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横川尚隆が一番バルクアップしたときの方法を公開「タンパク質は体重の3倍」「朝昼晩の3食と間食にプロテインを3回」

2016年にメンズフィジークから競技を転向したときに初めて、筋肥大を意識した身体づくりに切り替えたという横川尚隆選手。コンテストで勝つためにトレーニング内容を構築する横川選手に自身の経験に基づくバルクアップ論を聞いた。
取材・文:鈴木彩乃 撮影:AP, inc.

筋肥大を意識して始めたこと

──筋肥大を意識したトレーニングを始めたのは、メンズフィジークからボディビルに転向するときだったと過去に話しています。
横川 筋トレは好きだけど、好きだからやっているわけではなくて、コンテストで優勝するためにやっていた。僕が出場していた時代のメンズフィジークでは、とにかく上半身の強さ、特に、肩の丸みと背中のVシェイプが求められていました。だから、ほとんどの時間を肩と背中のトレーニングに費やして、時々、胸と腹筋をやる程度。腕や脚は一切、やりませんでした。勝つことが目的だから「トレーニングしている人は脚は絶対にやらないと」みたいなよくある考えは、いいと思うけど、僕としては同意できないんですよね。

──では、ボディビルに転向したことで全身をバルクアップさせる必要が出てきたから、筋肥大を念頭においたトレーニングに切り替えた、と。
横川 はい。レップ数を少なくする代わりに挙上重量を上げて、あとはフリーウエイトをやり始めました。BIG 3をやり始めたのも、このことからです。

──トレーニング頻度は。
横川 頻度は、メンズフィジークのときから変わらず週5回。日本選手権を獲った2019年は週6回でしたが、それ以外の時期は基本、週5回のペースです。ただ、今はコンテストに出ているわけではないので、行けるときに行くっていうスタンスでいます。だから、気づいていないだけで、もしかしたら週7回のときもあったかもしれないし、週2~3回のときもあります。

──食事はどうしていましたか?
横川 お米の量を増やしましたね。タンパク質は、それまで体重の2倍で設定していたのを3倍にして、朝昼晩の3食と間食にプロテインを3回で進めていきました。あと、食事とは別に米をタッパーに入れて持ち歩いて、食べられるときに食べていた感じです。

──少食でも、小分けにしていけば苦もなく進めていけますか?
横川 いけましたね。ちょっとずつ食べると、超満腹になることがないんですよ。満腹になると、しばらくはいいや……となってしまう。でも、もう少し食べたいかな、くらいで止めておくと1~2時間もすれば空腹を感じ始めるから、結果的に無理することなく食べられました。

──成長実感はすぐに得られましたか?
横川 そうですね。ただ、部位によっては停滞……というか、成長スピードが遅いと感じるところはありましたよ。競技転向をしてから、腕と脚に関しては、一度も止まることなく成長し続けていましたが、胸、肩、背中はなかなか伸びていきませんでした。僕のことを順風満帆とか天才肌とか言う人もいますが、いやいや僕にも成長しにくい部位はあるんですよっていつも思います(苦笑)。

──どういった部分に成長スピードの遅さを感じましたか。
横川 サイズ的には少しずつは大きくなっていくのですが、その速度が腕と脚の比じゃない。筋トレ中の感覚は悪くないんですよ。悪くないんだけど、思った通りの発達が得られない。そこが厄介ですよね。筋トレ中の感覚が悪ければ、発達しないのもわかるんだけど……。だから種目を変えたり、順番を変えたり、レップ数を変えたり、動かし方を変えたり。いろいろなパターンで改善を試みました。

──弱点があるイメージが、あまりなかったように思います。
横川 得意があれば、苦手もありますよ。でも、あまり知られていないというか、気づかれていなかったのは、僕の得意な部位が腕と脚っていうボディビル的によく目につくところだからだと思います。例えば、得意な部位が胸と背中だったとしたら、勝てていなかったんじゃないですかね。

──今のほうが良くなっている感触があるとのことですが。
横川 2021年になってから、なんかいいんですよ。種目、重量、挙げ方、レップ数の変え方がバッチリハマったのかもしれないです。──諦めずに変え続けること、大切ですね。
横川 伸びているなら変える必要はないと思うけど、伸びていないってことは、何かが絶対に間違っている証拠じゃないですか。実際、腕と脚はほとんど変えずにここまできていますからね。時々、気になる種目が出てきたらお試し的にやってみて、良かったら入れるっていうパターンもありますけど。

──変えてみて、自分に合う、合わないの判定を下す時期の目安はありますか?
横川 3カ月くらいですかね。それから身体の反応を見て、決めます。例えば、ベンチプレスをやったことがない人が始めれば、最初は重量がどんどん伸びていくと思うんです。でも、それは当たり前のこと。重量の伸びを筋肉の発達だと思い込んでしまうと、もったいない。そこの見極めは難しいんですよね。だから、新しく始めた種目は特に注意して身体の変化を見るようにしています。

(続きはIRONMAN2022年2月号《1月12日発売》でお楽しみください)


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佐藤奈々子選手
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