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糖尿病に交通事故…苦難と闘い3冠勝ち取る「お母さんに見えないと言われるのがうれしいです」

渡邉さおり選手“誰でも参加できる”ボディコンテストの登竜門として大きな盛り上がりを見せている『マッスルゲート』。7月3日(日)、熊本県立劇場コンサートホールにて『マッスルゲート熊本』が開催された。今大会は熊本初開催にもかかわらず260名超えの選手がエントリーし盛り上がりを見せた。ウーマンズレギンスでは、渡邉さおり選手が新人163cm以下級と、163cm以下級、65歳以下の部の3つのクラスで優勝した。10年前から糖尿病だと診断されたという渡邉選手。現在51歳でありながら周囲に「お母さんに見えない」と言われるカッコイイ身体を手に入れた。

【写真】渡邉さおり選手

取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介

マッスルゲート熊本
ウーマンズレギンス
新人163cm以下級&163cm以下級&65歳以下の部 優勝
渡邉さおり選手

――まずはトレーニングを始めたきっかけから教えてください。
「今から10年前、41歳になって糖尿病が判明し主治医からインスリンを打つ前に食事制限と運動を勧められ、人生で初めて軽いトレーニングを始めました。その数年後、仕事で右手の靭帯を切ってしまいサポートする筋肉を鍛える必要性を感じてゴールドジムに入会しました。そこからウエイトトレーニングを始めました」

――トレーニングをしていて良かったと感じることはありますか?
「2型の糖尿病ですが、病気が判明した時点でヘモグロビンA1cの数値が「8」でしたが、トレーニングと減量で「6.5」まで下がり、維持できています。他にはメンタル面で強くなりました。気落ちすることも減ったと感じています。体型が変わっていくことでコンプレックスが少なくなり自分を好きだと思えるようになりました。トレーニングを始める前は怖かった老いや加齢による見た目の衰えへの不安から解放されエイジレスに毎日を楽しんでいます。また娘たちも、周りの人から『お母さんに見えない』と言われる度に喜んでくれるのが嬉しいです」

――トレーニングで辛かった経験などありますか。
「ボディメイク競技を始めようと思った当初は無理な重量を扱ってケガをしたり、減量法が分からず精神的に追い込まれて辛かったです。交通事故の後遺症で頚椎が悪いのですが、そのダメージでトレーニング効果が上がりづらい状態が続いていた時は辛かったです。そのダメージを見抜いて治療を勧めて下さったコーチであるトレーナーに救われました」

――仕事とトレーニングの両立はどうでしたか?
「現在フリーでパーソナルトレーナーのお仕事をしながらジムとカフェの開業準備をしているので、仕事を早めに終わらせて毎日ジムに行く時間を作っています。朝起きて、犬の散歩をし、帰って朝食を作り仕事、仕事から帰って食事を作り、ワイン試験の勉強をしてから夕食を取り、ジム。帰ったら犬の散歩で1日が終わります」

――普段のトレーニングメニューはどのように行っていますか?
「背中、胸、肩、腕、脚の5分割で回しています。筋肉痛の酷さや仕事で時間が取れない時はお休みという感じで続けています。最大収縮最大ストレッチを意識して重量よりフォーム重視でトレーニングしています。女性なので首が太くならないよう、特にアイソレーションを意識しています。背中の脂肪が落ちにくいので背中のハイレップトレーニングはちょこちょこやるようにしています」

――自慢の部位とそのトレーニングメニューはありますか?
「自慢できる程の筋肉はまだありませんが、三頭筋が気に入っています。以前トレーニングで肘を故障してしまったので今は主にケーブルマシンでマルチケーブルギアというアタッチメントを使って最大収縮最大ストレッチを意識したトレーニングをしています」

――普段から食事なども工夫していますか?
「糖尿病なので炭水化物の種類と摂り方に注意しています。なるべく野菜やタンパク質は色んな種類を食事から摂るようにしてストレスを溜めないようにしています」

――初めての大会で困ったことや不安だったことはありますか?
「ウーマンズレギンスというカテゴリの目指す仕上がりの基準がわからないまま準備をしたのが不安でした」

――今回の大会での反省点はありますか?
「減量への準備が遅かったことと、集中して減量するまでに時間がかかり過ぎたことです。
つまり絞れていませんでした。次の大会は9月23日のマッスルゲート九州大会なのでそれまでにあと4kg絞ることが目標です!」

――次の大会の目標は?
「次の目標はまだ挑戦したことのないカテゴリであるボディフィットネスに挑戦することです。大会への挑戦と同時にワインエキスパート(ソムリエ同等)資格取得です」

――これから大会を目指す方へのアドバイスをお願いします。
「大会出場を目指すことでより高い意識を持ってトレーニングや減量を頑張れるので、賞を取る取らないは考えず大会を利用してより美しくかっこいい自分になってやろう!と勇気を出して挑戦してみて欲しいと思います。きっと人生が変わると思います」

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