フード&サプリ

ゼロキロカロリーの希少糖「アルロース」が減量にもバルクアップにも効果的って本当? 後編

ボディメイクの強い味方として注目を浴びている希少糖「アルロース」。前編では減量に寄与するアルロースの機能について、今回はバルクアップと疲労回復への貢献に関する話を聞いた。

■前編を読んでいない人はこちらをお読みください。

勝田康夫(かつた・やすお)
1965年11月11日生まれ。島根県出身。島根大学卒業後、松谷化学工業㈱に入社。以降36年間、研究所で希少糖、難消化性デキストリンの開発に携わっている。

聞き手:桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。愛知県出身。立教大学卒業後、江崎グリコに入社。スポーツサプリメント事業を立ち上げ、スポーツフーズ営業部長などを歴任し、現在はアドバイザー。桑原塾を主宰し、100人以上のトップアスリートのコンディショニング指導も行っている。

桑原 希少糖のひとつ「アルロース」について。前編では減量に寄与するアルロースの機能を紹介しましたが、今回は真逆のバルクアップの話になります。アルロースが筋肥大にも効果的ということですが、そのメカニズムは何ですか。

勝田 前編でも少し触れましたが、アルロースはグルコキナーゼという肝臓の酵素の活性化を促進して、血中のブドウ糖を取り込む働きがあると話しました。グルコキナーゼとは、ブドウ糖を肝臓で取り込んで、グリコーゲンという大きな分子にして溜めておく酵素です。つまり、グルコキナーゼがないとグリコーゲンが作られません。グルコキナーゼは通常、活性化していない状態で細胞の核のなかにあって、核の外に出て活性化するのですが、アルロースはそれを助ける働きがあるのです。

桑原 アルロースはグリコーゲンを蓄積するという機能を有していることを聞いて、最初はそこに魅力を感じました。なぜなら、グリコーゲンをほしくないアスリートなんていないからです。その機能は、グルコキナーゼによるものだったんですね。野球、格闘技、マラソンと、どんな競技の選手もとにかくグリコーゲンに関しては欲しいはずなんです。トレーニング直後の約30分間を「ゴールデンタイム」などと呼びますが、そこでGI値の高い糖をとると、グリコーゲンリカバリーやグリコーゲンローディングに効果的です。もちろん、効果はあるのですが、どうしてもその効果には限界がある。そこに、アルロースがはまりました。笑い話的なんですが、効果を期待しすぎて、飲めば飲むほどいいと思って下痢が止まらなくなる選手もいたほどです(笑)。糖の流れでいうと、解糖系を使ってATPを作るのが主流であり、グリコーゲンは側路で、元来必要以上にはたまるものではないと思っていましたが、アルロースを加えることでそれがかなう。特に、御社のマルトデキストリンとアルロースの相性がいいと感じているのですが、グリコーゲンを増やす、または貯蔵する効果についてはいかがでしょうか。

勝田 そのように期待しています。非臨床試験段階ですが、肝臓中のグリコーゲン量を高めることが確認されているからです。桑原さんがおっしゃるように、アルロースをスポーツに利用するのは非常に魅力的な話。マルトデキストリンとの組み合わせがいいのも面白いところです。糖ならなんでもよいのではなく、一気にとると浸透圧の関係で、ブドウ糖でも下痢を起こすことがあります。しかし、マルトデキストリンはブドウ糖が適度につながった素材で、浸透圧もブドウ糖の5分の1と低いため、下痢を起こしにくく、甘さが控えめで摂取しやすいため、アルロースと組み合わせるならこれ以上ないくらい素晴らしいものだと自負しています。

桑原 トレーニーはトレーニング直後にプロテインを飲みますが、僕は30g のプロテインに、同じ量のマルトデキストリン、そしてアルロース5g を混ぜています。量が多いので溶かすのに手間がかかりますが、バルクアップの観点から、プロテインだけを飲むよりも理想的だと思っています。加えて、グリコーゲンリカバリーも期待しているので、自信をもってお勧めする飲み方です。結果、アルロースを摂ることによる筋肥大は、そのあたりが作用の理由でしょうか。

勝田 そうですね、アルロースのもう一つの機能として、非臨床試験で筋肉量の増加が確認されています。

Wistar系雄性ラットに7週間高ショ糖食を摂取させ成熟期まで飼育後、4群に群分けした。それぞれの群には、5%セルロース含有高ショ糖食、5%アルロース含有高ショ糖食、5%セルロース含有高スターチ食、5%アルロース含有高スターチ食を8週間摂取させた。摂取終了、筋肉の重量を測定。その結果、いずれの飼料においてもアルロース摂取により筋肉量の増加が認められた。このことからアルロース摂取は筋肉量の増加をもたらし、身体作りにも有用であると言える

桑原 疲労回復効果もあると聞いていますし、自分でも実際に調子がいいんです。トレーニングをする生き物なんて人間くらいしかいませんが、わざと身体を疲れさせたなら、積極的に回復しないといけません。トレーニングは主にグリコーゲンを使いながら行っているので、グリコーゲンをしっかり回復することは疲労回復と筋肥大にもつながりますよね。

勝田 はい、これも非臨床試験で、アルロースの疲労回復効果の確認も取れています。

マウスでの実験。セルロースあるいはアルロース含有食を4週間摂食させた後、疲労困憊になるまでトレッドミルを用いた運動をさせた。その後、飼育ゲージ中のホイールトレーニングでの運動量を疲労の指標として回復率を算出した。疲労困憊後7日までの回復率は疲労困憊前7日間の平均自発運動量を1.0として算出した。その結果、セルロース群に比べてアルロース群では回復率が優位に高くなった。このことから運動後の疲労回復力が高まったと考えられる

桑原 自分でも、わざとアルロースを飲まない期間を作ってみたのですが、その違いは分かりました。トレーニング内容は常に一緒なので、飲むときと飲まないときとで疲労感がどれくらい残っているかを試すと、結構違うんです。私は長年、サプリメントの商品開発に携わり、ヒット商品を作りたいと常に思ってきました。その経験から、自分なりのヒットの法則があって、それは二律背反しているものが同時に成り立っていることです。例えば、ユニクロの製品が世に浸透したのは、安価と高品質が両方実現しているからだと思います。アルロースも、脂肪を減らす上に疲労回復、筋肥大、グリコーゲンを増やすといった、対極に近いような側面を同時に実現してくれているため、ヒットするポテンシャルの高い素材だなと思っています。

勝田 ダイエット効果と筋肥大の効果。アルロースは、まさに真逆の機能を備えた「二刀流」です。桑原さんがおっしゃっていただいたように、ヒットの法則に当てはまって、今後たくさんの方に使ってもらえることを期待しています。

クリックしてアルロースを詳しく知る
松谷化学ホームページ

取材・文:飯塚さき


-フード&サプリ
-,