成長ホルモンを大量分泌する筋トレ「加圧トレーニング」の効果と方法

加圧トレーニングの効果をより高めるカギは「乳酸をいかに効率よく溜めるか」にある。このポイントを押さえた3つのトレーニング方法をご紹介します!

文:IM編集部

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加圧トレーニングで解く〝パンプアップ〞の科学

加圧トレーニングと相性のいいトレーニング方法をご紹介してみたいと思います。

その前に、まず「加圧トレーニングとは何か」のおさらいから。加圧トレーニングとは、腕や脚の基部(付け根)の部分を専用のベルトで加圧し、適切に血流制限した状態で行う筋力トレーニングです。その最大の特徴は「超軽量負荷であるにもかかわらず、短時間の筋力トレーニングでも筋力増加と筋肥大を引き起こすことができる」ところにあります。

これを踏まえ、加圧トレーニングが及ぼす具体的な効果・特徴を、既存のトレーニング用語で紹介してみましょう。

まずは「パンプアップ」です。加圧トレーニングにおけるパンプアップのメカニズムとは、以下の通り。血流を制限した状態で筋収縮を促す運動動作を行うことで、エネルギー消費による化学反応の副産物として大量の乳酸が発生し、血液中に流れてきます。血液の流れを物理的に制限した部位の血管内には高濃度の乳酸が滞留することになり、アドレナリンや成長ホルモンの大量分泌を促します。

血液の渋滞作用が増すにつれて、血管の拡張が高まり、さらに血管内の圧力が高まるため、血液成分が血管壁を通じて絞り出されて、筋線維の間の水分量が急激に増えます。こうして、短時間で強烈なパンプアップ状態が生じるのです。このときに満たされた水分内には大量の栄養素が含まれています。筋線維のタンパク同化作用に必要な材料も十分に届いている状態ですから、体内での化学反応もどんどん進んでいくわけです。

続いてのトレーニング用語は「ホルモンの獲得」です。加圧トレーニングを実施した後の血液を調べてみると、さまざまなホルモンや伝達物質が大量分泌されていることが分かりました。一部ですが以下に挙げてみましょう。

●アドレナリン(インスリンの分泌を加速させる)
●インスリン(筋肉の材料となるアミノ酸の取り込みや筋肉のグリコーゲン回復に関わる)
●成長ホルモン(骨、靱帯、筋形質などの細胞分裂を増やす)
● IG―F1(筋肉タンパク合成促進作用に加えて、筋肉のもとになる衛星細胞の増殖、分化促進作用などに関わることが解明されている)

他にも血液の循環を整えるVEGF、筋サテライト細胞の増殖を促進するIL―6など、いずれも筋肥大には欠かせない重要な要素ばかりです。

加圧トレーニング効果が高まる3つの方法とは?

以上のように加圧トレーニングの特徴、効果をおさらいしたところで、ここからは加圧トレーニングでの実施において相性のいいトレーニングを紹介していくことにしましょう。

【ピークコントラクション法】
ピークコントラクション法とは文字通り、筋肉への刺激がピークに達したとき、つまり筋線維が収縮しきったとき、その状態を何秒間かキープしてさらに刺激をかける方法です。例えばバーベルカールの場合、腕を伸展させたスタートポジションから、屈曲したフィニッシュポジションの際に2~3秒静止し、使用されている筋肉をより意識、収縮させます。

加圧トレーニングにおいて、筋肉が最大収縮されている状態を維持することにより、血流がより制限されることで血流内の内圧が高まり、効果的に乳酸を蓄積することができます。さらに運動時の伸展、屈曲運動をゆっくり行うことで、血管を血流制限する時間を延ばすことができるため、より効果的と言えます。

【スーパーセット法】
スーパーセット法とは、2つの筋肉、それも対になっている主導筋と拮抗筋の2ヵ所を同時に鍛えるトレーニングで、インターバルをほとんど挟まずに行います。バーベルカールで上腕二頭筋に刺激を与えたあと、バーベルトライセップスエクステンションで上腕三頭筋を刺激するといったように行っていくのが一般的です。

加圧トレーニングにおけるお勧めのスーパーセット法は「同一部位を異なる2つの種目で短い休憩を入れて連続して刺激する」方法です。例えば上腕二頭筋を刺激するなら、トレーニングマシンでのアームカールとダンベルを使用したダンベルカールを実施するという具合です。同一部位ではあっても、動作が異なることでより血管内の内圧が高まり、血中乳酸濃度を高めることができます。

【プレイグゾースト法】
ブレイクゾースト法は「事前疲労法」や「予備疲労法」ともいい、1種目目にコンパウンド種目(多関節種目)を実施する通常のトレーニングとは異なり、1種目目にアイソレーション種目を行い、筋肉を事前に疲労させてから多関節種目を行う方法のことです。

加圧トレーニングで実施する場合、例えば加圧をかけた状態でハンドグリップを握り締める動作を数セット実施し、前腕の筋群に血液が溜まりやすい状況を作ります。

さらにアームカールとトライセプスを加えて上腕二頭筋と三頭筋周辺の血中乳酸濃度を高めて、事前疲労を起こします。加圧トレーニングでは超軽量負荷でパンプアップさせることができるので、多関節運動で完全な疲労感が得られない、目的の筋肉を鍛えることができないと感じている場合でも、十分に意識できる状態でトレーニングを実施することができます。

今回紹介した3つのトレーニング方法に共通しているのは、乳酸をいかに効率よく溜めるかです。加圧トレーニングにおいて血中での乳酸濃度の向上は成長ホルモンの分泌に比例します。このことからも、より効果的な加圧トレーニングのカギは「乳酸の蓄積方法」ということになります。

加圧トレーニングの歴史はすでに50年を超えており、世界のアカデミックな機関や大国の国家機関でも究極のトレーニングとして信頼を得ています。みなさんも現状実施しているトレーニングに加圧トレーニングを組み込むことで、劇的な変化が期待できるのではないでしょうか。

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