「トレーニングは週7日。1回2~3時間」若きフィジーク選手の日本一への挑戦
ボディコンテストの登竜門として知られる「マッスルゲート」。今年はすでに3大会が開催されており、そのすべてでメダルを獲得しているのが阿部颯選手(24)。兵庫大会ではメンズフィジーク176cm超級優勝、神奈川大会ではメンズタンクトップ優勝、埼玉大会ではメンズフィジーク176cm超級2位、メンズタンクトップ優勝、マスキュラーフィジーク優勝と実績を積み上げている。
3歳から15年間競泳に励んできた阿部選手は高校の部活を引退後、肥満防止と筋肉への憧れからトレーニングを開始。大学の4年間は「誰より身体を大きくしたい」とジムに通った。
社会人1年目となり、「自分がどの程度通用するのか」を確かめるために湘南オープン選手権メンズフィジーク172cm以上級に出場。
「初めての大会で2位でした。このまま階級別日本一を決める『オールジャパン選手権』への出場を目指しましたが、クオリファイが関係する神奈川選手権で4位。3位以内が条件だったのでオールジャパンへの出場権を逃してしまいました」
「悔しさをバネにトレーニングを考え直しました」という阿部選手はメンズフィジークに特化した身体づくりを始める。
「発達した腹筋と細いウエスト、肩の丸みを意識して、どこかが突出し過ぎないようにバランスを見ながら鍛えました」
自身を「バルクのあるタイプではない」と分析する阿部選手はアウトラインに目を向ける。
「背中は特に大円筋の広がりを意識して種目を行ってきました。大学生のころは腕を太くしたいとか、背中も上部の厚みがほしいとかバランスを意識していませんでしたが、今はアウトラインを重要視してトレーニングメニューを考えています」
15年間取り組んできた競泳では「負けても悔しくはなかった」というが、メンズフィジークでは「負けると悔しい」という。
「人生で初めてここまで悔しいと思えることに出会いました。20代のうちに『グランドチャンピオンシップス(メンズフィジークのオーバーオール王者を決める戦い)』で日本一になりたいです。そのために今はできる限りをやっていきたいと思っています」
阿部選手は外資系のメーカーで働きながら、週7日。1回2~3時間のトレーニングをする。
「仕事終わりにジムに行きます。朝は6時起きなので、睡眠時間が4時間ほどの日もありますが、トレーニングだけは絶対に優先すると決めています。結構、残業することもありますが、仕事が忙しいのを言い訳に、トレーニングに行かないというのだけはしたくないです」
また、意外なことにプロテインは飲まないようにしているという。
「プロテインを1日5、6回飲んでいた時期もありましたが、あまり身体が変わりませんでした。その分、食事からタンパク質を摂ることを意識するようになって筋肉がついた体感があります」
阿部選手は「今年は神奈川を制覇して、オールジャパン選手権で決勝進出します」と目標を掲げる。24歳、若きメンズフィジーク選手の日本一への挑戦は始まったばかりだ。
次ページ:阿部選手の細いウエストから伸びる美しいアウトライン
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介
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