JBBF選手 コンテスト

自信喪失していた時期から脱却し、美しいS字ラインで世界大会銅メダル!「世界の舞台でフィットモデルが好き!と再確認でき、初心に戻れた」

「ここ最近の成績でステージに立つことが怖くなっていたんです。でも、この世界選手権で改めてステージが好きだということに気づけました」

12月17〜19日の3日間、東京の有明コロシアムで開催された『IFBB世界フィットネス選手権&男子ワールドカップ』。世界という大きな舞台だからこそ、初心に立ち帰れたと話してくれたのは久保田有紀(くぼた・ゆき/38)選手だ。久保田選手は世界選手権でフィットモデル168cm以下級とマスターズ35歳以上級に出場し、それぞれ3位・5位という好成績を収めている。JBBF競技歴は4年目にもかかわらず、世界の舞台で堂々とした活躍を見せた。

【写真】久保田有紀選手の美しすぎるS字ライン

2022年、久保田選手はフィットモデルの全国大会とも言える『オールジャパンフィットモデルチャンピオンシップス』(以下オールジャパン)に出場し4位入賞を果たす。さらに翌年の2023年のオールジャパンでも4位入賞となったが、久保田選手は「2年連続の4位という結果に自信をなくし、2024年はどうしようか……」と悩んでいたのだという。

自身が所属するジム『エクサイズ』の柏木三樹トレーナーと相談したところ、「とりあえず2024年の1年やってみてから考えよう」と後押しされ、もう1年だけ頑張った。そして2024年9月に開催されたオールジャパンで2位に輝き、12月の大舞台に向けて「もう一踏ん張り」のエンジンがかかる。

「オールジャパンが終わり、日本代表の決定通知が来るまで1カ月。この期間は減量、ポージング練習を一旦やめて休息に当てました。日本代表が決まれば間に合うよう、体重は増やしすぎないようにだけ気をつけていましたね」

決定の知らせが正式に届いてから変えたのはトレーニングの頻度。有酸素運動による減量が向いていないそうで、上半身と下半身に分けた週2回のトレーニングに、脚の日をプラス。下半身を鍛える日が週2回になったわけだが、うち1日は重量を追っていく日、そしてもう1日は重量を下げて高回数の日に分けたという。

「重量を落として高回数の日を設けた目的は、ポージングにつながるトレーニングをするため。脚に力がちゃんと入っているかを確認しながら行い、インターバル中にポージングを取ったりしていました」

フィットモデルのコスチュームはスリットの入ったドレスとスイムスーツの2種類あるため、特にステージングやポージングなどの”見せ方”が重要になる。舞台上でのステージング詳細が分からず、さまざまなパターンを想像しながら練習したという久保田選手。世界大会用にドレスの裾捌きを大きく見せるパターンや少し抑えめにするパターンなど見せ方のバリエーションを増やしたり、一般クラスではチャーミングにマスターズクラスでは少しクールに見せるような練習をしたり。この大舞台の日までに客観的にも見てもらいながら準備を進めたという。

こういった入念な準備も功を奏し、見事2カテゴリーとも入賞。うち身長別では銅メダルを手にした結果に「予想時以上の結果に大満足です」と顔をほころばせる。自信喪失していたころの久保田選手はもういないようで、明るい声で未来を話してくれた。

「私がフィットモデルを始めたのは2021年でした。最初は何も分からなかったから何でも楽しかったけど、そのうち突き詰めていくと勝たなきゃいけないかなとか、いろんなプレッシャーを勝手に感じてしまって……。全然楽しくなくなっちゃったんですよね。

でも今回、世界大会に出て変に背負ってたものがなくなった気がしました。フィットモデル、そしてステージングが大好きだなっていうのを再確認して初心に戻ったような感覚です。また2025年の舞台も出て、今よりもう少し上を目指していきたいです!」

久保田有紀選手

JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。

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取材・文:小笠拡子 撮影:中原義史

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