「タイトスカートが上がらない」
スーツの9号サイズがきつくなって、試着室で現実を突きつけられたのが、矢部陽子(やべ・ようこ/57)さんのボディメイクの出発点だ。11号を買い直すか、それとも身体を変えるか。悩んだ末に選んだのは後者だった。
体重は約9kgほど減少したという矢部さんは、体重を落とした以上に見た目と雰囲気が変わった。周囲からは「姿勢がいい」「スタイルがいい」と言われるようになり、さらにジム仲間もできた。身体の変化が、そのまま日常の楽しさにつながっていったという。
【写真】スタイルだけでなく、姿勢も変わった矢部陽子さん(年々進化する大会写真3枚)
ボディメイクは、根性論になった瞬間に継続が難しくなりやすい。矢部さんが最初に決めたのは、無理をしないことだった。毎日できることから始めて、少しずつ習慣にしていった。
続かなかった運動より「相性がいい運動」
矢部さんがジムに通っていた頻度は、ボディメイクを始めた当初は週3〜4回。いきなり毎日ではなく、生活に入れられる回数から組んでいた。
「継続の鍵になったのは、今はなきNAS六本木のピラティスとダンスだと思います。『ハード過ぎない』ことがピラティスの良さで、ヨガは身体が硬かったので合わなかったんです」
運動は合わないものを頑張るほど、自己嫌悪になって挫折しやすい。
「ダンスはもっとわかりやすいですね。自分の好みの曲と振り付けをする先生に出会えたことが、続く理由になりました」
運動内容だけでなく、『誰とやるか。気分が上がるか』まで含めて相性が決まる。
「今は、ブラジリアン柔術アカデミーのトライフォース赤坂にも通っているんです。対人トレーニングなら、自分では意識しない動きが自然に出ます。これが楽しいんです。運動が作業じゃなくて遊びのような感覚で楽しめています」
一方で、見た目づくりとしては、お尻と腕を中心にウエイトトレーニングもプラス。格闘技で動ける身体を作りつつ、形は筋トレで整える。目的がハッキリとしているということも継続のポイントなのだろう。
「ボディメイクって、ストイックな人だけのものに見えがちですが、私は逆ですね。頑張りすぎない。好きになれる環境に寄せる。その積み重ねで、55kgから46kgまで自然に落ちていきました」
矢部さんはボディコンテストである『ベストボディ・ジャパン』にも出場経験があるが、これからも出場して頑張っている仲間から刺激をもらいながらトレーニングを続けていくという。タイトスカートが入らなかった日が、今の習慣と人のつながりを連れてきた。買い直すか、変えるか。あの日の選択が、今の身体を作っている。
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取材・文:柳瀬康宏 写真提供:矢部陽子
『月刊ボディビルディング』『IRONMAN』FITNESS LOVE』などを中心に取材・執筆。保有資格は、NSCA-CPT,NSCA-CSCS,NASM-CES,BESJピラティスマット、リフォーマー。メディカルフィットネスジムでトレーナーとして活動もしており、2019年よりJBBF、マッスルゲート、サマースタイルアワードなどのボディコンテストに毎年挑戦している。











