友人の応援で訪れた『ベストボディ・ジャパン』の会場で、伊藤ゆみ(いとう・ゆみ/59)さんは思わず目を奪われた。ステージに立っていたのは、同じ50代の女性たち。年齢を感じさせない華やかさと、丁寧につくられた身体に強く心を動かされたという。
【写真】もうすぐ還暦!? 伊藤ゆみさんの艶やかなビキニスタイルとくびれたウエストを含む6枚

左2015年、右2024年
「同じ50代でこんなにきれいな方がいるんだと衝撃を受けました。年齢を理由にあきらめなくていいんだと思えたんです」
その日を境に、「翌年は自分もあの舞台に立つ」と決意した。運動歴はまったくなく、当時は医療事務として長時間パソコンに向かう毎日。ストレスも多く、ランチやお菓子を楽しみに過ごしていたという。そんな生活の中から、伊藤さんは少しずつ身体づくりを始めていった。
身体づくりを始めて気付いた、まず整えるべきは「腸」だった
伊藤さんが最初に意識したのは、ただ食事量を減らすことではなかった。身体を絞る前に、まずは『巡る身体』をつくること。そのために取り入れたのが、発酵食や和食を中心にした腸活だった。
「いきなり我慢ばかりの食事にすると続かないと思って、まずは身体の調子を整えることを大事にしました」
具体的には、伊豆の天草から寒天を手作りし、砂糖を入れない小豆と合わせて毎日のおやつにしていたという。甘いものを完全に断つのではなく、食べ方を工夫したことが続けやすさにつながった。
「あとは手作り味噌を使った具だくさんのみそ汁を習慣化しました。味噌汁だけでもしっかり栄養が取れるように具材はたっぷりで、忙しい日でも続けやすかったです。肉や魚、豆腐、卵などのタンパク質を加えて、野菜、芋類、海藻、きのこ類も入れて、最後にすりごまをかけて食べていました」
1品でタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維をまとめて取りやすく、献立を複雑にしなくても栄養バランスを整えやすい。
また、砂糖、油、小麦粉を控えめにしたことも大きかったという。
「肌荒れがなくなって、便がしっかり出るようになりました。体重も落ちやすくなりましたし、イライラすることも減りました」
食事を変えたことで見た目だけでなく、身体の内側や気分にも変化があった。無理な制限ではなく、整える方向で進めたことが、長く続けられた理由のひとつだったのだろう。
忙しくても続いた理由は、1回30分から40分の短時間トレーニング
身体づくりを支えたもう一つの柱が、短時間で行う筋トレ習慣である。伊藤さんは、日にちや時間を厳密に固定せず、「行けるときに行く」というスタイルでジムに通い続けた。目安は週3回、1回30分から40分。胸、脚、肩、背中、お腹の中から、その日の時間に合わせて3部位ほどを鍛えていたという。
「短時間で効果を上げることを意識していました。でも、無理をしないことはずっと大事にしていました。だから1日40分以上はトレーニングをやらないようにしていたんです」
最初から完璧なルールを作りすぎると続きにくい。伊藤さんはそのことをよく分かっていたのだろう。筋トレだけに偏らず、ウォーキングやラジオ体操も毎日取り入れ、身体を動かす習慣そのものを生活の中に組み込んでいた。
「筋トレだけ頑張るのではなくて、毎日少しでも動くことを意識していました。その方が身体も気持ちも整いやすかったです。また、食事管理でもストレスをため込まない工夫をしていて、食べる日は食べる、我慢する日は我慢する。そのくらいのメリハリが私には合っていました」
身体づくりを始めてからは、風邪をひかなくなり、コンディションも安定。仕事を休むことがなくなったという伊藤さん。見た目の変化だけではなく、日常生活を気持ちよく送れる身体へと変わっていった。
還暦イヤーを迎える伊藤さんの現在の目標は、『ベストボディ・ジャパン』のプラチナクラス(60歳〜年齢無制限)で日本一になることだ。年齢を重ねたからこそ、身体づくりは遅いのではなく、やり方を見直すきっかけになる。
次ページ:もうすぐ還暦!? 伊藤ゆみさんの艶やかなビキニスタイルとくびれたウエストを含む6枚
取材・文:柳瀬康宏 写真提供:伊藤ゆみ
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。










