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筋トレ歴ゼロの人のホームトレーニング「自宅で本格的に鍛える」

種目の解説

スクワット

1&1/4法で20レップ×2セット
[解説]
この1&1/4法は、筋肉の緊張時間を延長するためのテクニックで、自重の負荷だけでも強烈な刺激を下半身全体に行きわたらせることができる。
まずはできる範囲で深くしゃがみ込み、そこから4分の1の可動域だけ立ち上がる。そこから再びボトムポジションまでしゃがむ。今度はスタートポジションまで立ち上がり、ここまでを1レップとしてカウントする。
立ち上がるときは膝を完全に伸ばしきらず、膝がロックする手前で動作を止める。また、トップでは一旦停止して休まず、立ち上がったらすぐに次のレップを開始する。
2レップ目も1レップ目と同様に、ボトムまでしゃがんだら4分の1だけ立ち上がり、そこから再びボトムまでしゃがみ、今度はトップまで立ち上がる。これで2レップ目も完了だ。これを繰り返して20レップ目まで行ったら1セットの終了だ。
ボトムで身体を弾ませて反動を使わないようにしよう。難易度を高めたい人は、しゃがむ動作に3秒かけるようにしてみる。ゆっくりとしゃがむことで強度が増し、成長ホルモンの分泌を促すことにもなる。

レッグカール(パートナーに手伝ってもらう)

12~20レップ×2セット
[解説]
トレーニーは床にうつ伏せになる。パートナーはトレーニーの両足首あたりにタオルを引っかけ、タオルの両端をしっかり握っておく。
トレーニーはゆっくり膝を曲げながらかかとを尻に近づけ、パートナーはその動きにタオルで抵抗を加える。しっかり膝が曲がるまで下腿をカールさせたら、一旦停止してハムストリングをしっかり収縮させる。その後、ゆっくり膝を伸ばすが、このときもパートナーはタオルで抵抗を加え、トレーニーはその力に抗いながらゆっくりと戻す。これで1レップだ。
手伝ってくれるパートナーがいない場合は、ゴムバンドを使ってひとりで行うことも可能だ。その場合、バンドの端を固定された柱や家具などにくくりつけ、もう片方の輪の部分を足首に通して動作を行う。バンドの張力が終始ハムにかかるように、うつ伏せになる位置を調整しよう。

プッシュアップ(腕立て伏せ)

10~20レップ×2、3セット
[解説]
プッシュアップにはたくさんのバリエーションがある。ひとつのやり方にこだわる必要はないが、まずは基本的なやり方をマスターしておきたい。
床に両手とつま先をつけて身体を床から浮かせる。このとき頭、背中、尻、脚がまっすぐ同じ直線上に並ぶようにする。この姿勢からゆっくり肘を曲げながら身体を床に近づけ、下ろす動作に3秒かけるようにする。
十分に身体を床に近づけたら、一旦停止してから床を押し込むようにして身体をトップまで押し上げる。トップでは肘を完全に伸ばしきらないこと。肘を伸ばしきると筋肉の緊張が緩んでしまう。肘関節がロックされる手前まで身体を押し上げたら、すぐに次のレップを開始しよう。
基本のやり方をマスターしたら、つま先をイスやベンチ台に乗せて行ったり、手幅を広げたり狭めたりして様々なバリエーションに挑戦しよう。筋力が付いてくれば、片腕でのプッシュアップもできるようになるはずだ。

サイドレイズ

10~20レップ×1、2セット
[解説]
すでにダンベルを持っているならそれを使って構わないし、持っていなくても早速購入する必要はない。水を入れたペットボトルでも十分な負荷になるので、まずは身の回りに活用できるものがないか探してみよう。
立位姿勢で両手に重りを持ち、腕を下ろして重りを体側に保持する。ゆっくりと両腕を左右に持ち上げる。重りを肩と同じ高さまで上げたところがトップポジションだ。トップで一旦停止し、肩の筋肉を意識的に収縮させたら、ゆっくりとボトムポジションまで重りを下ろして1レップの完了だ。
動作中、肘は軽く曲げておいたほうが肘関節への負担が少なくてすむ。

チンアップ

限界レップ×2、3セット
[解説]
この種目を行うには、高さがある固定されたバーが必要になる。もしくは、自宅のどこかに、安全にぶら下がれる場所があればそれを利用してもいいし、最近ではドアなどに取り付けられるホームジム用チンニングバーが安価に売られているので、それを活用してもいいだろう。
頑丈な鉄パイプがあれば、2台のイスの上に渡して使うこともできる。その場合は高さが十分ではないので、バーを握ったらかかとを床につけたまま足を正面に伸ばした姿勢で、肘を曲げ伸ばしするやり方で代用することもできる。ただし、棒やイスが自重を支えきれるかどうか、安定した動作が行えるかどうかを事前にしっかり確認すること。このやり方でのチンアップは「ファットマン・プル」と呼ばれていて、パワーリフターたちが上背部や広背筋、上腕二頭筋や前腕を強化するのによく行っていた種目である。
どんな道具を使う場合でも、チンアップはバーにぶら下がり、バーに鎖骨が触れる高さまで身体を引き上げて下ろす動作を行う種目だ。十分な高さが取れず、ぶら下がったときにかかとが床についてしまう場合は、膝を曲げて、かかとを床から浮かせて行う。ただし、筋力がまだ弱い場合は、足を浮かせて行うことは難しいかもしれないので、その場合は両足をつけたまま動作を行っても構わない。

