1日2回筋トレする「ダブルスプリット法」の進化版!ジムで1回。自宅で1回。

黄金時代のボディビルのチャンプたちは、「ダブルスプリット」でのワークアウトをよく行っていた。1日に2回もジムに行くというのは、普通に働いていればまず不可能だ。その解決法のひとつとして、2回のうちの1回を自宅で行えばいい。

文:William Litz 翻訳:ゴンズプロダクション

ダブルスプリットの目的

黄金時代のチャンプたちは、「ダブルスプリット」でのワークアウトをよく行っていた。これは1日に2回のワークアウトを行うやり方だ。午前に1回目、午後に2回目を行うのが一般的で、1回目と2回目のトレーニングの間隔は、最低でも6時間以上は空けて行われていた。

当時のボディビルダーたちがダブルスプリットを行っていたのは、主にコンテスト前だ。どうしてオフシーズンにはやらなかったのか。それは、そのころのボディビルダーにとって、オフシーズンは文字どおりオフ期間であり、今のボディビルダーのようにバルクアップのためのワークアウトをしたり、基礎筋力を向上させるためのプログラムを行う人があまりいなかったからだ。

昔のボディビルダーにとってオフはオフだった。オフはシーズン中の疲労回復を積極的に促す時期であり、リラックスしながら過ごす時期だったのだ。そして、シーズンに入って出場するコンテストが決まると、彼らは本気を出して猛烈にトレーニングを開始していたのだ。そのため、当時のボディビルダーたちが行っていたダブルスプリットは、運動量を増やして体脂肪を減らすことだけが目的ではなく、筋肥大を促して理想の身体を作り上げるためでもあったのだ。

しかし、1日に2回もワークアウトするなんて、忙しい現代人には無理だというのが大方の意見だろう。1日に2回もジムに行くというのは、普通に働いていればまず不可能だ。しかし、その解決法のひとつとしてホームジムがある。2回のうちの1回を自宅で行えばいい。実際、2回のうちの1回を自宅で行うようにすれば、どれだけ忙しいという人でも実行することは可能なはずだ。

ホームジム最低限そろえておきたい5つの器具

ジムと自宅を賢く使うダブルスプリット法

●アジャスタブルベンチ(インクラインにもなるタイプ)
●バーベル(オリンピックバーベルが理想だがスタンダードタイプでも問題ない)
●アジャスタブルのダンベル(重量が変えられるダンベル)
●ラバーバンド
●パワーラック(スクワットスタンドやラックでも問題ない)

A 同じ部位を1日2回刺激する場合

ダブルスプリットには様々なやり方がある。例えば同じ部位を1日2回行うことで、対象筋に強烈な刺激を与えることができる。1990年代にこのタイプのダブルスプリットを行っていたのは、IFBBプロボディビルダーのフランシス・ベンファットだ。身体の美しさもちろん、彫りの深い顔のベンファットは、まさに生きたギリシャ彫刻像だった。

ベンファットは胸と上腕三頭筋を組み合わせていたので、ダブルスプリットではこの2つの部位を1日に2回行っていた。まず午前中に胸のための多関節種目であるベンチプレスを行う。高重量を使い、各セットは5~8レップだ。それが終わると、上腕三頭筋の単関節種目を2、3種類選んでハイレップスで行う。ときにはスーパーセットにして行うこともあったが、いずれにしても午前中の上腕三頭筋の運動量は多めであった。

午後も胸と上腕三頭筋のワークアウトを行う。ただし、午前中の内容とは違っていて、胸は単関節種目をハイレップで行い、上腕三頭筋にはライイング・トライセップスエクステンションやクロースグリップ・ベンチプレス、ディップスなどの基本種目から1種目を選択し、それを高重量・低レップで行っていた。

つまり、午前も午後も同じ部位のワークアウトを行うが、多関節種目と単関節種目、低レップとハイレップを入れ替えていたのである。それに、1日2回のワークアウトといっても、ベンファットの場合は決して種目数が大幅に増えていないのも特徴と言える。

