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前腕の鍛え方と筋トレすべき理由「腕全体にいまいち迫力がないなら前腕を鍛えろ」

前腕をダイレクトに刺激する必要はないと思っているとしたら、大きな間違いだ。「洗練された完璧な腕」とは、ピークの高い上腕二頭筋、馬蹄型の上腕三頭筋、そしてパワフルで肉厚の前腕がセットになっていなければならない。上腕のサイズがどれだけあっても、前腕が貧弱なら明らかにアンバランスで、迫力も半減する。

文:William Litz 翻訳:ゴンズプロダクション

前腕もカーフと同じように、素質の有無が大きな差になって表れる部位である。素質のある人は、カーフと同じように何をやっても、あるいは何もやらなくてもコブラの頭のような前腕を持っている。

また、上腕二頭筋や背中の種目を行うだけでも、前腕は強く刺激される。そのため、上腕二頭筋や背中の種目で高重量が扱える人は、前腕を直接トレーニングしなくても見応えのある前腕になっていることも多い。

しかし、たとえそうであっても、やはり前腕を直接刺激する種目はいくつか行っておきたい。完璧を極めるためには、最善を尽くして上腕とのバランスを整えることが必要だ。

【ストラップの使用を制限する】
背中などの種目でストラップを使う人は多いが、前腕への刺激も得たいのでストラップの使用は最小限にとどめるようにしたい。前腕の種目を行っていないならなおさらである。

パワーリフターを見れば一目瞭然だ。彼らは高重量を使ったプル系種目を積極的に行っているため、背中だけでなく前腕までもが極太である。特に高重量を扱うのがデッドリフトだ。競技種目の一つであるため、すさまじい重量を扱っているわけだが、それによって前腕も猛烈な刺激を受けることになる。

高重量のデッドリフト以外にも、様々なバリエーションでのロウイング、チンニング、プルアップなどの種目は背中の種目として行われることが多いが、ストラップを使わずに行うと前腕にも強い刺激が得られる。

ボディビルダーがこれらの種目を行うなら、高重量を扱うセットのみストラップを使用し、それ以外は極力使わないようにしたい。そうすることで前腕の屈曲筋を効率よく刺激することができるはずだ。

握力が弱いので、ストラップがないと背中への刺激が十分に得られないという人も多いだろう。しかし、もしそうなら握力を強くすることが先決ではないだろうか?

弱い要素を残してしまえば、いつかはそれが再び発達の妨げになる。ストラップが不要だというのではなく、高重量のセットだけに限定して使うことを勧めたいのだ。

前腕を肥大させ、握力を向上させるなら、アイソメトリックホールドがお勧めだ。これは高重量のバーベル、もしくはダンベルを20~60秒間保持するやり方だ。あるいは、チンニングバーなどにできるだけ長くぶら下がる方法も握力強化に役立つ。

バーの直径を太くして、それを長く保持するやり方も効果的だ。そのために「ファットグリップ」というトレーニンググッズも販売されている。このように、握りにくくした状態で長く保持するやり方は握力強化に効果的なので、安全を考慮した上で試してみるといいだろう。

ちなみに、トップボディビルダーとして活躍していたジェイ・カトラーは、バイセップスカールの最後のセットを終えると、バーにファットグリップを取り付けて、前腕と握力強化のためにバイセップスカールをもう1セット行っていた。

注意点としては、前腕や握力を集中的に強化したいからといって、他の部位より先に行うのはやめたほうがいい。前腕が疲労した状態では、他の種目が満足に行えなくなるのは目に見えている。特に、背中や上腕二頭筋のワークアウトと前腕を組み合わせる際は、大きい筋肉のトレーニングを終えてから前腕を行うようにしよう。

【前腕をダイレクトに刺激する】

前腕をダイレクトに刺激するなら以下のような種目を選択するといいだろう。
①背面で行うスタンディング・リストカール 20レップ×2セット
②リバースリストカール 20レップ×2セット
③ハンマーカール 10レップ×2セット
④アイソメトリックホールド 限界まで×1セット
⑤チンニングバーや鉄棒にぶら下がる 限界まで×1セット

このワークアウトで前腕の屈筋・伸筋はもちろん、上腕部にある上腕筋への刺激も得られるので、前腕のワークアウトを行いながらも上腕部の研磨にも役立つのでお勧めだ。

腕全体にいまいち迫力がないと感じる人は、もしかすると前腕の発達が上腕に追いついていないからかもしれない。もちろん、前腕に不満がないという人でも、前腕のワークアウトを行うことで握力の強化にもなるので、結果的に背中の発達にもつなげられるはずだ。

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