持久系運動もウエイトトレーニングも、テストステロンを高める効果を発揮する。ただし、全ての種目が同等の効果を発揮するわけではない。筋発達を目指している人は、テストステロンの分泌量をより高める時間帯に積極的に行ったほうがいいだろう。今回は、ワークアウトの時間帯とテストステロンの関係を、現在発売中のアイアンマン4月号の「テストステロン特集」の記事から紹介する。
文:Sarah Chadwell, NASM-CPT 翻訳:ゴンズプロダクション
ワークアウトの時間帯がテストステロン値を左右する
ワークアウトを行うタイミングが、テストステロンレベルに影響したりするのだろうか。個人差はあるが、一般的には体内のテストステロンが最も高いのは午前中であり、午後からは低下していく傾向が見られる。そうであるなら、低下した時間帯にトレーニングを行えば、一日の平均的なテストステロン値は上昇するはずだ。
イギリスのスポーツメディスン系の専門誌に紹介されていた実験では、被験者に異なる時間帯にワークアウトをしてもらい、出力レベルにどれくらいの差が出るかが調べられた。実験に参加したのは9名の学生アスリートで、被験者たちは午前8〜9時、午後1〜2時、午後6〜7時30分の3つの指定された時間帯に脚の種目を行った。なお、異なる時間帯のワークアウトは、7日以上空けてひとつずつ行われた。
実験の結果、最も出力レベルが大きかったのは午後6〜7時30分に行われたワークアウトのときだった。この結果は、私たちの身体の中に埋め込まれている体内時計との関連があると考えられる。1日24時間のうち、私たちの身体は起床してから時間が経つにつれて活発に機能するようになる。筋出力が最も大きくなるのは夜間のワークアウトであるという実験結果は、まさに体内時計と連動していると言える。
もうひとつ、別の実験を紹介しておきたい。この実験は、コルチゾールとテストステロンの概日リズムが筋出力にどのような影響をもたらすかを調べたものだ。この実験の結果もやはり前述したものと同じで、午後の遅い時間帯のほうが出力レベルは高かった。
2つの実験から言えることは、筋出力は朝より夜のほうが大きくなるということだ。テストステロンは朝より夜のほうが低いが、夜にワークアウトを行えば、出力レベルが大きいため、より重い負荷をかけてのトレーニングが可能になり、低値のテストステロンを効率よく高められると推測できる。
テストステロンが低値になる時間を少しでも短くしたいなら、ワークアウトは夜のほうが良さそうだ。
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