ダイエットの成功体験談は世の中に溢れているが、“45kgの減量”はなかなか聞いたことがないだろう。今回は体重94kgから45kg痩せて、『ベストボディジャパン2022日本大会』でフィットネスモデル部門総合グランプリに輝き、5000人以上に通称“鬼maki”として食事管理の指導を行ってきた河本眞希さん(40)。過酷なダイエットと、その経験に基づく減量で大切なことを紹介する。
【写真】親方時代と自称する94kgの身体と、ステージでみせた美しいビキニ姿
6年ほど前に父親から「自分に自信を持てる人間になりなさい」と言われたことで、身長168cm、体重94kgの体型ではダメだとダイエットに踏み切った鬼makiさん。
「パーソナルトレーニングジムとフィットネスクラブに通い始めました。トレーニングは週3回、1回2時間ほど。食事は糖質はほとんど0で、カロリーも600~700kcalだったと思います。タンパク質だけを食べるような食事です」
過酷ともいえるダイエットだったが、「やり遂げる」と決めたら引かないのが鬼makiさん。半年間、気合と根性でその生活を続け、32kgの減量に成功。
「当時美容のお仕事をしており、同じお客様に3週間に1度お会いするのですが、そのたびに痩せていくので驚かれていました。今思うとダイエットの内容は過酷でしたけど、そのときの私は“太っている自分に戻りたくない”という気持ちが何よりも強くて、あっという間に乗り切ってしまいました」
しかし、鬼makiさんは過酷なダイエットの副産物に悩まされることになる。
「髪の毛が抜けるようになって、明らかに薄毛になりました。生理も止まっていましたが、何よりも痩せることに夢中でしたし、家族も『病気で痩せているんだ』と思って何も言ってこなかったので、ヤバいことが起きていることに気が付かなかったんです。ただ、薄毛に気が付いたとき、ダイエットを辞めるかを悩みましたが、リバウンドするのは絶対に嫌だったので、大会出場の目標とともに正しい知識を学んで、ダイエットを見直すことにしました」
糖質をしっかりと摂りながら、無理のないペースでの減量に切り替えた鬼makiさん。さらに1年間で10kgの減量に成功し、2017年にコンテストデビューを飾ると、そこから3kgほど落とし、昨年『ベストボディジャパン2022日本大会』でフィットネスモデル部門総合グランプリに輝いた。
「日本一大きな大会で総合グランプリをいただけて、とても嬉しかったです。まさか自分が日本一になれるなんて思っていなかったので正直驚きました」
現在はダイエットの経験からインスタグラムなどを通じて食事管理の指導を行っている。
「デブの気持ちはデブだった人にしか分かりません。危険なダイエット、無理のないダイエットの両方を経験した私だからこそ伝えられることがあります。太っているからと自信をなくしている人がいたら、自信を持って、生きていけるサポートがしたいです。現在までで5000人ほど食事管理の指導を行ってきました。中には2年間で40kgの減量に成功した人もいます。もちろん健康に気を付けながらのやり方です。ダイエットは気持ちがとても大切なので、同じ経験をしている者として、話を聞き、モチベーションを保つお手伝いをしています。人のためになることをずっとしていきたいです」
最後に鬼makiさんから簡単に取り組めるダイエット法を聞いた。
「食べ過ぎないことを意識することから始めてください。いきなり食事内容をガラッと変えるのは大変だと思うので、ダイエットの基本となる食べ過ぎをなくすことです」
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取材:FITNESS LOVE 写真提供:鬼maki