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短時間で全身を鍛える!ケトルベルできれいな筋肉をつくる

一般的に、ケトルベル(KB)といえば筋トレのツールというイメージです。“ケトルベル・トレーニング”でネット検索すれば山ほどKBの筋トレ種目を見つけられます。一方GS(ギレボイ・スポーツ)すなわちKB スポーツのムーヴメントは、一定時間にレップ数をできるだけ稼ぐための運動なので、筋トレの目的からは外れがちです。しかしGS は“全身の筋トレ〟であり、均整の取れたきれいな筋肉を作るのに理想的な運動と言えます。そこで今回はGS 基本種目の中からLC(ロングサイクル)とLC の一部でもあるジャーク種目で〝レップ数を稼ぐ”目的ではなく“きれいな筋肉を作る”目的のトレーニングを紹介します。

文:Nazo

全身の筋トレ

プロクラスのGS 選手には、上半身だけがマッチョとか足だけが筋肥大しているという人はほとんどいません。先述の通りGS は全身の筋肉を使いまくり、そこにカーディオも加わるためです。実際に鍛えられる箇所としては、肩、腹筋、上腕、前腕、背中、殿筋、足全体、そしてコア。具体的な筋肉名を列挙すれば記事が書き切れなくなるほどです。KB 世界チャンピオンのデニス・ヴァシレフの体脂肪率はなんと4〜5%!彼の体はバランスの取れた筋肉で作られたアート作品のようです。LC で不必要な部分を削り落としバランスよい筋肉美を目指してみましょう!

ベル

筋肉をつける目的なのでいつもより負荷をかけます。ベルはダブルベルでLCを1分間に10レップできる重量より1段階(2〜4㎏)上の重量で。1分間10レップを16㎏でできるなら18〜20㎏ベルでトライ。希望の重量のベルがなければ、ベルの底部分に磁石プレートなどを超強力ガムテープでしっかりとくっつけてベルを重くします。

ロングサイクル
(LC又はクリーン&ジャーク)

LC にはいくつかの特徴的なKB の動作が複合されており、それゆえに正しい技術を要します。ウエイト(KB)を下から上へ、上から下へ移動する際に個々の筋肉は収縮と伸長を繰り返し、断続的に筋肉に負荷をかけることで筋肉がさらにつくという仕組みです。写真は1〜4がクリーン、5〜8がジャークの部分です。ムーヴメントの解説は過去に何度か掲載済みなので、ここではポイントのみ。8番の後はベルを胸(ラック)に落とす“ドロップ”。ドロップの後は4¦3¦2¦1とラックポジションからダウンスイングに戻ります。


❶バックスイング:猫背にならないよう注意。モデルは7回世界チャンピオン、デニス。
❷アクセレレーション・プル:肘を引き締め加速に乗せてベルを引き上げる。
*マッスルポイント(鍛えられる筋肉):殿筋、大腿四頭筋、ハムストリング(1〜2にかけて)。モデルは世界チャンピオン、キンバリー。
❸インサーション:手を素早くベルの窓(取っ手と球体の間)にすり入れることで、ベルで手首を打ち付けるのを防ぐ。モデルはタラ。
❹ラックポジション:ベルの負荷はヒップで支える。モデルは本コーナーでお馴染みのトニー。


❺ファースト・ディップ:両膝を前に押し出し上半身を一瞬落としてバンプアップへ入る。
*マッスルポイント(5〜6にかけて):下腿三頭筋、大腿四頭筋、殿筋、腹筋、僧帽筋、広背筋。 5と6のモデルは元アメリカチャンピオン、チャーリー。
❻バンプアップ:下半身からパワーを爆発させ一気に押し上げる。足首、膝、ヒップまでフルエクステンション(伸長)する。
❼セカンドディップ:6でオーバーヘッドに行く手前で踵を床につけて足を踏ん張り“体はベルの下に潜り込む”。体を落とす瞬間は両腕はまっすぐロックアウトされている。
*マッスルポイント:下半身全体、肩甲骨、腹筋、上腕三頭筋、上部背筋、胸筋。モデルはアメリカチャンピオン、カーター・ベリー。
❽フィクセイション:モデルのデニスは柔軟性があるので背中が反っているが、しっかりとヒップにベルの負荷を支えられれば普通に直立でOK。大腿四頭筋やハムストリングはリラックスさせている。
*マッスルポイント:上部背筋、肩周り、胸筋、上腕。


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