サマスタ選手 コンテスト

39歳・ごく普通の会社員が筋トレでプロビキニ選手に 「何歳からでも変われるという希望になりたい」

たゆまぬ努力と挑戦心は、ときに自身の想像すら凌駕する自分を作り上げる。

「トレーニングを続けることで、歳を重ねる度に身体は若返ってる気がします。人生で今が一番楽しいです」

【写真】臼井早織さんの鍛え上げられた全身筋肉美

臼井早織(うすい・さおり/39)さんは、ボディコンテスト、『サマー・スタイル・アワード』(以下、SSA)でプロ選手(大会にて優勝経験を持つ選手のみが契約できる特別枠)として活躍する。

鍛え上げられた華やかな肢体と戦歴で今や選手陣の憧れとなった臼井さんだが、臼井さんは自身について、「特別お金があるわけでもなく、特別時間があるわけでもなく、恵まれた骨格の持ち主でもなく、ごく普通の会社員」であると評す。トレーニングを始めたきっかけも、偶然といってもいいほど些細なことだった。

「友人からジムに通い始めたいから付き添ってほしいと言われたのですが、当日友人が途中で体調を崩してしまったため私が代わりに見学して説明を受けました。最初は全く興味がなかったのですが、聞いているうちに自分も一緒にやってみようかなと思いました。のちに大会に出場を決めたのも、勧められて『なんか楽しそう』というとても軽い気持ちでした」

しかし、トレーニングと大会を重ねるたびに心身が大きく変化していった。着られる服ではなく着たい服が着られるようになり、食事管理によるクリーンな食材の摂取により肌トラブルもなくなった。そして、それらを超えて最も大きく変わったのは精神面だ。

「自分に自信が持てるようになり、心が広くなりました。そして、自分自身を大切にできるようになりました。ポジティブ思考な仲間たちのおかげで私もポジティブに物事を考えられるようになりました」

自信の源となったのは、目標への明確な段階を設け、自分自身に対してどんな小さな約束でも守り続けたことだという。

「トレーニングや減量は辛いと思うことも多いので、つい逃げ出す選択肢を自分に与えそうになります。それを防ぐために、大きな課題に対して逆算して段階的に計画を立てます。例えば今年の目標に対しての次の大会までの目標を決め、そのために今週に絶対必要なことは何か、では今日やらなければならないことは何かというのを決めて、小さなことでも約束を日々守り続けています。トレーナーとも目標を共有することで、達成に向けて気持ちがブレないようにしています」

臼井さんは、今年は今までとは違うカテゴリーへの挑戦を視野に入れて、今日もトレーニングに励んでいる。目標とする未来を聞いた。

「コンテスト以外では、何歳からでも身体も心も変われるということ、同世代に挑戦することへの勇気や希望を与えられる存在になっていきたいですね」

自分との約束を守ることは、自分との信頼関係の構築だ。誰をどんな言い訳でごまかせたとしても、自分自身を騙すことはできない。生涯に渡って共に歩む自分自身に誠実であることは、それだけで大きな自負心となる。そんな姿を臼井さんの姿勢は見せてくれた。

【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。

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取材:にしかわ花 写真提供:臼井早織

執筆者:にしかわ花
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。

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