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「下乳ばかり大きくなる」バランスの悪い大胸筋を見直そう。大学教授が教えるベンチプレス

上部と下部がバランス良く発達した大胸筋は、競技者でなくとも憧れだろう。しかし、何も考えないトレーニングでは下部ばかり発達してしまいがちだ。今回は、見栄えのする大胸筋を作るためのポイントについて、東海大学教授の有賀先生に教えていただいた。
※IRONMAN2024年10月号に掲載された「バランスの良い大胸筋を目指すトレーニングフォーム改善講座」をWEB用に編集したものです

アーチを組まないベンチプレスがおすすめ

有賀誠司(あるが・せいじ)
1962年、東京生まれ。東海大学健康学部教授・大学院健康学科研究科長、日本トレーニング指導者協会理事長。ボディビル競技では、日本社会人選手権や関東選手権のタイトルを獲得するとともに、1991年と1993年にアジア選手権2位の成績を収めている。


有賀「ベンチプレスでは、補助者がいない場合は追い込みでチーティングを使うことがあると思いますが、そうすると胸郭が後傾し、どうしても胸のアーチができてしまいます。この問題を解決するのためには、フォームが崩れない範囲のパーシャルで追い込むことが考えられます。補助者がいる場合は補助を頼むのも良いですが、補助者の技術が足りていないと、結局は代償動作が出てしまうことがあります」

NG動作

高いアーチを作ると重量を挙げることができるが、その分刺激が下部に逃げやすい。目的に応じて、上部を狙うフォームと使い分けると良い。

OK動作

大胸筋下部に刺激が移行しないようにするために、脊柱は極端なアーチを作らない。ベンチと腰部の間に手のひら1枚が入る程度が目安。

矯正法

ベンチプレスの際にアーチを組む癖の矯正が難しい場合は、ベンチに足を上げて動作を行う。腰部が浮かなくなるため、自然とアーチが低くニュートラルな状態でベンチプレスが行いやすくなる。

代償動作を出さないベンチプレスもおすすめ

補助をする方は、動作の途中で止めることなく、同じ速度で挙上できるようにサポートしてあげると良いだろう。トレーニングをする方は全力で頑張りつつ、フォームを崩さない意識も持たないといけない。

無駄な動作を出さないベンチプレス

OK動作

大胸筋上部から刺激を逃さないためには、脇を開きすぎても閉じすぎてもいけない。中間の位置で固定して動作する。

NG動作

脇が開きすぎていると肩甲骨が上方に移動しやすい。この姿勢では、大胸筋よりも三角筋の関与が増えてしまう。また、脇が閉じすぎている場合はディッピングの動作に近くなり、大胸筋鎖骨部とともに小胸筋に刺激が入りやすくなる。

肩甲骨のポジショニングで刺激の入り方が変わる!

肩甲骨のポジションでも刺激の入り方は変わる。上方にあると三角筋に刺激が入りやすい傾向があるため、基本的にはニュートラルから下制の間でしっくりくる位置を選ぶ。

取材・文:舟橋位於 撮影:舟橋賢

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