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ビキニフィットネス日本女王のトレーニングメニュー、生活ルーティーン大公開

小谷野彩香選手身体作りと真剣に向き合うとなると、分割方法、種目の選択、1日の中でのトレーニングのタイミング、それに向けての栄養摂取などなど、考慮すべきファクターが多々出てくる。競技で頂点に立った選手たちは、自分の生活スタイルの中に、それらをどのように落とし込んでいるのだろうか。なぜその分割なのか? なぜその種目を取り入れているのか? どういったタイミングで、どういった食事をとっているのか。ここでは1月12日に発売されたウエイトトレーニング専門誌『アイアンマン2023年2月号』から、ビキニフィットネス158cm以下級日本王者・小谷野彩香選手のオフシーズンの1週間のトレーニング、食事内容を公開。職業は歯科衛生士。トレーニング開始時刻は終業後の19時ごろからで、基本的にはほぼ毎日、同じようなリズムの生活を送っているという。週7回ペースでジムに通うビキニ女王のトレーニング事情を聞いた。

【写真】小谷野選手の今シーズン強化中のヒップラインと1週間のルーティーン&トレーニングメニュー

──分割はどのようにしているのでしょう。
小谷野「肩」「お尻」「胸、腕、腹筋」「背中」「お尻の下部+ハムストリング」です。以前は下半身は「お尻」と「大腿四頭筋」に分けていたのですが、今は大腿四頭筋の優先度を下げてお尻をメインに考えています。

──オフの入れ方は?
小谷野 私はトレーニングは週7回で、この順番通りに回しています。「胸、腕、腹筋」はエクササイズ感覚で行うので、この日がオフのような感じです。

──肩の種目構成を見ると、フロントを重視している印象を受けます。その中でも、大きな力の発揮が要求されるコンパウンド種目を序盤に持ってきています。
小谷野 私は肩幅があるので肩の筋肉も発達しているように見えるのですが、実は最近、肩の筋量はそれほどないのでは?と思うようになったんです。

──そう思ったきっかけは何だったのでしょうか。
小谷野 世界選手権に出場した際、試合前日のポージング練習で「ポーズを取るときは力を入れずにリラックスしてください」と言われたんです。その練習ではかなりポーズの取り方を修正したのですが、力を入れないと肩の筋肉が出せなかったんです。普通にリラックスした状態で立つと、何も表現できなくて。

──力まずに自然な立ち方で見せられるようにしないといけない?
小谷野 ということは、それだけの筋量が必要なのではないかと。筋量アップの必要性を感じました。

──お尻はインナーサイからです。
小谷野 これは内転筋を狙うというよりも、以前、鈴木雅選手から骨盤底筋群を鍛えたほうがいいというアドバイスをいただいて、それから取り入れるようにしました。動作としては、骨盤をまっすぐにした状態で下腹部の力で閉めていくというイメージです。 これを取り入れてから下腹部に力を入れて骨盤をグッと引き上げるような感覚が掴めるようになりました。

──Vスクワットマシンは反対を向いた状態で行うのですね。
小谷野 これは完全にお尻を狙った種目です。スクワット系の種目は力を発揮しやすいので、序盤にやりたいです。スミスマシンのランジはコンテストに出るようになる前からやっている、お気に入りの種目です。ただ、難しい種目でもあって調子が悪い時はできないので、代わりにブルガリアンスクワットをやることもあります。

──胸、腕、腹筋はエクササイズ感覚で行っていると。
小谷野 私はポーズを取ったときに胸郭を上げるのが苦手で、その可動域を広げたくて胸のトレーニングをやるようにしています。しっかりとストレッチをして、胸だけを動かす感覚を呼び起こしてから行います。

──ビキニアスリートとして、腕のトレーニングはどのように考えているのでしょうか。
小谷野 腕は細くないといけないのですが、肩と腕のセパレーションは出す必要はあります。結局は、筋肉がないと絞れないと思うんです。だから、腕を太くするというより、セパレーションを出すためにもある程度、腕の筋肉を動かしておこうという感覚です。

──背中はいわゆる懸垂から始めるのですね。
小谷野 最初に懸垂を行うと、背中でしっかりと引っ張っているという感覚が得られるんです。ウォーミングアップのような感じでやっています。

──ラットプルダウンの「14回」という数字に小谷野選手が全力でトレーニングに取り組んでいる姿勢があらわれています。
小谷野 ギリギリ15回ができないんです。12回以上はできるんですが、プレートをもう一段上げると重たすぎて、もう一段下げると今度は軽すぎるんです。現在の枚数で16回できるようになれば、一段上げようと思っています。

──ノーチラスマシンのラットプルダウンの狙いは?
小谷野 大円筋です。シートを低く設定して、上体を前傾した状態でオーバーグリップで引いて、大円筋だけを動かすことを意識しています。

──ケーブルのプルオーバーもやられているのですね。
小谷野 プルオーバーは、大円筋にも入りますし、引き切ったときに広背筋下部にも刺激が入るので、一石二鳥的な種目だと思っています。大円筋にも入るので、最近はノーチラスラットプルの前に持ってきてもいいかなと思っています。

──「お尻の下+ハムストリング」も、序盤に力発揮できる種目を行ってから細かく攻めていくという流れですね。「お尻」の日との差別化をはかるために、フォームで意識していることは?
小谷野 骨盤の向きと、股関節から動かすことです。骨盤は後傾気味にして行っています。お尻の下の種目は最近になってやり始めたばかりなので、今は感覚を掴むために軽めの重量でやっています。

──ここではスティフレッグドデッドリフトも行うのですね。
小谷野 これはTバーのマシンの先端に立って、後ろ向きでやっています。(バーベルで行うよりも)軌道が安定するんです。レッグプレスもお尻の下部とハムで押すように意識しています。

──トレーニングを継続していく上で気を付けていることは?
小谷野 気を付けているというわけではないのですが、極力、毎日同じようなサイクルで生活するようにしています。お休みの日にお友達とご飯に行ったりした日などはトレーニングを諦めることもありますが、平日は特に崩れることはありません。

──休みの日にいつもより遅く起きることは?
小谷野 結構早く起きて、その日の予定を詰め込むことが多いです。たまにずっと寝ていたい日がありますが、やはりジムには行きたくなってしまいます。次の予定があるから早くジムに行かなきゃ、と。そして結果的に「今日も忙しかったな」と感じる休日が多いです。

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取材:藤本かずまさ(初出:IRONMAN2023年2月号) 撮影:中島康介

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