穴見 7カ月前くらいからです。試しに着けてみようかなと思って着け始めたのがキッカケです。まだ実感はそんなに無いのですが、サイドレイズのときはすごい実感していて、実はサイドレイズのときだけは着け方を変えています。基本的には尺骨神経を刺激するために中指と小指に着けていますけど、サイドレイズのときだけは中指と薬指に着けていて正中神経を刺激しながらサイドレイズを行うことを意識しています。また、筋膜連鎖の観点から、そのような着け方になっています。
ーートレーニング時間が短かったのですが理由があってのことですか?
穴見 意図的に短時間にしてるというよりは結果的に短時間になっていきました。ガンガントレーニングをやっていて、気が付いたら40~50分しか経っていなかったという感じですね。また、僕は速筋タイプなんで、重さとかは扱えますが、疲れやすいので、長時間トレーニングができないんです。となると、結果的に短時間トレーニングになっていきました。でも、ベンチプレスだけはしっかりインターバルもとってやっています。スピードベンチやストップベンチと色々やっています。
なので、ベンチプレスは毎回行う時間は同じではないです。大胸筋下部・中部の日だけはベンチプレスをしっかりやります。単純にベンチプレスが好きなので毎回1時間は超えますね。
ーー他にBIG3のメニューで、取り組んでいるものはありますか?
穴見 僕の中では一番重量が持てるデッドリフトも好きなんですけど、腰を壊しかけているので、最近はやっていないです。
スクワットはどうでしょう?
穴見 最近ボックススクワットにハマっています。理由は、毎回同じ深さでしゃがめるっていうのと、膝が前に出るので、ティアドロップ(内側広筋)に効くんですよ。ティアドロップって、サーフパンツを履いたときに見えるので、脚トレの中ではとくにティアドロップを重視して鍛えています。メンズフィジークは足先は外側に向けますし、やはりサーフパンツは膝丈なので、ティアドロップは見えますからね。レッグエクステンションでもティアドロップ狙いでやっていますし、そこはこだわっています。
また、最近脚トレは頑張ってやっていて、しっかりやり始めてから、仕上がりが良くなりました。なので、オフでもしっかりやるようにしています。そしたら、大会時のコンディションが良くなりました。大会前にしっかり脚トレをやってコンディションが良くなるのなら、1年を通してやったらずっと良いみたいな感じです。競技の性質上、大腿部は見せませんが、僕自身脚は太くしたいですし、メンズフィジーク競技で勝つためにコンディションを良くできるのならやるべきだと思っています。
また、大学時代に陸上の短距離をやっていたおかげでカーフが発達したので、自信がありますね。ボディビルのような大きさというよりは、サーフパンツを履いたときに仕上がっていて、かつ整った形をしているのが良いと思います。なので自信がある部位です。カットとか、血管が良く出ています。カーフは評価されなくても、観てる人から「あの選手かっこいいな」と思われるのは、どこをとっても一流であるべきだと思うので、カーフも含めて指先から髪型まで、審査に関係ないとしても、単純にかっこいいと思う選手はカーフなども仕上がっているので、そういう意味でも極めたい部位ではあります。
ーーまた、脚トレをして脚を太くしたいというのは、ボディビルに出てみたいという気持ちから来ているのでしょうか?
穴見 僕は、どんだけ頑張っても日本ボディビル選手権で一番にはなれないと思っているので、それはないです。やっぱり出るからには一番になりたいので、となると一番になり得るメンズフィジークに出ることに意味があるんです。
ーー特化できるものを目指すということですね。
穴見 はい。本当に勝つためにやっていますね。ボディビルで勝てる人が、メンズフィジークでは評価されないかもしれないし、その逆もありますよね。なので、メンズフィジークでしか闘えない選手がメンズフィジークで勝てるんだと考えています。なので、メンズフィジークのトップ選手は、ボディビルやクラシックフィジークでは闘えないかもしれませんがメンズフィジークで闘える強さを持っていると思います。だから勝ってきたんだと思います。
ーー最後に、穴見選手から読者へのメッセージをお願いします。
穴見 メンズフィジークは自分にはまだ早いなどと言って、出たいのに出ない方はいると思います。実際僕もそうでした。でも自分が出たいカテゴリーに出ることはとても大事だと思います。僕はそれができないタイプだったので、ボディビルも好きでフリーポーズとかやりたいんですけど、勝ちたいという思いが強いのでメンズフィジークに出ています。なので皆さんにも自分が楽しいと思える出たいカテゴリーに出場してほしいと思います。
穴見一佐(アナミ・カズサ)
1997年8月27日生まれ、福岡県福岡市博多区出身。身長177㎝、体重オン72㎏/オフ77㎏。パーソナルトレーナー、目指すべき選手はLiu Mao Yi。座右の銘「人事を尽くして天命を待つ」、トレーニング以外の趣味は犬の散歩。好きな食べ物:カニ。
主な戦績:
2021年オールジャパン選手権40歳未満176㎝超級2位、SPORTEC CUP2021優勝、2020年ゴールドジムJAPAN CUPメンズフィジークオーバーオール優勝、2019年IFBB世界ジュニア選手権178㎝以下級優勝、KING OF PHYSIQUEオーバーオール優勝
-コンテスト
-トレーニング, 月刊ボディビルディング, メンズフィジーク, 穴見一佐
伝説のトップ選手
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昨今の日本ボディビル界で「短期間での成長力」を語るに避けては通れないのが、キャリア5年目にして前年度覇者であり、IFBBエリートプロとなった横川尚...
2019年の東京ボディビル選手権から始まり、ベテラン勢とも交え、日本最高峰の舞台で、その力を発揮する若き王者・相澤隼人選手。2年間のときを経て、大きく成長した姿とは。
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