172cmのスラリとした身体と堂々としたポージングで『サマースタイルアワード BODY MAKE CUP KANSAI』の女子水着部門でベストパフォーマンス賞を受賞したのが瀬川唯(せがわ・ゆい/23)さんだ。瀬川さんは女性専用パーソナルジム『be+Y_fitness』の代表であり、現役のトレーナーでもある。
スタジオインストラクターとしても活動している瀬川さんは、「ボディコンテストに向けての身体づくりではなく、むしろ日常の積み重ねの延長を披露するステージだった」と語る。その裏には、8年にわたって磨き続けてきた自分の身体と向き合う習慣があった。
16歳でトレーニングを開始。試行錯誤の末に見つけた「健康第一」
トレーニングを始めたのは16歳のとき。運動好きな母と一緒に地元のフィットネスクラブに通い始めたのがきっかけだった。
「特に太っていたわけではなかったですが、10代のころはSNSで見た極端な食事制限とか、自己流のダイエットばかり試しては失敗して……悩むことが多かったです。でも、いつでもジムに行ける環境にいたから、健康的な思考に戻れたんだと思います」
今では『少しでも身体に良い選択をする』『疲れているときはしっかり休む』『ストレスを溜めない』といった、ごく当たり前の身体ファーストな判断が習慣になっているという。今回のコンテスト出場には、15歳年上のパートナーの存在も大きかった。
「何か2人で頑張れることがしたくて、サマスタに一緒に出ることにしたんです。毎日の食事やトレーニング、ポージング練習……全部がすごく良い時間でした。お互いが刺激し合えて、最高の相棒です(笑)」
今後は、8月に開催されるペア部門にも2人で出場予定。ボディメイクを通じて、パートナーシップの在り方までアップデートしているようだ。瀬川さんがトレーナーとして一貫して伝えているのは、無理な食事制限をしないこと。
「女性は特に脂質を抜きすぎると、ホルモンバランスが崩れて見た目にも悪影響が出るんです。だから私は、コンテストがあるからといって食事を極端には変えません」
普段から我慢ではなく自然に選ぶという食生活がベース。大会出場の有無に関係なく、『身体が喜ぶかどうか』で選択することが習慣になっている。強みの部位はお尻。だが、ただ鍛えれば良いという考えではない。
「お尻って鍛えすぎると四角くなってしまうんです。だから私は、丸みを大事にしてバランスを見ながら鍛えています。それに、肌の質感もすごく大事。筋肉と脂肪のバランスが、いちばん女性らしくて魅力的だと思っているので、ある程度脂肪は残しています。女性専用ボディメイクトレーナーとしてたくさんの悩みと出会ってきましたが、SNSの情報に振り回されてしまう人が多すぎると感じています」
だからこそ、瀬川さんは言い続ける。「ボディメイクのやり方は人それぞれで、正解は一つではない」と。
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材・文:柳瀬康宏 写真撮影:岡 暁
執筆者:柳瀬康宏
『IRONMAN』『月刊ボディビルディング』『FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格:NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動。2019年よりJBBFやマッスルゲートを中心に、毎年ボディコンテストに挑戦中。
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