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ダイエット中もホントは摂るべき脂質のポイント【五大栄養素のバランスを見直そう】

トレーニングの中級者~上級者にありがちな落とし穴は、基礎ができているという思い込みから、基礎の徹底が疎かになる一方で新しく入ってくる応用的な情報ばかり追いかけてしまうことです。基礎と応用のバランス、基礎の上に応用が成り立つというところを改めて見直す。そうすることで今までよりもスムーズにボディメイキングができるようになります。改めて基礎を見直してみようというのが今回のテーマです。筋肉をつける、脂肪を落とす。どちらにも共通して言えるボディメイキングの原理原則があります。それを一言で説明すると「負荷に対する適応」であり、これを「継続」することです。もっと簡単に言うならトレーニング(負荷)をして、それに対する栄養・睡眠(適応)を与えてその結果、身体が変化していく。ボディメイキングではこの負荷・適応・継続の3つが大きなテーマになるのですが、今回は適応の部分の、特に栄養に焦点を当てて話を進めたいと思います。まずは三大栄養素のひとつ「脂質」について。

必要とする栄養素

われわれの身体が最優先で必要とする栄養素は、大きく分けるとまずは三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)ということになります。これは人間にとって主要な栄養素で、この3つのいずれかが全く身体に入ってこない状態なると、大きな弊害が生まれます。三大栄養素に加えて、微量栄養素(ビタミン、ミネラル)というものがあります。これは言葉の通り、微量であればよいもので、三大栄養素が全てグラム単位で表示されるのに対して、微量栄養素はミリグラムやマイクログラム単位で表示されます。微量栄養素は微量で構わないけれど、足りなくなると身体に支障をきたすのです。基本的に私たちの身体は三大栄養素+微量栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質+ビタミン・ミネラル)=五大栄養素で構成されていると考えてください。身体を進化させるにも、退化させるにも、この五大栄養素が身体にもたらす影響は非常に大きいのです。

脂質は絶対的な悪ではない

三大栄養素に話を戻すと、一般的に「脂質はなるべく抑えましょう」と言われ、脂質は悪いものとして扱われています。その理由は、日々の生活の中で意識せずに好きなものを食べていると、脂質だけはどうしても過剰に摂りすぎてしまうからです。脂質そのものが悪いのではなく、意識しておかないと脂質を多く摂りすぎてボディメイキングにとって良くないということです。
例えば、性ホルモンは筋肉上でも、ボディメイキングする上でも非常に大切なもの。実はこの性ホルモンの材料はコレステロール、すなわち脂質で、脂質を完全にカットすることは性ホルモンの材料のカットになります。細胞を包む細胞膜も脂質でできており、さらにビタミンでもビタミンA、D、E、Kは脂溶性ビタミンで、脂質が無ければうまく身体に入ってきません。あまりにも脂質=悪というイメージが強すぎるため、極端な脂質のカットをする方が多いですが、それが原因でボディメイキングがスムーズにいかない場合があるので気を付けてください。

摂るべき油

脂質を簡単に分類すると飽和脂肪酸(固形の油)と不飽和脂肪酸(液体の脂)に分けられます。かなり簡略化した説明ですが、基本的に飽和脂肪酸は過剰に摂りがちな脂質で、逆に不飽和脂肪酸の中でも、n-3系と呼ばれる不飽和脂肪酸は特に取り込みにくいとされています。固形の脂肪は摂りすぎる傾向があり、n-3系の不飽和脂肪酸は不足気味になっているということを覚えておきましょう。
よく皆さんが耳にするn-3系の不飽和脂肪酸はDHA、EPA、αリノレン酸で、これらは青魚亜麻仁油えごま油に含まれています。しかし、亜麻仁油やえごま油は、他の油より高価で賞味期限も短く、青魚ばかりを毎日食するのも無理がありますから、ここではサプリメントを適度に活用するといいと思います。

桑原 弘樹(くわばら ひろき)
桑原塾 主宰。
スポーツサプリメント『パワープロダクション』の産みの親。
NESTA JAPAN(全米エクササイズ&トレーナー協会)PDA。
武藤敬司氏率いるW-1(レッスルワン)コンディショニングコーチ。
国内外のトップアスリートに対して独自のコンディショニング指導を行い、各種スポーツ誌への執筆や講演会を実施するなど多方面にわたって活動中。

文 Woman’sSHAPE編集部

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佐藤奈々子選手
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