いよいよ迎える夏本番を前に、ビキニの似合う身体を目指したい。ポイントはPFCバランスと酵素です。この2つを意識したコンディショニングを、コンディショニングコーチの桑原先生に教えていただきました。第1回目では「理想のPFCバランスの食事」、第2回目は「PFCバランスの“崩し方”」と「PFCバランス」についてお話ししてきました。最終回の今回は、PFCバランスに続いてもう一つ意識するとよい「酵素」について。ダイエットにおいても酵素という言葉を耳にすることが多いのですが、実際に酵素がどういうものなのかは意外に知られていないかもしれません。では酵素とは何なのでしょうか。
<本記事の内容>
酵素ってなに?意外と知らない酵素について
風邪を引くとお腹が空かない理由は酵素が関係していた?
酵素を効果的に摂取できる食材紹介!
意外とよく分からない?
酵素とは
例えば炭水化物を食べると、体内でブドウ糖に代わり、最終的にはグリコーゲンになって筋肉や肝臓に蓄えられます。つまり食べたものがいろいろと変化して吸収されるわけですが、その変化の間にあるもの酵素で、あらゆる体内の化学変化触媒になっているものが酵素です。酵素が何種類あるのか、未だに分かっていません。とりあえず分かっているものでも約3000種類と言われていて大きく2つに分けられます。
消化酵素と代謝酵素
そのうちの一つが消化酵素です。これは食べたものを分解して消化していく酵素。そしてもう一つは代謝酵素です。これは代謝に関わる全ての酵素で、エネルギーを作りだすのも代謝酵素。免疫力を上げ、日常活動の代謝は全て代謝酵素が触媒となっています。従って体内の酵素が不足すると、身体の反応そのものが弱くなるため、どれだけ身体にとっていいものを食べても、いいものがいいものとして使われにくくなってしまいます。
大別すると、消化酵素と代謝酵素に分けられますが、そもそもの酵素の大元は一つで、それがいろいろな形状となり、消化酵素や代謝酵素に分かれていきます。例えば風邪を引いていると食欲がなくなってきます。身体が弱っていて栄養を必要としているのですから、本来であれば食欲が出てこなければいけないはずです。ではなぜ食欲が出ないのでしょうか?
風邪を引くとお腹が空かないのは...
風邪を引いた状態においては、優先順位としては、まずは体内の菌をやっつけるために代謝酵素を作ることになります。つまり先に代謝酵素が必要とされ、消化酵素が次に回されていくのです。
酵素は体内で作られるだけでなく食べ物にも含まれています。従って酵素を多く含んだものを食べることで、体内で作られる以外にも酵素を身体に取り込むことができます。つまり酵素の節約です。基本的には肉にも野菜にも含まれますが、熱に弱いという性質があるので、過熱をしないで生で食べなくてはなりません。それを考えると生野菜・生フルーツがお勧めです。もしも酵素を摂るという目的で野菜ジュースを飲むのであれば、過熱してあるかどうかを確認する必要があります。
■関連記事 「あなたが筋トレを続ける理由は?」シリーズ!
酵素を多く含む食材
具体的に酵素が多い野菜は、キャベツ、レタス、ニンジン、セロリなどで、フルーツで言えばバナナ、キウイ、パパイヤなどです。朝食で生野菜やフルーツをたくさん食べるということは、一日の活動をスタートさせるにあたってビタミンや食物繊維を摂るというだけでなく、酵素も摂取するというプラスの面があるのです。
酵素だけでダイエットが成功するというのは言い過ぎだと思います。しかし少なくとも酵素が足りない状態は体内の化学反応の効率が落ちているため、ダイエットをしても効果が出にくくなるでしょう。酵素については個人差もあると思いますが、2週間くらいで効果が表れると思います。
■関連記事 バルクアップについての基礎知識が得られる!
<まとめ>
①PFCバランスが整った食事を3食に分けて摂取する
②その後あえてPFCバランスを崩した食事にする
③酵素が多めの食事をする
文:Woman’sSHAPE編集部
教えてくれたのは‥‥‥桑原 弘樹(くわばら ひろき)先生
桑原塾 主宰。スポーツサプリメント『パワープロダクション』の産みの親。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&トレーナー協会)PDA。武藤敬司氏率いるW-1(レッスルワン)コンディショニングコーチ。国内外のトップアスリートに対して独自のコンディショニング指導を行い、各種スポーツ誌への執筆や講演会を実施するなど多方面にわたって活動中。