「ほぐし」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?
近年はリリースブームということもあり、 方法やグッズもかなりの種類があって何をやったらいいのか、何が効果的か迷ってしまいますよね。
そこで3人のヨガインストラクターに「MYベストほぐしケア」について教えてもらいました。
3回シリーズの1回目は、宮城由香さんです。
[初出:『Yoga&Fitness』vol.13]
「ほぐし」が変えたヨガとの向き合い方
ダンサー時代やヨガを始めた当初は、体を「ほぐす」ことにはほとんど興味がありませんでした。しかし、怪我をきっかけに体の使い方を見直す中で「ほぐし」を取り入れるようになり、その効果に気づきました。
ほぐすことで筋肉の無駄な緊張がなくなり、ヨガのポーズ(アーサナ)がより快適になります。怪我の予防にもつながるので、朝の練習前に取り入れることが多いです。
ヨガの準備に「ほぐし」が効果的な理由
ヨガは、筋肉を使ってその反対側を伸ばす相反神経抑制や、筋肉を伸ばしながら使う遠心性収縮を利用しますが、「ほぐし」は部分的にアプローチして筋肉を緩めるというところに大きな違いがあります。
筋肉に無駄な緊張がないほうが筋肉を効果的に使えるし、ストレッチもかかりやすいため、ほぐしはヨガの準備にとても有効的です。
アーサナの快適さが、ヨガをもっと楽しくする
アーサナと言うと、難しいポーズを思い浮かべがちですが、チャイルドポーズなどのリラックスポーズでも快適でなければ意味がありません。
ポーズが快適でないと感じたら、その原因をしっかりと探り、改善することが重要です。ヨガを通じて体の変化を感じることができると、もっと深くヨガを楽しめるようになりますよ。
さっそくやってみよう!
宮城由香さんのおすすめ「ほぐし」ケア
【腸腰筋】
膝立ちの状態から右足を前にだし、 両手を膝に添える
↓
息を吐きながら、踵の上に膝がくるように踏み込む。骨盤を後傾にし、胸椎を後弯させるのがポイント。5呼吸ほどキープし、足を入れ替えて反対側も同様に行う。
❌NG❌
骨盤を前傾させ胸椎を伸展させてしまうと、ターゲットの筋肉が上手く伸びない。
【広背筋】
座りやすい座法で座り、右手で左の脇の下あたりを掴む。親指が脇の下、4本の指が背中側にくるようにする。
↓
掴んだ部分を背中側に向かって剥がすように動かしながら、前から腕を上げ下げする。上げて下ろすを1回とし、5~10回行う。腕を入れ替えて反対側も同様に。
◆ベルトを使って◆
【ハムストリングス】
長座で座り、足裏にベルトをかける。骨盤をしっかりとたて、息を吐きながら仙骨から体を前に倒す。深く倒すことよりも、脊柱のニュートラルを保てる角度で5~10呼吸ほどキープする。
❌NG❌
背中や腰が丸まってしまわないように注意!
【胸・肩】
膝立ちの状態でつま先を立て、足首にベルトをかけて頭のうしろで持つ。肘を閉じながら、少しずつベルトの握る位置を下げていく。腰が反りすぎないように注意しながら、骨盤の前傾を維持して5~10呼吸ほどキープする。
❌NG❌
肘は開かないように、お尻は前に出さないようにします。
◆ストレッチポールを使って◆
【ハムストリングス】
右足を伸ばし、ストレッチポールに坐骨を乗せる。坐骨をポールから降ろすように、ゆっくりとお尻を後ろへずらす。体を左右に動かしながら、コリコリとする腱をみつける。
↓
腱にしっかりと圧をかけた状態で、お尻をゆっくりとひいていく。ポールが膝裏に近づいたら、坐骨側に戻って再度行う。腿裏の中心、内側、外側が当たるようにして、それぞれ2回ずつ、足を入れ替えて反対側も同様に行う。
【背中・肩】
ストレッチポールを立て、膝立ちの状態でポールの上に両手を乗せる。ポールを下に押すようにしながら、肘を閉じてポールに付けておき、骨盤を前傾させて股関節からお腹を伸ばしていく。頭を上げて手の方に目線を向け、胸を反るようにして5呼吸ほどキープする。
初心者でも簡単に始められるので、いつものヨガの前に取り入れてみてください!
取材・文●高野真利 撮影●中原義史
怪我をきっかけに通い始めた整体院
行く頻度は特に決めていなくて、『そろそろ行かなきゃ』と思ったら行く、という感じです。私は基本的に他力だけで体は改善しないと考えているので、日々、体を注意深く観察し、ほぐしを取り入れたりして調整をしていますが、時にはプロの力をかりて、早めに調整してもらうことで怪我をせず快適に過ごすことができています。
先生自体がパワースポットのような方なので、行くたびに元気をいただけるのも通い続ける理由です。
教えてくれたのは…
宮城由香(みやぎ・ゆか)さん
15歳から始めたストリートダンスでイベントやショー、 TV、映画などに出演。パフォーマンスを上げるためにヨガ・ピラティスを始め、2007年ヨガのインストラクター認定コースを修了しヨガインストラクターとしての活動を開始。2019年4月1日、studioGODをオープン。スタジオディレクターとしてスタジオをまとめ、自身もレッスンを担当。格闘家・朝倉未来のオンラインサロン「強者理論」でもヨガレッスンを担当する。
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