“筋肉博士”石井直方先生に聞く新理論!筋肉をつけるためにトレーニングで一番重要なこととは?(前編)

自分の体形・骨格に合ったトレーニングを積まなければ、理想とする体には辿り着けないもの。まずは自分の身体的特徴を把握し、その上でしっかり“効く”トレーニングをすることが必要です。今回は従来のトレーニングに対する考えが変わる新理論を石井直方先生からお話し頂きました。
取材・文_長谷川亮 撮影_t.SAKUMA

森 先生はボディビルで素晴らしい実績をお持ちですが、体づくりをする上で、ご自身の体形に悩みというものはありましたか?

石井 ボディビルを始める前から自分の欠点だと思っていたのは、足が短いっていうことです(苦笑)。

森 そうなんですか? でもお写真での印象だと全然気になりませんし、逆に捉えれば〝足を太く見せられる〟ということではないですか。

石井 その通りで、ある種長所に繋がることではあるのですが、でもやっぱり足が短いのは嫌ですよね(苦笑)。ただ上半身の筋肉がついてくると足の短さって実はそんなに目立たなくなるんです。これはボディビルをやって分かったのですが、むしろ上半身が薄くヒョロっとして胴が長いと足の短さが目立ってしまう。なのでボディビルはそういう欠点を隠してくれるのかなとも思いました。

森 私の場合は逆で、腰の位置が高く、それは一般的には美点かもしれませんが、足のボリューム感が出しにくくて、ずっと足が欠点だと思っています。

石井 でもそれは逆に言うと、そこを克服した時にすごくよくなれる、誰にも負けないものができるという点でもあるんです。

森 克服できていませんね…。頑張ります。私の場合、理想の足になるために、何をしなければいけないか、何が足りないか、よく考えてトレーニングしなければいけないわけですが、なりたい自分と、自分が持っている体形的特徴との距離を測らず、マニュアル的なトレーニングをいつまでもしていたら、自分の特性にフィットせず、成果が出ないのではと思うのですが、いかがでしょうか。

石井 それはあると思います。やっぱり欠点を分からない、知らないままやっていると、他のところの効果が上がってくることで、その欠点がより助長されてしまう危険性はあると思います。でもその欠点をちゃんととらえてそこに目を向けていれば、他の部分がよくなることで、私の場合のように欠点が目立たなくなる場合もありますし、もう1つはそこを十分に鍛えていかないと効果が出ない場合もあります。ですので全体のバランスをよくしていけば解決してくる問題と、そこに目を向けて重点的にやらないと解決しない問題、この2つがあるような気がします。

森 女性の場合は足をカッコよくするためにスクワットを教えてもらったら、足がパンパンに張って自分が思う足と違ってきてしまった──そんな風に自分の理想と教わるトレーニングがフィットしなかったために、「足が太くなったからスクワットはやめました」とか、そういう声をたまに聞くんです。残念です。ところで、一般的に日本の女性は細過ぎるんじゃないかと思っています。みなさん「もっと細くなりたい」とかおっしゃるんですが、ご自身の体形の特徴や体質、そういったものを正面から受け止めて、どう自分を作っていけばいいのかをもう少し具体的に考えた方がいいような気がしています。

石井 女性だとフィットネスビキニであったり、ようやくそういった女性的なコンテストが開かれるようになってきて、去年ぐらいにアメリカの大会の映像を見て、女性の体ってこんなに綺麗になるのかとすごく驚きがありました。

森 それはお聞きできて嬉しいです。

石井 足とかスラーっとものすごく長くて、でも長いだけじゃなくちゃんと筋肉がついている。〝美を表すアスリート〟っていう印象を強く受けました。あれはただ育ってきて、ビキニを着ただけじゃ絶対にならないです(笑)。こういう方向性があるのかと新鮮でした。日本でもああいう形で広まっていくと、女性から見た理想的な体というのがイメージしやすくなるのかと思います。フィットネスビキニはたくさんの女性がああなりたいと思うであろう体ですよね。

森 やはり一般の多くの女性が憧れる競技でなければ、筋トレをやる女性の率も上がってこないと思います。

石井 アメリカもようやくそれに気が付いたのかもしれません(笑)。

森 男性のフィジークもそういった傾向にあるもので、その方が選手の層も厚くなってきますよね。

石井 難しいポージングもいらないですし、日本連盟公認の大会で世界にも繋がっています。優勝したことが勲章になって仕事にもプラスになる、そういう風になってくればジムで教えている人や一般の参加者も増え、コンテストのレベルがうんと上がってくると思います。そういった人たちが次の段階でボディビルに出ようかなみたいになってくると底上げができるし、競技として将来が見えてくる気がします。

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