トレーニング mens

大胸筋が裂けてしまいそうなほど強烈な刺激を与える胸トレ(第2回)

月刊ボディビルディングの人気企画『ガチンコトレーニングバトル』にて、ボディビル現役日本王者である相澤隼人選手が武者修行トレーニングとして挑んだ相手は、2度の日本ボディビル選手権を制し、それと共にアジアンゲームズの金メダルも含む3度のミスターアジアをも制した“鋼鉄の男”こと、谷野義弘選手だ。今回は相澤選手の希望により胸のトレーニングを行った。谷野選手の大胸筋はその迫力が凄まじく、横から見たときの輪郭はもちろんのこと、ラットスプレッドのポーズをとったときに胸に走る、まるで大胸筋がいくつにも割れているように見えるストリエーションは、他を寄せ付けない“唯一無二”のものだ。そんな谷野選手との胸のトレーニングのはずであったが、相澤選手のいつものルーティーンの中に上腕二頭筋、腹筋が含まれているため、ボリュームがてんこ盛りのガチンコトレーニングバトルとなった。今回はスミスマシン・インクラインプレスとディップスの解説を行う。

【写真】筋肉に刺激が入り過ぎて表情筋までカッチカチ

前回に続く胸の第3種目は、スミスマシンを用いたインクラインプレスである。この種目では大胸筋の上部をメインとして鍛えていく。特徴的なのは胸椎の部分にアブマットを敷いて行ったこと。これにより胸椎の伸展がスムーズに行われ、肩甲骨も安定するため、動作に集中しやすくなる。

また、スミスマシンを使うことにより、バーベルのような不安定の部分が消える為、より大胸筋上部の筋線維にフォーカスして動作を行うことができた。
「こちらの種目もベンチプレス同様、サムレスグリップで行いました。『胸でバーを迎えにいく』というイメージで行うと、さらに大胸筋上部への刺激が増していきました」

第4種目は自重で行うディップス。この種目では、大胸筋の下部を狙って行う。ディップスといえば、身体が上下に動くイメージが強いのではないのだろうか。しかし、谷野選手が行うこの種目では、上に身体を持ち上げるのではなく、斜め上前方向に向かって身体を持ち上げていくという。

持ち上げるという言葉がふさわしいのかは不明である。なぜなら可動域が想像していた以上に狭く、動作は単なる上下運動でなく、斜め下後ろから斜め上前といういかにも複雑である動きだからだ。加えて谷野選手は次のように解説した。
「身体が上にいく時は、頭を前にぶつけにいくような感じをイメージし、同時に大腿四頭筋の伸展も行うことによりある程度スムーズに動作を行うことができます」

1セット15回を目安にディップスを行うが、谷野選手の解説したフォームで相澤選手がやると、後半に行くにつれて大胸筋が張り裂けそうになり、セットが終わった瞬間には大胸筋下部の張り出しが凄まじくなっていた。谷野選手はこのディップスにより大胸筋下部を発達させたという。
「全盛期時代の谷野選手のサイドチェストの写真を見せて頂きましたが、大胸筋下部が取れそうなくらい張り出していました。それはこのディップスを極めた選手であるからこそ、作り上げることができた張り出しであると言えると思います」

次回は分厚い胸郭、大胸筋を求めるためのおすすめ種目を解説する(続く)。

取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介(大会)、Ben(トレーニング)

【写真】筋肉に刺激が入り過ぎて表情筋までカッチカチ

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