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フラメンコダンサーの会社員が脚のケガをきっかけに筋肉道へまっしぐら

今回は、先月行われた東京クラス別選手権女子フィジーク158㎝超級で見事優勝を果たした佐藤奈々子に、トレーニングを始めたきっかけや、現在の取り組みなどを聞いた。

取材・文:月刊ボディビルディング編集部 写真:中島康介(大会写真)、佐藤奈々子

「規定ポーズにはない表現をできるのがフリーポーズの魅力」

私は20代後半からフラメンコをやっていてコンクールなどにも出場していました。しかし、右の足関節の調子が悪くなって手術するまでに至ったんです。その後、リハビリを兼ねて身体づくりをしようと思い始めたのがトレーニングでした。リハビリは整形外科でやっていましたが、それだけでは足りなかったので、フラメンコで使う筋肉も含めてジムで鍛えたいと思いました。
トレーニングを始めたのは2015年の末で、ダイエット目的もあってパーソナルジムに通い始めたり、自主トレーニングを始めました。その後、17年に初めての大会として健康美に出場したんです。これは、当時パーソナルジムに通っていて目標がないといけないと思ったこと、フラメンコの友達が16年に健康美で優勝していたことがあって、健康美を目標にトレーニングをしようと思ったことが始まりです。そのフラメンコの友達に出会っていなかったら、私は今の競技をやっていなかったと思います。
トレーニング開始当初はマシンで教科書通りのフォーム、そして適量な重量で取組んでいたのもあり、「トレーニングになっていたのかなぁ」という感じでした。現在はトレーニングセンターサンプレイに18年の9月に入会して通うようになり、こだわりを持って行うようになりました。初めてサンプレイに行ったとき、誰もが挨拶し合っていて、入会時に会員の方たちがみなさん挨拶してくれたことに驚きました。それまで24時間ジムに通っていたときは、誰も話さないというのが普通でした。
サンプレイに来て、みなさんがコミュニケーションを取り合うことを知り、変なストレスもなくなったんです。そして、サンプレイに通い始めた当初は、今までやってきたトレーニングは初心者のトレーニングだと気が付かされましたね。それからトレーニングの内容は大きく変わりつつも、時間が限られているので、種目も取捨選択して取り組めるようになりました。
身体の変化はしっかり感じられていて、一人でやっていたときは体幹部ばかりに意識が向いていたので、腕や細かい部位は後回しにしていました。腕はサンプレイ通っている今でも細いと言われていますが(苦笑)、その重要性に気が付くことができています。なので、頻度などを増やしてしっかり改善をしていきたいと思っています。
こだわりは、基本的なことにしっかりと取り組むことです。SNSやYouTubeなどで様々な情報が溢れています。そんな中であれもこれもと種目をやりたくなるんですが、基本種目をどれだけできるかということは忘れません。ベンチプレスは重量を求めてお尻を上げたりしていましたが、ケガもしてしまうので本来のフォームを意識するようになりましたし、スクワットも深さを意識してやってみようとか。基本種目は本当に意識することばかりだと思いました。
今私が課題としている部位は、大会でも目につく部位である肩と、脚の強化です。肩は横への張り出しと、バックダブルバイセップスをとったときの前・横・後ろなどの全体的なボリュームです。脚に関しては、昨年までバーベルスクワットに取り組んでいませんでした。しっかりしゃがめないという思いこみが強かったんです。スミスマシンでずっとやってきましたが、東京選手権以降にバーベルスクワットを始めたら、ぜんぜん違う種目だと今さらながら気が付きました。これを機に伸ばしていきたいと感じました。
趣味の一つとして今も取り組んでいるフラメンコは踊りで表現しますが、女子フィジークのフリーポーズにも近いものがあります。舞台で何かを表現したいという気持ちが、健康美出場や、女子フィジークに転向させてくれた一つの理由でもあります。規定ポーズにはない表現をできるのが、フリーポーズの魅力なんです。
昨年の日本選手権は入賞の一歩手前まで行くことができ、爪痕を残せたと思うので今年は昨年よりも良い結果を残したいと思います。

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