ビキニフィットネス界の絶対女王である安井友梨選手は今年、オールジャパン選手権での7連覇、グランドチャンピオンシップスでの3連覇、さらにはフィットモデルでのオーバーオール優勝を果たす。しかし、順風満帆にみえる結果の中に、自信を失う出来事があった。
それはオールジャパン選手権のオーバーオールで、2位のダンシーあずさ選手に1点差まで詰め寄られたこと。例年、安井選手はダントツで優勝に輝いており、1点差というのは初めての経験だった。
「じつは、オールジャパンでは自分自身が納得のいく形でステージに立てず、完全に自信をなくしてしまいまして(苦笑)。周りの方に『どうしたら自信が取り戻せるんでしょうか』と聞いて回ったり、家族にも『どう立て直していいか分からない』とこぼしたり、トレーナーさんには『大丈夫』と毎日励ましていただいたり。それでも、だんだん自分の身体が変わってきたことに気づくようになり、ポージングの先生やトレーナーさんにも『これならいけるね』と太鼓判をしてもらえるようになり、ようやく気持ちを取り戻せたのが本番3日前でした」(IRONMAN2022年11月号より)
絶対女王といわれる安井選手でも、心底自信を失うことがある。そこで落ち込むだけでないのが女王の強さだ。
「今回のオールジャパンで自信を失いましたが、自信がないからこそ(グランドチャンピオンシップスは)頑張れました。私はなかなか自分に自信が持てないからこそ、365日モチベーションが高いんだと思います(笑)。セミナーでもよく『モチベーションを保つには?』と聞かれるのですが、自信のなさが逆に『毎日1秒も無駄にしないぞ』という強い気持ちにつながっている気がします」
10月18日から世界選手権に挑む安井選手。昨年は惜しくも2位という結果だったが、それも安井選手にとっては強いモチベーションになっている。今年は世界一の栄冠を手にするか、期待が高まる。
文:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介