ボディビル世界王者が解説「大切なのは種目の順番!大腿四頭筋」

鈴木雅選手の誌上トレーニングセミナー「マッスルキャンプ」を先週に続き紹介します。第2回目となる今回は「大腿四頭筋」の部位別トレーニングをレクチャー。基本的な考え方から実際のエクササイズ方法までを詳しく解説!

取材・文:藤本かずまさ 撮影:岡部みつる 筋肉図提供:ラウンドフラット

トレーニングにおいて私自身がもっとも課題だと感じている部位が大腿四頭筋、特に大腿直筋です。体型によって、大腿四頭筋の形状は個人差が大きく、大腿部の長さや骨盤の大きさなどの差によって、動かしやすい関節もひとそれぞれです。私の場合は股関節よりも膝関節のほうが動かしやすく、そのため膝周りの筋肉、そして内側広筋と外側広筋に刺激が入りやすい。逆に股関節の動作に関わる大腿直筋や縫工筋などは、発達しづらい傾向にあります。

膝回りの筋肉のカットのみが際立つと、脚全体が甘く見えてしまいます。私は大腿直筋のカットをあまり出せないので、ボディビルダーとしては致命的な脚の形をしていると言えます。

かといって、ただやみくもに股関節を動かせば改善されるのかといえば、そうではありません。弱点を克服するために考えた結果、今の私は次のような種目順で脚のトレーニングを進めています。

1:(プレワークアウトとして)インナーサイ、アウターサイ、シーテッドカーフレイズ
2:レッグエクステンション
3:レッグプレス
4:スミスマシンスクワット
5:スクワット
6:ホリゾンタルレッグプレス

スクワットは5種目めに入れていますが、初心者の方や、基本的なサイズ、筋力強化を求める方はスクワットから始めることをおすすめします。

バランスよく鍛えるために

ボディビルダーの脚は外側広筋、内側広筋、大腿直筋がバランスよく発達していないと評価されません。それには、やはり解剖学を理解する必要があります。

大腿直筋は腸骨に起始部、膝関節の下に停止部があります。つまり膝と股関節、ふたつの関節をまたいでいることになります。一方、内側広筋と外側広筋がまたいでいるのは一つの関節のみです。

スクワットのしゃがみ方には「膝関節からしゃがむ」「股関節からしゃがむ」の二種類があります。膝関節から動かすと内側広筋、外側広筋、股関節から動かすと大腿直筋に効きます。深くしゃがむと股関節が屈曲し、大腿直筋は縮みます。すると臀部と膝回り、外側広筋、内側広筋などに刺激がいくことになります。

スクワットで大腿直筋に効かせたい場合は、体を立ててハーフで行います。ボトムでしゃがみきる一歩手前、膝の角度が90度くらいのフォームがもっとも有効です。レッグエクステンションでは膝だけを伸長させるような動作では内側広筋、外側広筋に効くのですが、股関節も屈曲するような動作で行うと大腿直筋にも効かせられます。

骨盤を後傾させた、いわゆる“悪い姿勢”でシートに座ると、股関節ではなく膝から動きます。しっかり骨盤を立てると、脚を上げたときに股関節が屈曲するので収縮ポイントでは大腿直筋にも刺激が入ります。顎に関しても同様で、顎を引くような動作で行うと上体が丸まってしまい、膝関節中心の動きになってしまいます。

スクワット系、プレス系の種目では骨盤と股関節、足幅以外に、足の裏に力を入れるか、入れないかも重要になってきます。レッグプレスで高重量を扱うときは、足の裏に力を入れてブレーキをかけながらフットプレートを下げているはずです。ハックスクワットも同じです。

足の裏に力を入れてブレーキをかけると、内側広筋、外側広筋が働きます。その際、なるべく足の指を開いて行うと、つま先に力が入りづらくなります。つま先に力が入らないので、動作の際にはカカトで重さを支え、股関節を動かしやすくなります。

次ページではプレワークアウトの必要性を解説

前週の内容はこちらからご覧ください
▶ボディビル世界王者が解説「すべての種目に共通する考え方」

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