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マッチョほど風邪を引きやすい?筋トレ愛好家必見のアーユルヴェーダ的回復法

トレーニングをしているのに体調を崩しやすいという人はスポーツ・トレーニング業界でも意外と多い。「健康維持」を超えて、身体能力や筋肉量を上げるためのトレーニングをするアスリートや、スポーツ選手には、専属のトレーナーやコンディショニングコーチ、栄養士など体調をみてくれるプロがいるが、本来、誰もが自分の体調は自分で整えたいはずだ。特に、頑張り過ぎてしまう人は、自分の体調を犠牲にしてしまいがちだ。今回は頑張り屋で、ストイックな人に起こりやすい不調と、アーユルヴェーダで乗り切る方法を紹介する。

アーユルヴェーダとは?アーユルヴェーダ
アーユルヴェーダは、約5000年前にインドで生まれた伝統医学。宇宙を構成する5つの元素(地、水、火、風、空)が人間の身体や心にも影響を与えると考え、これらのバランスを整えることで健康を維持できると考える。

その中心にあるのが「ドーシャ」と呼ばれる体質の考え方。3つのドーシャ(ヴァータ=風、ピッタ=火と水、カパ=土と水)のうち、どれが優勢かによって体質が決まり、それに応じたアプローチを取ることが自分に合った体調管理になる。肉体だけでなく、思考や性格の傾向もドーシャによって左右される。

【写真】全国のヨガインストラクターたちのポーズ集!

ストイックな人こそ不調になりやすい理由

健康のために始めたトレーニングのはずが、結果を出すことにこだわりすぎたり、筋肉量を増やし脂肪を落とすために食事が偏ったりなど、トレーニングによって逆に健康から遠ざかってしまうことがある。ストイックな人は、アーユルヴェーダで言うと、「ピッタ」という火と水のエネルギーのバランスが乱れやすい傾向にあると考えられる。ピッタのバランスが良いときは、活気、やる気があり、目標に向かってまっすぐ進むエネルギーがあるが、ピッタのバランスが乱れると、火が強くなり「炎症」が起きやすく、さまざまな不調が発生する。

ピッタ(火と水)のバランスが乱れると

  • 下痢をする
  • 発熱
  • 皮膚疾患
  • 目の充血
  • 咳や喉の痛み
  • 短気になり、ストイックになりがち
  • ケガ

日常生活の乱れ、環境の変化などさまざまな理由により、身体の免疫力(自己治癒力)が弱まっていると、身体に入ったウイルスに身体が負けてしまう。

私もヨガをしているにもかかわらず体調を崩し、マイコプラズマ肺炎に感染していた。身体に溜まった毒素を出す(ウイルスを殺す)ため、身体の中でピッタの“火”が強くなり、発熱や咳の症状が強く出ていた。菌そのものを殺すために抗生物質も摂っていたが、副作用や解毒の際の症状をなるべく自然な方法で緩和するために、アーユルヴェーダの知恵を使った。

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今回は、アーユルヴェーダビューティーカレッジ学長の新倉亜希さんから、教えていただいた方法の中で、特に効果的だったものをいくつか紹介したい。

●飲みもの

・ターメリック(ウコン)
ターメリックとホットミルク強力な抗炎症作用と抗菌作用がある。温かい牛乳に小さじ1杯のターメリックを混ぜて飲むと咳や炎症を緩和する。チャイのような味で飲みやすく美味しい。

・蜂蜜とブラックペッパー
痰を出しやすくし、喉の痛みを和らげる。小さじ1杯の蜂蜜に、ブラックペッパーの粉末を少し混ぜて舐める。

・ショウガ
生姜湯痰を出しやすくして、炎症を抑える。すりおろしたショウガを蜂蜜と混ぜてティーにして飲む。(私はレモン汁を足してみた。さっぱりおいしい蜂蜜レモンジンジャーティーに)

●ハーブ療法

・ドクダミの葉
ドクダミの葉を足の両くるぶしに張り、テープで留めると、咳が和らぐ。
※ドクダミの葉がなかったため、今回は試せていない。

・モリンガハーブティー

モリンガティー一度に90種類の栄養がとれるという、とてもありがたいハーブ。体力アップや咳き止めに効果あるということで、新倉さんが作っているオモリンガティーパックをわざわざ私の自宅に送ってくれた。食欲がなくてもハーブティーなら飲みやすく、身体もポカポカして飲むたびに少しずつ元気が出てくるのを感じた。頭痛がつらいときにもお勧め。

モリンガティー

モリンガティー

●うがい

・ターメリックと塩水うがい
温かいお湯にターメリックと塩を少し加えてうがいをすると、喉の浄化と炎症の緩和に。

私はもともと「カパ」という水と土のエネルギーが乱れやすい体質も持つ。カパは肺や呼吸器系は持病として出やすい場所。日頃から免疫力を上げる生活と、カパの性質を下げる食事(辛味、苦味、渋味、緑の濃い野菜を取る)も意識するよう、新倉さんからアドバイスをいただいた。

免疫力を高める重要性

アーユルヴェーダを含む、「薬」は一時的な症状の緩和に有効だが、病気の完治には自然治癒力を上げる必要がある。トレーニングをしているにもかかわらず風邪を引きやすいのは、免疫力を下げてしまった今の生活を見つめ直す必要がある。

病気は友達?アーユルヴェーダの考え方

アーユルヴェーダビューティーカレッジ学長の新倉亜希さん

アーユルヴェーダビューティーカレッジ学長 新倉亜希さん

私は体調を壊したときに、アーユルヴェーダ医師に、『あなたは仕事はしているが、生活はしていない』と言われ、ハッとしました。自分の生活を振り返るよいタイミングでした。アーユルヴェーダでは“病気は友達”と呼びます。なぜなら、病気になることで止まるきっかけや、休むキッカケになります。今は、友達が出してくれているサインと捉えて、充分にお休みくださいね。

苦しいとき、アーユルヴェーダは、身体だけでなく心を癒すヒントを教えてくれる。自分を犠牲にして頑張りすぎてしまっていないか。病気(友達)が教えてくれたメッセージを受け取って、トレーニングを楽しめる健康な身体を取り戻していこう。この記事が少しでも参考になりますように。

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監修:新倉亜希さん

アーユルヴェーダビューティーカレッジ学長。メニエール病がアーユルヴェーダ医師による治療で全快したことをきっかけに、インドへ渡る。チャクラパニ病院で数年間の修行を経て、アーユルヴェーダ ヘルスコンサルタントのライセンスを取得。沖縄で自然栽培農園を開始し、日本人の体質にあった日本産のアーユルヴェーダプロダクツを開発、リトリート施設「アーユルウェルネスリゾート沖縄」にてアスリート専門プログラムも実施するなど幅広く活動

取材:松本実奈美

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