「初めての大会出場をしたとき、食事制限を頑張りすぎて大会後に7kgも一気にリバウンドしてしまいました。その失敗を生かして今は頑張りすぎをやめて、ストレス管理を大切にしています」
平根理香(ひらね・りか/43)さんはボディコンテスト歴6年目、『ベストボディ・ジャパン』の東京大会グランプリ、日本大会でトップ5などベテランのコンペティターだ。3人の子どもを出産後、体重の増加とボディラインの崩れに悩みダイエット目的でトレーニングを開始。みるみる変わっていく体型に感動してボディメイクにハマったという。今や産前よりも引き締まった痩身美を維持し続けている平根さんのボディメイク法を聞いた。
「私は小麦や乳製品、スイーツが大好きです。初めての減量のとき、気合を入れてそれらを一切絶ちました。結果は壮絶なリバウンドでした。そこで我慢との付き合い方を考え直しました」
現在、平根さんは週に1回ほどチートデイ(管理なしで好きなものを食べる日)を入れている。
「禁止している食物も、『今、どうしてもこれが食べたい』という欲求が湧いたときは素直に食べるようにしています。我慢の限界まで耐えるよりも、『ちょっと食べたいな』という段階で少し口にするほうが結果的に満足できて、よりその後も頑張ろうという気持ちになれることに気づきました」
平根さんは普段は調味料の質にまでこだわる食事管理をしている。だからこそ息抜きの大切さを痛感したという。
「基本的に、食事管理自体はとても自分にとって良いものです。白米をしっかり食べ、茹でる・焼く・蒸すといったシンプルな調理法で食事を取るようにしてから、身体の調子も良くなり、長年悩まされてきた蕁麻疹も解消されました。コンテストがなくとも日常的に健康的な身体に良い生活をしようと思えるほど、良い効果があります。それでも、元々好きなものを全部否定してやめてしまうというのは心にとって良くないと実感したため、お友達との付き合いや自分の欲求も大切にするようになりました」
チートデイを入れても、ボディメイクの進捗に支障はなかったという。むしろ、完璧な管理を目指していたころよりも心身ともに良い状態をキープできていると平根さんは語った。
「たまに食べすぎても、普段の管理をきちんと継続していれば何の問題もありません。我慢を重ねすぎてダイエット自体を諦めてしまう人、ストレスに苦しんでいる人に自分の体験が役に立てばと思います」
美しい身体を作るという行為は短距離走ではなく、生涯にわたる超・長距離走だ。過酷なダイエットによる健康被害やリバウンドに苦しみ、自己嫌悪に陥る人は多い。厳格な管理は短期的には可能でも永続するのは難しい。ほどよい解放を自分に許すことが、健やかな美しさを保ち続けるコツだと平根さんの体験は教えてくれた。
取材:にしかわ花 写真提供:平根理香
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。
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