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ビキニフィットネス女王・安井友梨が引退をかけ、過去最高の筋肉美で挑んだ。「悔しいという気持ちが私を次に推し進めた」

8月ジャパンオープンにおける「フィットモデル」での敗北を境に、トレーニングへの本気度が大きく変わったと語る安井友梨選手。続くオールジャパン、そして先のグランドチャンピオンシップスでは過去最高の仕上がりをもって見事優勝。ビキニ女王としての力を見せつけるも、その裏では競技引退も覚悟していたとのこと。国内初黒星からの這い上がりから引退覚悟の真意、そして世界に向けていまも続く調整について伺いました。

取材・文:鈴木彩乃 撮影:中島康介(大会写真)

──グランドチャンピオンシップス(以下、グラチャン)優勝、おめでとうございます。
安井 ありがとうございます。皆さまの支えをもって優勝することができましたが、何かが終わったという感覚は少しもありません。ここから再び、ビキニフィットネスの日本チャンピオンとして果たすべき重責を強く感じていますし、いま私が目指しているのは世界一。ようやくそのスタートラインに立てただけだと、より一層気持ちを引き締めています。

──大会後には「引退をかけていた」とコメントがありました。
安井 かねてより、私は競技に対して「やりたいからやっている」のではなく「やらせていただいている」という気持ちで取り組んでいます。世界中が大変困難な事態に直面している中で、私は大好きなビキニフィットネスを続けることができている。その裏には本当にたくさんの方たちのご厚意とご協力があるわけです。特に、会社には感謝してもし切れないくらいの理解を示していただいています。長年サポートしてくださっている上司、そして同僚たちにかけている負担を考えたとき、今年、日本一にすらなれないようならば潔くビキニのステージから去ろうと心に決めていました。

──そう考えるようになったのは8月のジャパンオープンでの国内初黒星も影響していますか。
安井 あの負けは、私にかなり大きな変化をもたらしました。世界大会では何度も敗北を喫していますが、また別の味わいがあったと言いますか、とにかく悔しかったんです。ほかの誰かに負けたから、ではなく過去の、35歳の自分に負けたと思ったから。もちろんビキニフィットネスとフィットモデルは別競技ですし、今回の出場は挑戦という位置づけでした。でも、その結果が敗北。メンタルを立て直すのに1〜2週間かかりましたが、落ち込んだぶんだけ這い上がる力が湧き起こってきた。これまでもトレーニングにはいつも全力120%で取り組んでいるつもりだったけれど、武井(郁耶)コーチから「目の色が変わった」と言われるほど、本当の本気が自分の中に潜んでいたことを知りました。

──負けから学ぶことはとても多い、ということですね。
安井 結果的に8月8日を境に、いまだかつてないほどガムシャラに調整を進めることができました。涙が枯れるほど「悔しい」という気持ちが、私を次に推し進めてくれたと思います。今の自分にとって、実は何よりも必要な経験だったのかもしれません。

≪続きはIRONMAN2021年11月号をご覧ください≫

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引退覚悟で臨んだステージ。美ボディ女王・安井友梨選手の強さの秘密。「あの経験がなければ今日は優勝できませんでした」【マッスル】

やすい・ゆり
1984年生まれ、愛知県出身。
現役の外資系銀行員でありながら、2015年30歳を機にトレーニングを開始する。競技と仕事の“二刀流”を続けながら世界の頂を目指し、トレーニング開始10ヵ月で日本一になった。
主な戦績:
2015 オールジャパン選手権ビキニフィットネス35歳以下級163㎝超級&オーバーオール 優勝
2016 オールジャパン選手権ビキニフィットネス35歳以下級163㎝超級&オーバーオール 優勝
2017 オールジャパン選手権ビキニフィットネス35歳以下級163㎝超級 優勝
2018 オールジャパン選手権ビキニフィットネス35歳以下級163㎝超級&オーバーオール 優勝/アーノルドクラシックアマチュアビキニ部門 4位
2019 アジア選手権169cm超級&オーバーオール 優勝/オールジャパン選手権ビキニフィットネス35歳以上級160㎝超級 優勝/JBBF FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS 2019 優勝
2021 オールジャパン選手権ビキニフィットネス35歳以上級160㎝超級 優勝/JBBF FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS 2021 優勝


執筆者:鈴木彩乃
フリーライター&エディター。書籍制作を中心に、ウェルネス系メディアでの執筆、編集活動を展開中。好きな筋肉は、前鋸筋。

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佐藤奈々子選手
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