バランスの良い食事を自分で用意したいが、忙しくて実際は厳しいこともあるだろう。そんなとき、外食や中食で何を選べば良いのか。東海大学講師で管理栄養士の安田純先生に、食事シーンに応じた選択肢を教えてもらった。おすすめのメニューだけでなく、一見良さそうだが注意が必要な食材まで幅広い内容となっている。ボディメイクで陥りがちな食事の落とし穴についても解説していただいたので、ぜひチェックしてみよう。
取材・文:舟橋位於 Web構成:中村聡美

①見えない混ぜ物に要注意
ネギトロやひき肉は注意が必要な食べ物です。ネギトロは場合によっては、製造過程で植物性の油が混ぜられていることがあります。そのため、意外とタンパク質が少ないのにエネルギーは高いということになりかねません。同じような製品としてひき肉も落とし穴です。実はひき肉は、形の悪かった肉や脂身などを材料としてつくられています。料理で使って「意外とたくさん脂が出る」と感じたことのある方もいると思います。味としてはどちらもおいしいのですが、ボディメイクという視点ではあまり向いていない食材と言えるでしょう。
②ついつい食べてしまう間食
ナッツを開封してテレビを見ていたら、いつの間にか袋が空になっていたという経験はないでしょうか。ナッツは非常に身体に良い食材ではあるのですが、その成分の大部分は油です。そのため、食べ過ぎてしまうことは避けないといけません。小分けで用意したり、見えないところにしまったりなどの工夫が必要です。プロテインバーを間食に使うときも注意したいです。ブランドによって成分組成がバラバラなので、自分の欲しい成分がちゃんと入っているかや、エネルギーの取り過ぎにならないかを確認するようにしましょう。

③寿司は意外と高カロリー
白米に魚という組み合わせは、一見するとヘルシーでボディメイク向きと思えます。しかし、パクパク食べていると想像以上のカロリーを摂取することになりかねないのが寿司です。寿司の「しゃり」を作るときには、白米に砂糖、塩、酢を混ぜます。これにより、単なる白米よりもエネルギーが高い状態になっています。魚は高タンパク質低脂質でとても良い食品なのですが、実はしゃりの方に注意が必要なんですね。また、塩分の取り過ぎにも注意したいです。むくみの原因が、知らずに食べた寿司にあるなんてこともあるかもしれません。

④健康(風)に注意
グラノーラやシリアルを忙しい朝にさっと食べる姿は、どこか健康的でスマートな印象を与えます。しかし成分のことを考えると、ボディメイクでは避けたい要素が浮かび上がってきます。まず、グラノーラの中に含まれているナッツ類は、食べ過ぎれば脂質の取り過ぎになります。それに加え、グラノーラの製造過程でも油が使われているので、二重に油を取ることになります。また、味付けで使われている砂糖によって、エネルギーも非常に高くなっています。少量で済めば良いのですが、意外と満腹感がないため食べ過ぎてしまうのも欠点です。
⑤塩分過多と野菜不足
日本食の特徴として、塩分が多いことが挙げられます。これは、他の国と比べても明らかに高いというデータがあります。塩分が多い生活を送ると、どうしてもむくみの原因になりやすいです。むくみを解消するためには、カリウムを多く含む生野菜を食べることがおすすめです。生野菜からはカリウムだけでなく、水溶性のビタミンや食物繊維も摂取できます。
野菜不足になりやすい人は、パック入りのサラダを食べるようにするだけでも良いと思います。食物繊維という観点ならば、海藻サラダやカットわかめもおすすめです。
⑥人工甘味料とサプリメント
人工甘味料を使ったゼロカロリー飲料やゼロカロリーの嗜好品は、減量中の強い味方です。しかし、人工甘味料の取り過ぎによって、腸内環境が悪化する可能性が指摘されています。たまに飲むくらいなら良いですが、毎日のように飲んでいる方は、良い腸内環境をつくるような工夫を並行して行いたいですね。
サプリメントについては、あくまでも不足分を補うものという位置付けで飲みましょう。特別な効果を期待して表記の何倍も取るような飲み方は、過剰摂取の弊害も考えられるため、個人的には推奨しません。

まとめ
ボディメイクというと、「胸肉、白米、ブロッコリー」のような自炊のイメージが強いですが、今回紹介したポイントをうまく押さえれば、外食や中食でも必要な栄養素を確保することは十分可能です。自分のスケジュールを見直して、できるところは自分でやりつつも、楽できるところは外食や中食に頼るのが、忙しい生活で身体を変えていく鍵になると思います。落とし穴に心当たりがある人は、まずはその習慣から変えてみましょう。
やすだ・じゅん
東京農業大学(管理栄養士専攻)を卒業の後、東京農業大学大学院(修士課程)、ELSLanguageCenters(Boston,America)、立命館大学大学院(博士課程)修了。東京都健康長寿医療センター(研究員)、国立スポーツ科学センター(研究員)を経て、現在は東海大学健康学部健康マネジメント学科の講師、同学スポーツ医科学研究所の研究員を兼務している。










