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須山翔太郎が実践している型破りトレーニング「鶴の舞」式サイドレイズ

ジムにあるマシンを使ってみたものの、自分の骨格に合わなかった。これはトレーニングの「あるある」の一つではなかろうか。マシンが自分に合わないのなら、自分からマシンに合わせていくしかない。また、三角筋や背中などのトレーニングで効かせ方がいまいち掴めない、フィニッシュで刺激が逃げてしまう。そういった経験をした人も多いはずだ。ここでは、須山翔太郎選手がちょっと変わったマシンの使いこなし術と、フォームが難しい種目の攻略法を伝授する。[IRONMAN2019年6月号より修正引用]

取材:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩

須山翔太郎選手の型破りトレーニング

僕は肩のトレーニングが苦手で、肩に効かせられる方法をいろいろと試していたんです。その中で思いついたのが僧帽筋を伸展させた状態で構えるサイドレイズです。

また、トレーナーとして一般の方を指導していると、サイドレイズで肘が折れ曲がってしまう人が非常に多い。でも、そういったフォームでやっていても、三角筋が発達している人もいます。肘が折れ曲がっても、工夫次第では刺激を入れられるんじゃないか。そこで考えたのが、上体を前傾させ手首を掌屈して(内側に返して)ダンベルを持つサイドレイズ。そのフォームから、僕は「鶴の舞」と呼んでいます。

ケガの巧妙で思いつくものも多いです。例えば、バイセップスカールのマシンで、ハンドルを握らずに、手首の部分に引っ掛けて行う方法。これは手首を痛めたときに思いつきました。

手首は痛いけど上腕二頭筋のトレーニングはやりたい。そこで試しにハンドルを手首にかけてやってみたら、強度は低くなりますがパンプさせたり、維持させたりするのには役立ちました。

こういった試行錯誤は、トップの選手たちはみんなやっているはずです。このようなテクニックは、みんな何かしら持っていると思いますよ。

種目の紹介

NGフォームを活用した「鶴の舞」式サイドレイズ

 

サイドレイズのNG 例としてはよく「肘を折り曲げるフォーム」が紹介されるが、その肘を折り曲げたフォームから三角筋に効かせるように工夫したのが、この変形サイドレイズ。その名も「鶴の舞」。肘を折り曲げたまま、手首を内側に返した状態でダンベルを高く挙げていく。

須山翔太郎選手

・手首は必ず内側に返した状態で前腕を高く上げる。高重量は扱えない。まずは軽めの重量で行うこと
・上体は前傾させること。まっすぐに立てた状態だとフィニッシュで負荷がかからない
・ターゲットは三角筋の中部からリア。動作は「ヘタくそなサイズレイズ」っぽくやるのがポイント。脱力して、翼でフワフワと舞うようなイメージで行う

僧帽筋を伸展させた
「R」型サイドレイズ

サイドレイズを実施する際に僧帽筋が動いてしまい、その結果、ターゲットとする三角筋への刺激が弱くなるという人は多い。サイドレイズで僧帽筋を収縮させてダンベルを振り回してしまう、といったNG を修正するフォーム。僧帽筋を伸展させダンベルを揺らすようにして挙げる。

須山翔太郎選手

 

これは外側頭がメインターゲット。EZバーで行うよりも、外側頭の収縮感、ストレッチ感が強い。スタートではしっかりと外側頭で負荷を受ける。フィニッシュでの腕は垂直ではなく、反対側の腕のほう、左腕で実施している場合は、右側に少し倒す。そうすることで収縮時の負荷が抜けなくなる

注意点

スタートポジションで顔をそむけ、耳の裏の位置にダンベルを持っていく。挙げたときは顔を少し反対側に向ける。腕は少し外旋。EZ バーと違い手首、肘が固定されないので肘も痛めにくい


執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。


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