マッスルゲート選手 コンテスト

仕上がり体重67kg→73kg! コンテスト初優勝 あえて大会から離れ、食事・トレーニング・休養を見直した27歳の逆転劇

2026年8月1日に神戸芸術劇場で開催された「マッスルゲート神戸大会」のボディビル一般の部75kg以下級において、安藤凌太(あんどう・りょうた/27)さんが見事1位を獲得した。

審査員全員からの満票を得ての優勝となり、自身初となる金メダルを手にした。普段は製造系の開発職として働く安藤さんは、仕事の傍ら24時間ジムでトレーニングに励んでいる。決勝審査を終えた直後、安藤さんは「楽しめました」と穏やかな笑顔で手応えを語ったが、この優勝の裏には、これまでの苦戦とそれを乗り越えるための大きな決断があった。

【写真】安藤凌太さんのVシェイプが強調された筋肉美

あえて「出場しない」決断で挑んだ身体づくりの見直し

安藤さんはこれまで、2024年の兵庫県メンズフィジークオープン大会や兵庫県クラス別ボディビル選手権に出場していたものの、思うような結果を残せない時期が続いていた。

「以前は減量でどこまで絞ればいいのか、筋量をどこまで残せるのかが分からず、精神的にもギリギリだった」と当時の悩みを打ち明ける。

状況を打破するため、安藤さんは2025年の大会出場を見送り、1年間をかけて食事・トレーニング・コンディショニングを一から見直す選択をした。

食事面では最低限のタンパク質と炭水化物の量を徹底して確保。トレーニングでは毎セッションで1kgでも重い重量、1レップでも多く挙げることを意識した。

さらに、疲れを持ち越さないよう温泉での入浴や整体を取り入れ、「休む日」を設けることで関節や筋肉を休ませるコンディショニングにも注力した。

仕上がり6kg増と「純粋に楽しむ」心境の変化が生んだ満票優勝

1年間にわたる試行錯誤の成果は、明確な数値となって現れた。前回大会での仕上がり体重は67kgだったのに対し、今回はコンディションを高く保ったまま約6kg上積みした73kgでのステージとなった。

「そのおかげで今回の優勝があったと思っています」と安藤さんは振り返る。

身体の進化とともに、競技への向き合い方にも変化が生まれた。「今回は純粋に楽しもうかなと思って出ました」と語るように、結果だけに囚われずステージ自体を楽しむ心の余裕が、自然体で堂々としたポージングにつながった。

その結果が、審査員満票での初優勝という最高の形となって実を結んだ。

立ち止まる勇気が大きな飛躍を生む

順位や成果が出ない時期が続くと、焦りからそのまま走り続けてしまいがちだ。

しかし、時には思い切って立ち止まり、自分の課題とじっくり向き合う時間を作ることこそが、大きな飛躍を可能にする。

伸び悩んだときに一度現状を見つめ直し、休養を含めた環境づくりを再構築した安藤さんの選択と実行力は、競技生活のみならず日常や仕事で行き詰まりを感じている多くの人にとっても、現状を打ち破るための大きなヒントとなるはずだ。

【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。

取材・文:久米大郎 写真:岡暁

執筆者:久米大郎
都内の出版社で数学書の編集者として勤務。
ゴールドジムでトレーニングに励み、ボディビル競技に挑戦中。2024年マッスルゲート埼玉大会ボディビル65kg以下級3位、2025年東京ノービスボディビル選手権大会男子ボディビル55kg以下級2位。
競技者としての経験を生かし、筋トレ情報サイト「FITNESS LOVE」で取材・執筆を担当。
徳島県徳島市出身、神奈川県大和市在住。

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