「お客様には“100歳まで自分の脚で歩ける身体”をご提案しています。私自身も、見た目だけではなく日常を豊かに送るための疲れにくく機能的な身体づくりを目指しています」
均整の取れた引き締まった筋肉を披露した永井萌(ながい・もえ/34)さんは、インタビューでボディメイクへのこだわりをそう語る。
12月22日(日)、ボディコンテストの登竜門として幅広い参加者から人気を博す『マッスルゲート』の全国頂上戦、『ゴールドジムジャパンカップ』が行われた。永井さんはビキニフィットネス部門35歳以上163cm以下級で2位を獲得した。
「学生時代に10年間ソフトボールに打ち込み、体育専門学校を経てパーソナルトレーナーをしています。私が勤める『LANI Personal Workout studio』は大会出場者ではなく、一般的な身体の悩みを抱える方々ばかりです。私自身、O脚や身体の歪みが歩行動作の改善や筋トレ、機能改善エクササイズなどによる総合的なトレーニングにて改善しました。トレーニングは見栄えだけでなく、より健康に楽しく人生を送るための手段の一つだと思っています」
たとえば、お尻の筋肉を特化して肥大するとしても、他の部位との連動が悪くなるような状態にはしないのだという。筋力・敏捷性・安定した関節の動きを備えるための実用的なトレーニング(ファンクショナル・トレーニング)が永井さんのボディメイクの基礎になっている。
「もちろん大会向けとなれば見た目の勝負ですから外見の向上にフォーカスしたトレーニングもしていますが、機能的な身体という土台があってこそ美しい外側になると思っています」
大会出場にあたっては、減量の停滞の際にトレーニングオフの日を増やしたり、炭水化物をしっかりと摂取しながらミネラル・ビタミンの量を調整して代謝を促すなど試行錯誤を繰り返したという。また、体質的なホルモン周期による下半身の浮腫みやすさにも悩まされながらも、当日はすらりと引き絞られた脚線美を作り上げた。
「今後の大会出場予定はまだ決めていませんが、出場を重ねてたくさんの課題にぶつかったことでトレーナーとしてさらに成長できたと思います。100人のお客様がいたら100通りの癖があり、課題がある。それをしっかりと見つめてより美しく健康的な姿に導けるトレーナーになりたいです」
日本ではボディメイクや熱心なジム通いというものに対し、「見せ筋」「使えない筋肉」という揶揄があるようにまだ冷めた目で見られることも多い。しかし、永井さんの言うように美しい身体に必要なのは美しい土台である。その土台が揺らぎがちな現代社会の生活において、筋トレ・フィットネスを取り入れることは美しさ以上の利益をもたらしてくれる。
【マッスルゲートアンチドーピング活動】
マッスルゲートはJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト大会である。
取材:にしかわ花 撮影:FITNESS LOVE編集部
『IRONMAN』『FITNESS LOVE』『月刊ボディビルディング』寄稿。広告・コピーライティング・SNS運用も行うマルチライター。ジュラシックアカデミーでボディメイクに奮闘している。