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短期間でカラダを変えたいならこれ!横川尚隆「最速を叶える失敗学」ロングインタビュー再録③

過去の積み重ねの上の、今

2019年のトレーニングは、簡単に一言でまとめてしまっていいものではないけれど、それでも本当の意味でこれ以上ない最強のものだと思っています。大会に出ていない今も、ベースはこのトレーニングです。

だけど、じゃあずっとフリーウエイトでベーシック種目だけをやっていたら最速でチャンピオンになれたのかというと、そういうわけではないんですよね。僕がここにたどり着けたのは2015からの4年間、常に全力を注ぎ込み続けてきたからこそ、なんです。

2018年を適当にやっていたら「もっと成長できたはず」とは思わなかっただろうし、何を反省したらいいかも分からなかったと思う。やり切ったからこそ、あそこまでの悔しさを味わえたし、翌年の大変革を決意できたんです。

やり切るって、自分が決めたことをしっかりやるっていうだけのこと。病気による体調不良は仕方がないけど「気乗り」とか「モチベーション」とか、そんなのは関係ありません。週6でトレーニングといっても、それ自体みんなやっていること。だけど、僕の場合は種目数も多いしセット数も多い。中途半端な気持ちでは絶対にやりきれない内容をきっちりとやり切ることで、実際の身体の成長だけでなく、気持ちの面で【どれだけボディビルにかけて生活できたのか】ってところが満たされる。それによって心の中の不安を、自信に変えていったんです。

最速を叶えるのは、挑戦と失敗

短期間で夢を叶えるために身体を成長させようとすると、どうしても失敗を恐れてしまうというか、分かりやすくプラスに働くことばかり求めてしまうと思います。例えばトップの選手に触れ合うとかそういう感じのこと。

僕にとっての木澤さんのように確かにそれは大きなことだけど、実際は失敗をして悔しい思いをすることこそ、最速を叶える秘訣だと思うんです。僕はメンズフィジークで優勝した直後の世界選手権とボディビル初戦の東京選手権でボロ負けをしています。自分で自分に期待をしていただけに、めちゃくちゃ悔しかった。でも、そのときにそういう思いをしたからこそ「もっとやってやろう」という気持ちになったんです。

調子がいいときにトレーニングをして、いい感じに仕上がるのなんて当たり前。失敗をして、負けて、挫折を味わって、どん底にいるときにどれだけ這い上がれるかっていうところに、その人の真の強さが出る。安パイばかり狙って得られる成長なんて、たかが知れていますからね。

最速を求めるならば、まずは挑戦をすること。そして、失敗をすること。失敗したら、同じ失敗を繰り返さないためにできることを考えて、動くこと。このときに環境のせいにしたり、周りのせいにしたり、言い訳をしたり、愚痴をこぼしたり、そんなことをしているヤツは必ず同じ失敗を繰り返す。それこそがガチ失敗だってことに気づくべき。

挑戦過程で失敗しても、それを踏まえて反省をして、取り組みを変えて乗り越えれば、俯瞰で見たらそれは何も失敗じゃないわけですよ。

過去の失敗を成功に変えるのか、それとも失敗のままにするかは自分次第。短期間での成長を求めればこそ、どんどん挑戦をして、どんどん失敗をして、それら全てをどんどん乗り越えていくことだと思います。

よこかわ・なおたか
1994年7月10日、東京都出身
身長170cm、体重75~80kg
IFBBエリートプロ
主な成績
2014年 ベストフィジークジャパンミスターベストフィジーク 2位
2015年 第2回オールジャパン・メンズフィジーク 172cm以下級優勝
IFBB 世界メンズフィジーク 日本代表
2016年 日本ジュニアボディビル選手権 優勝
IFBB 世界ジュニアボディビル選手権 2位
2017年 日本クラス別80kg 以下級 優勝
第52回東京選手権 優勝
男子日本ボディビル選手権 6位
2018年 男子日本ボディビル選手権 2位
2019年 男子日本ボディビル選手権 優勝
IFBB 世界ボディビル選手権75kg級 4位


執筆者:鈴木彩乃
フリーライター&エディター。書籍制作を中心に、ウェルネス系メディアでの執筆、編集活動を展開中。好きな筋肉は、前鋸筋。


 


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