気分を一新してトレーニングに挑みたい、弱点部位を強化したい、反応が鈍っている部位にショックを与えたいと考えている人には、ベンファット流のダブルスプリットはおすすめだ。もちろん、全身の部位をダブルスプリットにする必要はない。弱点部位などに限定して行えばいいのだ。

特定の部位をダブルスプリットで2、3カ月行ったら、次は別の部位に対して行うようにすると、弱点部位が徐々に克服され、自分が目指すフィジークを効率よく作り上げていくことができるはずだ。

B 異なる部位を組み合わせる場合

異なる部位を組み合わせるダブルスプリットもおすすめだ。より多くの部位をまんべんなく、均等に刺激したい場合はこちらを選択したほうがいいだろう。

やり方としては、まず午前中に大筋群を1つ選択してワークアウトする。大筋群のワークアウトでは高重量を扱うので、午前中は設備の整ったジムでワークアウトを行う。午後には小筋群を1つ選択して、その部位のためのワークアウトを自宅のホームジムで行う。こうすることで全身への負担を軽減し、しかも時間を有効的に活用することができる。

このタイプのダブルスプリットは、ボディビルダーだけでなく筋量を増やしたい一般のトレーニーにも勧められる。特にボディビルダーの場合は、減量期はエネルギーレベルが低くなっているため、2回に分けてワークアウトすることでエネルギーを効率よく消費することができる。体脂肪の減量にも貢献するので、この種のダブルスプリットを減量期に限定して行うのも効果的だ。

ダブルスプリット法6daysプログラム

ジムと自宅を賢く使うダブルスプリット法

ダブルスプリットを行うなら2回のうちの1回はジムで、もう1回は自宅のホームジムで行うような計画だとやりやすいはずだ。参考までに部位の組み合わせやワークアウト内容を紹介しておくが、自分のライフスタイルに合わせて臨機応変に調整しよう。例えば1回のワークアウトで1~1.5時間かかる人の場合、ダブルスプリットにしたからといって午前に1時間、午後にも1時間もかけていたら明らかにやり過ぎだ。ダブルスプリットを行うなら、午前中に30~45分、午後も30~45分で終わるような計画を立てるようにしたい。

【1日目】

●午前:背中(ジム)

①チンニング(またはプルアップ) 限界レップ×3セット
②Tバーロウ 8レップ×2セット
③ケーブルロウ 10レップ×2セット
④プルオーバー 12レップ×2セット
※ケーブル、ダンベル、ノーチラスマシンなどから選択する。
⑤ラットプルダウン 12レップ×2セット
※ワークアウトごとにグリップやハンドルを変化させる。
⑥ベントアーム・ベントオーバー・サイドレイズ 20レップ×2セット
※ここでは後部三角筋ではなく中背部を意識する。
⑦ビハインドバック・バーベルシュラッグ 12レップ×3セット
⑧ビハインドネック・プルダウン 10レップ×1セット
※広背筋が収縮するボトムポジションで4秒間停止させる。
⑨広背筋のストレッチ
※片側ずつ60秒間ストレッチする

●午後:上腕二頭筋(自宅)

①バーベルカール 8レップ×2セット
②インクラインカール 10レップ×2セット
③コンセントレーションカール 10レップ×2セット
④ハンマーカール 限界レップ×1セット
※スタンディングまたはインクラインベンチから選択する
⑤リバースカール 12レップ×1セット
⑥リストカール 20レップ×2セット

【2日目】

●午前:胸と腹筋(ジム)

①スミスマシン・インクラインプレス 8レップ×3セット
②インクライン・ケーブルフライ 15レップ×1セット
③ディップス 8レップ×3セット
④ケーブルクロスオーバー 15レップ×1セット
⑤フラットダンベルプレス 12レップ×2セット
⑥プッシュアップ 限界レップ×2セット
※⑤と⑥はスーパーセットで行う
⑦胸筋のストレッチ
※ダンベルフライのボトムポジションの状態で60秒間保持する
⑧ハンギング・レッグレイズ 12レップ×2セット

