トレーニングの取り組み方は十人十色、始めたきっかけや目的ももちろん違う。ここでは、トレーニングに励む愛好家達の軌跡を辿ってみよう。今回紹介するのは、ボディコンテストに挑戦する公務員の池田開人さん(26)。トレーニングライフを振り返ってもらうとともに、トレーニングの質の向上と継続の方法を教えてくれた。
【写真】幅のある大腿四頭筋からハムストリングが印象的な池田さんの美しいポージング
池田さんは小学校では空手、中学校では柔道、高校では弓道と学生時代は武道を行ってきた。社会人になってからも、走るのが趣味でハーフマラソンに挑戦するなど身体を動かすのが好きな池田さんは、20歳のころにウエイトトレーニングを始めると、ボディメイクへの興味が強くなってきたという。
「走ることよりもトレーニングのほうが楽しくなってきました。身体が変わることもそうですが、自分の場合はトレーニング自体が楽しかったです」
身体の変化とともにボディコンテストへの興味も湧き、偶然インターネットで目にした『マッスルゲート』への出場を決める。
「新宿髙島屋で開催されたマッスルゲートのメンズフィジークに初めて出場しました。面白そうだなという興味本位からでしたね。結果はノービス170cm超級で優勝することができました」
デビュー戦を華々しく飾った池田さんだったが、2021年にJBBFの関東オープン選手権に挑戦すると予選落ちと結果が振るわなかった。その年のゴールドジムJAPAN CUPで友人の応援に行った際、今まで出場していたメンズフィジークではなく、クラシックフィジークを観たことで、カテゴリーの転向を決意する。
「クラシックフィジークを初めて生で見てかっこいいと思いました。それに自分は武道や走ることをしていたため、下半身が強く、下半身も評価対象となるクラシックフィジークのほうが自分に合っていると思いました」
2022年はカテゴリーを変更し、JBBF東日本選手権クラシックフィジーク175cm超級4位入賞、ゴールドジムJAPAN CUPクラシックフィジーク175cm超級2位と成績を残した。
池田さんは公務員をしており、トレーニングは出勤前に行っている。
「毎朝4時に起きて、5時にトレーニングを開始しています。週6日で1回当たり1時間から1時間半行います。朝行うことで、一番身体がフレッシュな状態でトレーニングができるので質が良くなることと、運動後は身体が目覚めてすっきりした状態で仕事ができています。これを習慣に変えてから仕事にもメリハリが出ました」
大会への減量やトレーニング法は試行錯誤しており、その結果、昨シーズンは様々な収穫があった1年だったという。
「昨年は2度減量を行い、2つのやり方を試しました。1回目は食事のカロリーを落とすだけの減量法。2回目は食事のカロリーを落とし過ぎず、有酸素運動を行う方法。両方を試してみましたが、1回目の方法のほうが自分には合っていると気が付きました。また、脚を前の日と後ろ日に分けて、胸、背中、肩、腕、脚の前、脚の後ろの6分割にしたことで脚のサイズがアップしました。脚のトレーニングボリュームが増えたことによるものだと思います。2021年からその方法にしていますが、昨シーズンは特にその効果を実感できました」
池田さんのトレーニングのこだわりはトレーニングノートを欠かさずに取ること。
「前回の自分が何kgの重量を扱ったのかを知り、(重量を)更新していく意識を持つことで質を下げないことにもつながりますし、更新することで成長を記録で実感できます。それを時々、遡って見返すことで達成感を得ることもできます。トレーニングを始めた頃から記録は付けていますので見返すのは楽しいですし、トレーニングを始めたての人は記録することでトレーニングのモチベーションアップにもつながると思います」
メンズフィジークからクラシックフィジークへとカテゴリーを変えて挑戦を続けている池田さんは、今年も新たなチャレンジを決めている。
「ボディビルにも出場したいと思っています。JBBFの大会もしくはマッスルゲートにエントリーする予定です」
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取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介
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