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「鉄も自然の一部」ドイツから逆輸入されボディビルで頂点に立った男のクラシックトレーニング【写真集あり】

昨年のゴールドジムJAPAN CUPボディビル70㎏以下級で優勝。そしてMVPも獲得するなど国内でも活躍の場を広げている、ドイツを拠点に国際的に活躍している中村真利男選手を取材した。中村選手今年はどの大会に出場するかは定かではないが、非常にシェイプされた肉体と大きな筋肉、エステティックなポージングをここでご覧いただきたい。(月刊ボディビルディング2021年8月号から引用)

取材・文:月刊ボディビルディング編集部 撮影:中島康介

「ドイツのナチュラルボディビル競技に出場して思ったことがあります」

ナチュラルボディビルディングに対する取り組み

ナチュラル=自然ということで、私も自然食品などを扱っているので、なるべく人工甘味料や保存料の入っていないものを食べるようにするなど、栄養面を気にかけています。トレーニングに関しては、ドイツでは荒削りの古い感じのジムが多くて、トレーニング終わりに手が錆びだらけになったり、服も茶色く煤(スス)だらけになったりするようなジムがあるんです。こういうのには理由があって、管理が行き届いてないのではなくて、ドイツの方は鉄を触ることが感覚的にウエイトトレーニングの強化に大事だと考えてる方が多くて、鉄も自然の一部ですから、私も鉄のバーベルやダンベルを使ったフリーウエイトにこだわりを持っていて、マシンはあまり使わないですね。
ドイツでは、コーチをしてくれていたボディビル選手から、シンプルなトレーニングメニューを行うことを学びました。脚トレで言えば、スクワット、45度レッグプレス、レッグエクステンション、レッグカールの4種目です。突き詰めていくとシンプルなメニューが残ることが私にとって勉強になりました。現在も脚に関しては学んだ4種目と、プラスでスティフレッグデッドリフトを続けています。大学生のときに鈴木雅選手とお会いして、脚以外はその当時教わったメニューを10年くらい経った今でもほとんど変えていません。ですが、いまだに毎回のトレーニングで新しい発見があって、指の使い方や肘の位置を変えるだけで、ぜんぜん効き方が変わったりするのを実感していて、ウエイトトレーニングの奥深さを実感しています。新しい発見があると、もっと先があるんじゃないかと思って同じメニューを続けています。
また、重いものを挙げるのにもこだわりがあって、重いものを効かせるのは大事ですが、効かせながら重いものを挙げていくのを目標にしています。重量が扱えるようになれば、筋肉が大きくなると考えています。
手としての理想は、バルクで圧倒する選手ではなく、フランシス・ベンファットのような、リーンな選手を理想としています。あとは、無いもの欲しさと言いますか(笑)、バルクのある選手も好きなので、鈴木雅選手や田代誠選手なども参考にしています。

ドイツのナチュラルボディビルとは

私は、ドイツのナチュラルボディビル競技に出場して思ったことがあります。ドイツの選手は、ボディビルをビジネスとして取り組んでいるように思います。パーソナルトレーナーとしての活動であったり、大会で団体側がコーチにパスを渡して、セコンドみたいに常に選手についていたりなどもして、個人競技だと思われがちなボディビルが、よりチームスポーツ化している様に感じられます。
また、ドイツで私が所属しているGNBF(German Natural Bodybuilding & FitnessFederation)では、所属選手は自由に個人の活動ができ、他団体への大会参加もできます。むしろ、厳格にナチュラル、つまりアンチドーピングに取り組んでいるGNBF選手が、他団体でも功績を収めることに、GNBF協会側も選手陣も誇りに思ってくれるんです。また、GNBFは、筋肉のサイズ感の追求だけではなく、絞り、仕上がり、バランスなどの評価が大きいように見受けられます。

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