●午後:上腕三頭筋と腹筋(自宅)

①プッシュダウン  8レップ×2セット
※ラバーバンドを使い、ウォームアップとして限界レップ×2セットを先に行う
②ライイングエクステンション 10レップ×2セット
※バーベルまたはダンベル
③ダンベル・オーバーヘッドエクステンション 10レップ×2セット
④ダンベルキックバック 12レップ×2セット
⑤クランチ 25レップ×2セット

【3日目&6日目】

●休日

週の半ばの休日なので、軽めの有酸素運動や水泳などでアクティブレストの効果を得るようにするといい。軽く身体を動かすことで全身の血流量が適度に高まり、体のあちこちに蓄積されている疲労物質が積極的に除去される。あるいは、腹筋のワークアウトだけを行うのもいいだろう。体幹部を適度に刺激することで、これもまた全身の血流量を増加させ、老廃物の除去を促すことにつながる。ただし、あくまでも休日なので、何をするにしても限界まで追い込まないこと。

【4日目】

●午前:大腿四頭筋とハムストリング(ジム)

①レッグエクステンション 25レップ×3セット
※ウォームアップとして行う
②スクワット 20レップ×2セット
※ハックスクワット、フロントスクワット、スミスマシンスクワットなどから選択する。
③シシースクワット 12レップ×2セット
※可能ならプレートを胸に保持して負荷を増やしてみる。限界に達したらプレートを外して、ドロップセットにしてレップを続ける。
④レッグエクステンション 12レップ×2セット
※トップで大腿四頭筋が完全収縮した状態を2秒間保持する。
⑤ライイングレッグカール 8レップ×3セット
⑥グッドモーニング 10レップ×2セット
※またはスティッフレッグドデッドリフト
⑦スタンディングレッグカール 12レップ×2セット
※トップでハムが完全収縮した状態を2秒間保持する。

●午後:カーフ(自宅)

①ダンベルカーフレイズ 25レップ×3セット
※片手にダンベルなどの重量物を持ち、反対の手は何かにつかまって身体を安定させる。
②シーテッドカーフレイズ 25レップ×2セット
※ベンチ台やイスに座り、つま先をブロック台に乗せる。膝の上にバーベルやダンベルを乗せて負荷にする。
③カーフスクワット 50~100レップ×1セット
※ジョン・パリーロが考案した種目。カーフブロックなどの台の上につま先で立ち、そのまま深くしゃがむ。尻がかかとに触れるぐらいまでしゃがんだら、その姿勢のままつま先だけを押し込むようにしてカーフレイズの動作を行う。腓腹筋とヒラメ筋の両方を強烈に刺激する。

【5日目】

●午前:肩(ジム)

①オーバーヘッドプレス 8レップ×3セット
②ダンベルサイドレイズ 12レップ×2セット
③ベントオーバー・サイドレイズ 12レップ×2セット
※②と③はスーパーセットにして行う。
④ワイドグリップ・バーベルアップライトロウ 10レップ×2セット
※またはダンベル・アップライトロウ
⑤ロープフロントレイズ 20レップ×1セット

●午後:腹筋(自宅)

①クランチ 25レップ×4セット
②ニーインズ 25レップ×4セット
※①と②はスーパーセットにして行う。
③ブルームスティックツイスト 50~100レップ×1セット
※軽い棒を用意してツイスト動作を行う。遠心力で体を捻るのではなく、体幹部をしっかり意識しながら行う。黄金時代にはよく行われていた種目だが、最近は見かけなくなった。2018年ミスターオリンピアのショーン・ローデンは、今でもこの種目を行っているそうだ。

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執筆者:William Litz
カナダのウィニペグで活動する有資格のパーソナルトレーナー。過去10年以上にわたり、フィットネス系雑誌やオンライン雑誌にトレーニング関連の記事を執筆してきた。ボディビルに精通しており、熱狂的なボディビルファンでもある。

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