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わずか10ヵ月でビキニ日本一に輝いた美ボディOLの安井友梨が語った「モチベーション向上の要因」

──減量はどうされていましたか?
安井 56〜57㎏ から5月末まで62〜63㎏ に増やして、減量開始。大会には53㎏で臨みました。

──予定通りに進んだようですね。
安井 短期間で細かく目標設定がされていたのが良かったと思います。初期は脂肪を控えるのみ、カロリーを変えず食べる量を増やす。減らなくなったら夕食の時間を早めて、さらに減らなくなったら夜の炭水化物を減らすなど、次々に変更しましたが、基本的に強度が保てるようモリモリ食べる減量でした。ただし夜は、18時までに食べ終えました。

──外資系企業の営業職に就いていると伺いました。食事面で難しく感じることもあるのではないですか。
安井 それまで主に外食だった昼食は、朝食と同時に作って持参するようになりました。周囲は……私がやたら鶏肉を食べるし頬がこけて黒くなるし(笑)、お菓子は食べないし食事会や飲み会ではウーロン茶を飲み続けるので、はじめは「何やってるの?」って感じでしたが、次第に応援してくださるようになりました。

──誘惑も多かったのでは?
安井 ちょっとくらいいいじゃん!とは、よく言われました(笑)。乗り切れたのは、木澤大祐選手のアドバイスのおかげです。減量が始まる前に「競技は誰に頼まれたのではなく、自分がやりたくてやっていること。辛くなったら支えてくれる家族や応援してくださる方々の顔を思い出してください」と言ってくださいました。心が折れそうになる度、支えになっていた言葉です。

──仕事との両立で一番辛かったのは、そういう部分ですか?
安井 仕事が何時に終わるかわからないので、限られた時間で効率良くトレーニングするという部分ですね。それもあってパーソナルを選んだというのもあります。一人だったら「今日は休もう」とか、思ってしまうような気がして。

──先生を予約している以上、行かなければ!となりますものね。
安井 どんなに疲れていても絶対行く!と決めていました。むしろトレーニング量を増やしたいと言って、よく怒られましたけど(笑)。

──それだけトレーニングの楽しみも見出せていたということですね。
安井 ベース作りの最中、自分の体が変わっていくのがわかったんです。続けるうちにフォームが良くなったり重量が上がったり、成長が目に見える。ほかの競技ではなかなかないことなので、ハマりました。

──ベース作りから始まった1年目、世界にも進出しました。
安井 実は世界を目指すキッカケがあって、それは6月にTEAM LANに加入し、齋藤マドカさんにご指導いただくようになったこと。大会出場前で無名の私に「一緒に世界に行こう」と声をかけてくださり、そこから世界の舞台での活躍が目標に加わりました。そのあたりから意識も変わりましたね。

──結果は残念(予選敗退)でしたが、得るものは大きかったのではありませんか?
安井 想像をはるかに上回ったレベルの高さでした。研究を重ねてはいましたが、どの選手も筋量、骨格、ウエスト、シェイプ、S字カーブにおいて画像や動画には映らないすごさがありました。すごくいい刺激を受けて、帰国翌日からのトレーニングにさらに気持ちが入りましたね。

──翌日からトレーニングを開始するとはすごいですね!
安井 この目で見てきた世界のレベル、イメージが鮮明なうちにやりたかったんです。先生にも「世界で勝ちたい」と伝えて、強度アップを直訴しました。メニューも重さもすべてのレベルを上げたいです、と。

──現在、モチベーションがかなり高まっているようですね。
安井 優勝して終わりではなく、世界で叩きのめされてよかったって思います。一年目で代表に選出されたことは大変光栄なことですが、まだまだだと思っています。この1年、正直辛く苦しい時期もありました。でも、それを支えてくれたものはなんだろう?と考えると、最初に始めたブログに行き着きます。

──今では何万人もの読者がいらっしゃるそうですね。
安井 挫折しそうになった時、落ち込んだ時、ブログの声で復活できました。やはり今回の優勝は、私一人の力で成し遂げたことではありません。ご協力、応援していただいたすべての方に感謝いたします。

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安井友梨(やすい・ゆり)
1984年生まれ 愛知県出身。現役の外資系銀行員でありながら、2015年30歳を機にトレーニングを開始する。競技と仕事の“二刀流”を続けながら世界の頂を目指し、トレーニング開始10ヵ月で日本一になった。
●主な成績
2019年『アジア選手権』総合優勝
2019年『第1回グランドチャンピオンシップス』 優勝
2015年~2019年『オールジャパンビキニフィットネス選手権』5連覇中
2018年 『アーノルドクラシックアマチュアビキニ部門』4位


鈴木彩乃(すずき・あやの)
フリーライター&エディター。書籍制作を中心に、ウェルネス系メディアでの執筆、編集活動を展開中。好きな筋肉は、前鋸筋。


 


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