マッスルゲート出場者にアンケートを実施したところ、約200名から寄せられた声。その中でも「やり方が合っているか分からない」という声が多かった上位5種目を東海大学健康学部の有賀誠司教授に解説いただいた。悩める多くのトレーニーを救う、ガイドブックとして参考にしてほしい。
監修:有賀誠司
取材・文:舟橋位於、小笠拡子 撮影:舟橋賢 Web構成:中村聡美
肩や三頭ではなく胸の下部を狙う
ディップス 41票
寄せられた声
三頭筋に入るばかりで大胸筋に効かない
三角筋への刺激が多い
肩が痛くなり最後まで追い込めない
腕が先に疲れ、胸の疲労を感じたことがない
姿勢の維持が難しい
アンケートまとめ
本当は胸を狙いたいのに、三頭筋や肩へ刺激が入ってしまう。その結果、腕が先に疲労して胸の種目として追い込めない。そういった声が多かったディップス。また、肩関節や肘関節への負担が大きく、「怪我をしそう」という声も。
正しいフォーム
①上半身をわずかに前傾させてバランスをとる
②上半身を前傾させながら身体を下ろしていく
③姿勢を一定に保ちながら元の位置まで戻る
ココがポイント
上半身を前傾させることで大胸筋に刺激が入りやすくなります。また、下ろした姿勢では、肩がグリップより前、肘はグリップよりやや後方のポジションを目安にします。
効かせられない原因はココにある!
NG動作と改善のポイント
❶肩甲骨が上がって肩がすくんでしまう
NGポイント:スタート時に肩周辺が脱力していると、肩甲骨が上がってしまう
【考えられる影響】
・肩甲骨の動きが制限されやすくなる
【改善のために】
・肩甲骨の下制を意識する。身体全体を真上に上げるようにイメージすると良い
❷腹筋が脱力し、身体が反ってしまう
NGポイント:体幹の力が抜け腰が反ってしまう
【考えられる影響】
・腰への負担が大きくなる
【改善のために】
・腹直筋を収縮させて、腰を反りすぎないように練習する
❸上半身が丸まってしまう
NGポイント:膝が前方に移動して、上半身が丸まってしまう
【考えられる影響】
・肩甲骨が外転したボジションになると、大胸筋に刺激が入りにくくなる
【改善のために】
・股関節は伸展させ、胸を張るように意識する
❹身体が前傾しすぎているか垂直になりすぎている
NGポイント:身体が過度に前傾してしまう。または、全身が立ちすぎてしまう
【考えられる影響】
前傾しすぎたボジションはバランスが取りにくい。身体が垂直になったポジションは上腕三頭筋の動員が増えてしまう
【改善のために】
・グリップに対しての肩との位置を意識する(上記のポイントを参照)
ご協力いただいた学生モデル
- 東海大学ボディビル部・大学院2年次生 沢井大樹
- 東東海大学ボディビル部・大学4年次生 新垣日向
あるが・せいじ
1962年、東京都生まれ。東海大学健康学部教授・大学院健康学科研究科長、日本健康運動指導士会会長、日本トレーニング指導者協会相談役、JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)監事。ボディビル競技では、日本社会人選手権や関東選手権のタイトルを獲得するとともに、1991年と1993年にアジア選手権2位の成績を収めている。
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