昨年8月初旬、神奈川県で行われた『関東クラス別選手権』『神奈川県女子フィジーク選手権』において、圧倒的なインパクトを残し優勝、準優勝したのが、日本ボディビル選手権10位に輝いた吉岡賢輝選手の姉・吉岡美里選手だ。美里選手は賢輝選手とともにYouTuberとしても活動しており、筋肉情報を発信している。その美里選手がどのような経緯で大会に出場したのか辿る。
【写真】弟・賢輝選手とともに一緒にステージに上がるマッチョな美里選手の肉体
今では姉弟揃って業界の有名選手に。トレーニングとの出会いは、「4年前に、仕事の忙しさから体調を崩してしまい精神的に病んでしまい、何にも手を付けられなくなってしまったときに、当時からボディビルをやっていた弟の賢輝に助けを求めたんです。そしたら『ここでスクワットしてみろ』といきなり言われたんです。やってみたら急に元気になって、次の日からすぐに弟が通っているジムに私も通うようになりました。元気になりたいからトレーニングしようという感じでした(笑)」と話す。
そこからトレーニングに夢中になり、通っていたジムの会長からの勧めで女子フィジークの選手を目指すことになったという。
「2021年に弟が日本ボディビル選手権に出たときはこの競技に興味が一切無かったんです。どちらかと言うと、ベンチプレスが強くなりたくてトレーニングを続けていました。しかし昨年の3月に、それまで就いていた仕事を退職したんです。どうせ仕事を辞めるなら、兄弟で競技に出た方が面白いじゃんと、所属している横浜マリントレーニングジムの谷澤(一矢)会長に言われたんです。ミックスドペアというカテゴリーなら兄弟2人で一緒にステージに上がれるということで、昨年9月のジャパンオープンに出場を決めたのですが、その前に地元・神奈川県で行われる関東クラス別と神奈川県選手権があったので、せっかくなら女子フィジークで先に2つの大会にも挑戦してみようと出場しました」
思い返すと初戦の関東クラス別選手権の減量は苦労ばかりしていたようだ。
「減量は2021年の12月から入ったのですが、いろいろと分からないこともあって、まだまだ絞れるという感じでした。でも、大会のステージではとにかく楽しんでいければ良いかなと思いました。実際、神奈川県選手権では優勝させていただきましたが、嬉しいというよりかは悔しいという気持ちが残ってしまいました。もっと絞れた、もっと良い身体でステージに上がりたかったという思いが残ってしまったんです」
また、女子フィジークに出場するためのポージング練習も大変だったと振り返る。
「最初はとにかく本当にひどかったです。同じ女子競技のボディフィットネスやビキニフィットネスの選手と一緒に練習することがあったのですが、私はしなやかな動きがどうも苦手みたいで、全然違う感じになっていました。なのでとても苦労していました。弟にも教わりながら、週1回、ジムでも毎週練習してきました。2016年北京アジア選手権で優勝経験もある、昨年競技に復活した大澤直子選手と一緒に練習できる機会をいただいたんです。横に並びポージングを間近で見ましたが、それはもう別格でした!服を着ていると女性らしさを感じるのに、ポーズをとったら筋肉が大きくなって、男子ボディビルのカテゴリーに出ても勝つのでは?と思うくらいでした。トップ選手と並ぶことができて、嬉しい経験にもなりました」
今シーズンはさらに磨きをかけた美里選手の筋肉美に期待したい。
取材:FITNESSLOVE編集部 撮影:中島康介