バイセップスカールとトライセップスエクステンションのスーパーセット

10~15レップ×1、2セット
10~20レップ×1、2セット
[解説]
スーパーセットとは2つの種目を1セットずつ連続して行い、それを1サイクルと数えるやり方だ。2サイクルを行う場合は、1サイクル目が終了した時点で休憩を挟み、2サイクル目を開始する。
スーパーセットは、短時間で2つの種目がこなせるテクニックだ。ここでは上腕二頭筋のためのカールと上腕三頭筋のトライセップスエクステンションを組み合わせ、上腕部の表側と裏側の筋肉が刺激を受けるようにする。
ダンベルがあればそれを使い、なければ水を入れたペットボトルやゴムバンドを活用するといいだろう。
カールは1セット10~15レップだが、トライセップスエクステンションでは10~20レップを目指す。2種目を続けて行うが、手に保持したウエイト(バンド)はそのまま2種目でも使うようにする。
両腕を同時に動作させるやり方が基本だが、片腕ずつでも可能なので試してみるといいだろう。

スタンディングカーフレイズ

20~50レップ×2セット
[解説]
自宅の階段や段差を利用する。もちろん、カーフブロックのようなものがあれば活用しよう。
台(階段の端)つま先だけを乗せて立つ。かかとをしっかり持ち上げて、トップで一旦停止してカーフを最大限に収縮させる。その後、ゆっくりかかとを下ろし、ボトムではカーフをストレッチさせる。この動作を繰り返す。
片足を終えたら同様にして反対側も行い、左右を終えて1セットだ。動作に慣れてきたら、片手に重りを持って負荷をかけていこう。

ライイング・ベントレッグ・カーフレイズ

15レップ×2セット
[解説]
この種目はアイアンマンマガジンに数多くの記事を執筆してきたマイケル・ウィッティグ氏が広めた種目だ。
ジムに行けばカーフレイズマシンがあるので不便はしていないという人でも、自宅でできるカーフ種目を知っておいて損はないはずだ。この機会にマスターしよう。
まず床にあお向けになる。膝を曲げて足裏を床につけたら、できるだけかかとを尻に近づけておく。尻を床から浮かせて、ブリッジの姿勢を作る。この姿勢がスタートポジションだ。
この姿勢から、かかとをできるだけ高く持ち上げるようにするとカーフに強烈な収縮が得られる。トップで2秒間の静止後、再びボトムポジションまでかかとを下ろして1レップの完了だ。
膝を曲げた状態での動作なので、ジムにあるシーテッドカーフレイズマシンと同じような効果が期待できる。難易度を高めたいときは片足ずつ行うようにしてみよう。その場合、刺激する側の足で動作を行い、反対側の足は床から浮かせておく。

カーフスクワット

20~30レップ×2セット
[解説]
この種目は、伝説のトレーナーとして有名なジョン・パリーロ氏によって広められた。パリーロによると、この種目はカーフを構成するヒラメ筋と腓腹筋の両方を同時に完全収縮させることができる唯一の動きなのだそうだ。
やり方はこうだ。安定した家具や柱などにつかまって身体を安定させ、ブロック台の上につま先立ちする。このとき、両足はできるだけそろえておく。
ブロック台につま先を乗せたまま、ゆっくりとしゃがんでいく。しゃがんだとき、殿筋の下にかかとが来るようにする。膝は閉じたまま、つま先だけでブロック台を押し込むつもりでかかとを持ち上げ、カーフをしっかり収縮させる(トップポジション)。トップでカーフを完全収縮させたまま2秒間保持したら、ゆっくりかかとを下ろしてストレッチさせる。要は、しゃがんだ姿勢のままカーフレイズを行うのだ。
パリーロは、スタンディングカーフレイズのセット間休憩時に、このカーフスクワットを行うようにアスリートたちに指示していた。
この種目は自宅でもできるが、もちろんパリーロ式に、ジムでスタンディングカーフレイズのセット間にも行うことができるので試してみよう。

クランチ

25~50レップ×2セット
[解説]
クランチが最後の種目だ。特別なやり方はない。上体を丸め起こし、しっかりトップで腹直筋に強い収縮感が得られるように意識して行おう。

まとめ

以前のような平穏な世の中に戻ったとき、自宅でのワークアウトを続けていれば、今までは二の足を踏んでいたジムへの入会がスムーズに、前向きに実行できるはずだ。基礎的な体力と筋力を多少なりとも身に付けてきた人は、ジムにある様々なマシンや器具を存分に使って筋肉を本格的に発達させていくことができる。その日を心待ちにしながら、ぜひ自宅での自重ワークアウトを積極的に続けよう。

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執筆者:William Litz
カナダのウィニペグで活動する有資格のパーソナルトレーナー。過去10年以上にわたり、フィットネス系雑誌やオンライン雑誌にトレーニング関連の記事を執筆してきた。ボディビルに精通しており、熱狂的なボディビルファンでもある。


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