昨年の愛知県女子フィジーク選手権、東海女子フィジーク選手権で初出場にして初優勝の栄冠に輝いた清水洋子選手(46歳当時)。競技は今年で2年目になるが、トレーニングを始めたのは20代に摂食障害になったことがきっかけだった。
「20代前半に摂食障害になり、それを克服するために週2回、1日2時間のトレーニングを始めました。その後、不妊治療の末に妊娠し、約6年間続けたトレーニングを休むことになりました」
そう語る清水選手は、その後も2年ごとに出産。4人の子供を授かったが、約10年間トレーニングから離れていた。
末っ子が保育園生活に慣れたころ、東日本大震災が日本を襲った。津波に飲み込まれる大震災のニュースを観て、「もしものときに私1人で4人の子供を守るのは無理だ」と思った。それがトレーニングを再開するきっかけになったという。
しかし、以前と同じようなトレーニングを始めるも、今度は新型コロナウイルスの脅威が世界を襲う。清水選手の通っていたジムが閉鎖され、新たなジムへ入会することに。そこで出会ったのが、昨年男子日本ボディビル選手権9位になった杉中一輝選手だった。
「杉中さんに本当のトレーニングを教えていただき、現在の私になっています」
もともと摂食障害でガリガリだった20代の自分からムキムキの40代へ生まれ変わった清水選手。本格的にトレーニングを始めてから、服のサイズアップが著しくなり驚いているという。
昨年はジャパンオープン選手権にも出場。結果は10位だが、女子日本フィジーク選手権の上位者が数名いる中で、仕上がりと脚のカットの深さでインパクトを残した。しかし、清水選手自身はこの大会で課題が明確になったと感じた。
「背中の反応が鈍く、部位としても弱いので、重量よりも意識できる重さでトレーニングしたり、週2回やってみたり、木澤大祐さんのパーソナルを受けることもありますが、そのときは背中のみ受けたりしています」
今年は初めての挑戦となる日本選手権に向けて、清水選手の新たなシーズンが始まった。
「私は自分に自信がなく卑屈な性格ですが、筋肥大のおかげで自信が持てるようになってきました。今年は日本選手権で6位以内を目指して取り組んでいる最中です。そして今後、日本選手権優勝も目指しています」
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介(大会写真)、清水洋子
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