦手意識もなかったのですが、朝起きてトレーニングを意識するとちょっと嫌な気持ちになっている自分に気づきました(笑)。そんな時に支えになったのが、原点のクロスフィットです。皆で競い合い、純粋に身体を動かす楽しさが高重量に挑む精神的な辛さを打ち消してくれました。

──大幅な増量に対して、減量の不安はありませんでしたか?

中畑 食事専属トレーナーによる余裕のある計画だったことや、クロスフィットの頻度を(週2日から最大週7日まで)増やしていった結果、2000 kcal 摂取している時期でもみるみる絞れていったため、全く焦りはなかったです。

──JBBF初戦、『北海道選手権大会』にはどのような心境で挑まれましたか?

中畑 「ようやくステージに戻ってこれた」という喜びが大きかったです。全く違う団体・カテゴリーではあるけれど、心のどこかで「自分は負けない・日本一を獲ったことがある」という自負が支えにあったことも大きいと思います。

初の頂上戦で5位も「悔しかった」
マシントレーニングで弱点克服へ

──その後のオールジャパンでは、初参戦で5位。安井友梨選手といったレジェンドを始めとした激戦区でのトップ5入りは快挙ですが、表情は厳しいですね。

中畑 正直、悔しかったです。満足は全くしていません。初めての挫折を味わうと同時に、この競技のレベルの高さ、やり甲斐を再認識しました。また、トップ選手の方々と並んだことで自分の課題が明確になりました。上半身、特に肩のリアや背中の厚み、広がり、造形の緻密さが必要だと痛感しました。

──その学びを、現在のオフシーズンにどう生かされていますか?

中畑 今更と思われるかもしれませんが、マシントレーニングを始めました。私は今までフリーウエイトのみで身体を作ってきたため、ラットプルダウンすら触ったことがありません。ラットプルやリアデルトといった、背面の細かい筋肉にアプローチできる、マシンでのトレーニングを追加して行なっています。

──ポージングは、JBBF転向を決められた当初からAZUSAさんに師事されているそうです。現在はどのような指導を?

中畑 私は札幌に住んでるので月に1回しか行けないのですが、着いた日と帰る日で計4時間びっちり指導いただいています。脚のマッスルコントロールはもちろん、苦手なムービングの改善点を持ち帰って反復して磨いています。

──今後の目標を教えてください。

中畑 今年はスポルテックを皮切りに、オールジャパンまで計4大会を予定しています。大会を重ねることで、自分の身体の変化をデータとして収集する年にしたいです。昨年までのステージでは「自分が楽しい」気持ちが先立ってしまいましたが、今年は「観ている方々が楽しめる」、エンターテイメントとしてのステージを目指します。いつか世界選手権の舞台に立つときには、骨格から圧倒的な海外選手と並んでも引けを取らない肉体を作り上げたいです。

【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。

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取材・文:にしかわ花 大会写真:中原義史

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