極軽重量負荷でも筋肥大効果が得られるメカニズムとは?

自重などの軽負荷でもしっかり筋力増強作用が働くのが、加圧トレーニング最大のメリット。では、なぜ軽負荷で筋力アップできるのか? ミクロの視点からそのメカニズムに迫ります。

文:IM編集部

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加圧トレの筋力増強の秘は”ダブル作用”にあり!

加圧トレーニング効果の最大の特長と言えば、やはり軽負荷での筋力増強作用でしょう。加圧トレーニングによる筋肥大・筋力増強の原理については、これまで以下のような考えでまとめられてきました。

加圧トレーニングでは運動時に血流制限状態をつくることで、筋肉内の低酸素化が更新し、乳酸の蓄積が急激に高まっていきます。すると、その過酷な状況への対応反応が発動します。脳の下垂体、あるいは筋肉組織から大量の成長ホルモンやアドレナリンが分泌され、血管を介して全身へと運ばれます。

血流に乗って全身へ運ばれた成長ホルモンやアドレナリンは、各々の仕事に取りかかります。成長ホルモンの重要な仕事のひとつが、体脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解し、血中へと放出することです。さらに、筋線維のタンパク同化作用を促して、筋肥大反応を促進していきます。

その一方、筋肥大を抑制する働きをしているミオスタチンの分泌抑制や、筋線維を分解する作用を抑えるサイトカイン産生抑制効果などが働きます。つまり、加圧トレーニングでは筋肥大効果を高めるための「同化促進」と、筋肥大にとってネガティブな作用を抑える「異化抑制」がダブルで作用していると分析されています。

トレーニング時の筋肥大に欠かせない細胞とは?

今回は、このような複雑な現象の中でも、特に筋組織が増える、端的に言えば筋肉が太くなる効果にダイレクトに関わると言われる「筋サテライト細胞」の活性刺激を高める作用について紹介したいと思います。

まず、骨格筋の肥大は筋線維が太くなる作用によって形成されますが、この作用には筋線維の幹細胞である「筋サテライト細胞」の活性作用が最も重要であると言われています。

筋サテライト細胞は従来、筋の損傷後の再生過程において、新たな筋線維の「素(もと)」になるものとして考えられてきました。しかし、近年の研究により、トレーニングによる筋肥大作用においても、筋サテライト細胞が不可欠な存在であることが示されています。

筋線維の萎縮と肥大は、筋線維に含まれる核の数が減少するか増加するかによります。このことから、核の支配領域を超えて筋線維が肥大するための核の増加が必須であり、その主要な供給源が筋サテライト細胞と中胚葉由来の多能性細胞であろうという見方がされています。多能性細胞とは、体を構成する全ての細胞に分化する能力を持つ細胞のことです。

このように筋肥大にとても重要な役目を果たす筋サテライト細胞ですが、ふだんは言わば睡眠状態にあり、筋トレなどの強烈な刺激を受けると増殖活性作用がスタートすると見られています。

筋線維の表面に筋サテライト細胞の核が付き、その数が増殖していくことで筋線維への融合作用が進みます。図でも示していますが、バームクーヘンが太くなっていくようなイメージで筋線維の表面組織が上塗りされていくわけです。

そして、一本の筋線維がわずかに太くなり、その束が幾重にもなることで筋肥大を実感できるだけの効果が得られるのです。

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