筋トレ初心者におすすめ!スミスマシンで全身を鍛える

スミスマシンに対するトレーニーの意見は真っ二つに分かれる。肯定する人たちは、スミスマシンでの種目は姿勢を固定するためのスタビライザーが運動に参加しにくく、特定の筋肉への刺激を高めることができると言う。逆にスミスマシンを否定する人たちは、スタビライザーが運動に参加しにくいので、全身のパワーアップや筋力アップには適さないと言うのだ。このことは、言い換えるなら、目的に合わせて使い分ければスミスマシンはとても有効なトレーニングツールであるということに他ならない。否定派の人たちは、スミスマシンのバーの軌道が固定されているのが気に入らないようだが、これが賛成派の意見になると、トレーニーはウエイトを保持するときのバランスに神経を使わずに済むため、重量の挙上に集中することができ、安全に高重量を使って対象筋を追い込むことができるということになるのだ。今回はスミスマシンでどれだけのことができるのか、何を目的とした場合にスミスマシンを使うと最適なのかを解説していきたい。

text by IRONMAN

スミスマシンは
良くも悪くも直線軌道

世界各地にはさまざまなトレーニング施設があるが、その多くにはスミスマシンが設置されている。スミスマシンは動作の軌道が固定されているため、安全にトレーニングが行える点、そして特定の対象筋をアイソレートして刺激を与えることができる点に特徴がある

マシンの形状は、レール上に一定間隔でフックが並び、バーはそのレールに沿って上下するようにつくられている。そのため、たとえトレーニーが動作の途中で力尽きても、バーを回転させることでレール上のフックにバーを引っかけることができ、トレーニーが高重量のウエイトに潰される心配はない。スミスマシンの種類にもよるが、一般的にこのマシンが持つ可動域は広く、床面近くから最高で180cmや210cmの高さまでバーを移動させることができる。

バーがレール上に固定されているということは、どんな種目を行う場合でもバーのバランスに気を取られることはないということだ。バランスを保つ必要がないので、対象筋のみに意識を集中して動作を行うことができる。この点はフリーウエイトを使った種目と大きく異なる点である。

ただ、直線のレールに沿ってバーが上下するため、弧を描くような軌道の種目ではそれが欠点になる場合もある。例えば胸の種目であるベンチプレスは、胸の位置からバーを押し上げる際に緩やかな弧を描く軌道を通る。その軌道こそが胸筋からの出力を最も強めることができるのだ。ところが、ベンチプレスをスミスマシンを使って行った場合、直線の軌道しか描けないため上腕三頭筋への刺激を強めてしまい、肩や胸筋を追い込むことが難しくなることもあるのだ。

直線のレールに沿ってバーを動かすということは、比較的まっすぐな軌道を通るオーバーヘッドプレスなどの種目では効果が最大限に発揮される。オーバーヘッドプレスをフリーウエイトを使った場合とスミスマシンを使った場合とで実際に比較してみるといい。より高重量を使うことができるのはスミスマシンで行ったときだ。なぜなら、ウエイトを保持する際のバランスに気を使う必要がないため、頭上に力強くウエイトを上げ下ろしすることだけに専念することができるからだ。

軌道が固定されていることについての問題点を挙げるとすれば、例えば肩に痛みがあるトレーニーがスミスマシンを使用する場合だ。軌道が固定されているため、場合によっては動作中に肩への負担が増し、それが痛みを悪化させることもある。肩に痛みがあるときでも、フリーウエイトであれば、痛みが出ないように軌道を少しずらすことで種目が行えたりするのだが、軌道が決まっているスミスマシンではそれができない。スミスマシンでできる工夫としては、可動域を制限したり、あるいはベンチ台をずらすなどして上下運動を行う面を変えたりすることだ。それでも痛みがある場合は、残念だがその種目についてはスミスマシンを使わないようにしたほうが賢明だ。

マシンの使用を躊躇しない

トレーニーの中にはいかなるマシンを使うことに対しても否定的であったり、敬遠したりする人たちがいる。その理由は、フリーウエイトから逃げているように思えるからだそうだ。しかし、それは大きな誤解である。確かにトレーニングは特定の競技の動きや日常的な動作に合致したものであるべきという考えはあるが、マシンを使ったからといってそういったものから逃げているということにはならないだろう。むしろ安全に最大出力を可能にすることを考慮するなら、マシンを使った種目も積極的に行ってもいいはずだ。

理想なのはどちらか一方を選択することではない。機能向上のためのトレーニングも今回紹介するようなマシンだけを使ったワークアウトも、両方を組み合わせてまんべんなく行うことが重要である。優劣をつけ、どちらかだけを選択するような偏りは避けて、柔軟にプログラムをつくることが有用なのである。

次ページでは全身ワークアウトを紹介する

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